時代と業種にマッチした、オフィスワークとリモートワークのハイブリッドな働き方

今回はオリジナルTシャツをPC/スマホのWeb上でデザインして1枚から購入できるサービス「TMIX」を運営している株式会社spice life代表の吉川氏とCTOの五十嵐氏にお話をお伺いしました。

株式会社spice life代表の吉川氏、CTOの五十嵐氏インタビュー

Hirasawa:まずは御社の事業内容を教えてください。
Igarashi:私たちはTMIX(http://tmix.jp)を通じてオリジナルのTシャツやパーカー、バッグなどを1枚から作り購入できるサービスを提供しています。「Print Your Heart(プリントユアハート)」をスローガンに、私たちはTシャツで日常をもっと楽しくしたいと考えてます。
世界にただ一つのお客様のオリジナルを一枚一枚丁寧にプリントしてお届けしてます。大学サークルのTシャツなど団体向けはもちろん、誕生日や出産祝いのプレゼントなどにもよく利用いただいています。

リモートワークとリモートライフ制度の導入

Hirasawa:社員は何名ほど在籍されているのですか?
Yoshikawa:社員数は全員で26名いて、現在1名は大阪でデザイナーとしてリモートワークしています。
Igarashi:その社員は毎月1週間程度、都内のオフィスに出社しています。

Hirasawa:リモートワークを始めた経緯とリモートライフ制度の概要を教えてください。
Yoshikawa:制度という風にあまり決めていないですね。率直な話、仕事さえやってくれたらどこで働いてもいいじゃないですか?私自身10時〜19時まで働くという働き方に以前から疑問を持っており、また満員電車も好きではありません。仕事が始まる前からストレスを感じるのが好きではなく、しっかりと成果を出してくれるならば働く場所は問わないという考え方がありました。もちろん、仕事はチームで行っているので、チームメンバーに迷惑をかけないのは大前提ですが。
Igarashi:エンジニアやデザイナーに関しては成果主義でやっているので、リモートワーク自体は結構前から実践していました。

Onishi:職種にもよるけど、どこでも働ける人は自分の好きな場所で、好きなタイミングで働いた方が成果が出やすいですよね。結構スタートアップだったり小規模のベンチャーは、リモートワークを導入しているところ多いですよね。気づいたらリモートワークしていたみたいな。
Yoshikawa:そうそう。インターネット業界は特に多いんじゃないですか?スタートアップでリモートワークを導入している人とか。
Igarashi:今年のはじめに「年に2回1ヶ月程度の期間、自分の好きな場所で仕事していいですよ。」という内容のリモートライフ制度を開始しました。リモートライフ制度にかかる費用は上限10万円までなら会社が負担するというのも特徴です。そもそもこの制度は私が花粉症だったので、代表の吉川に「花粉症で辛いんで、花粉に影響されない場所で働く制度があると嬉しいんですけど」って話したら吉川が「面白いじゃん!」って言ってたんですね。半年ぐらい経って吉川から「あの制度、採用するから」と言っていただき、そこから次の花粉症の時期にリモートライフ制度として導入しました。最初は花粉症の方を対象としていたんですが、それだと不公平なので誰でも利用できるようにしたのが始まりです。

ユーザーサポートをリモートワークで行うっていうのは今後も起こらないのではないかと思う

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Onishi:リモートワークにも種類があると思ってて、1つ目に完全自由裁量制のリモートワークの会社、2つ目に勤務時間やコアタイムがあるリモートワーク、3つ目にリモートワークをオプションとして導入している会社。御社の場合どのタイプに当てはまりそうですか?
Yoshikawa:3つ目でしょうね。業態的にうちの会社で完全自由裁量のリモートワークは難しいです。ユーザーサポート部は電話での対応が必要で、家で作業するのはなかなか難しいです。電話転送をすればもしかしたらできるかもしれないが、お問い合わせに対して社員同士が連絡を密に取り合う必要があるんですよ。例えば、同じお客さんから何度もお問い合わせがあった場合、作業のステータスを工場に問い合わせて確認するんです。その場合、ユーザーサポートのメンバーが近くにいないと進められないんですよ。ユーザーサポートは個人で進めるのでなく、チームで進める必要があるんです。チームになった時は同じ場所にいないと効率悪いじゃないですか?なので、ユーザーサポートをリモートワークで行うっていうのは今後も起こらないのではないかと思う。

Onishi:最近は、Web上で電話転送を行えるサービスがあるけれど、ユーザーサポートはチームで一緒に対応したほうが効率がいいということですね。
Yoshikawa:ZapposやAirbnbのオフィスに行った時、大勢のカスタマーサポートの人々がオフィス内にいたんですよ。それって理由があって、サポートの人たちは「いつ何時、何が起きるかわからない」仕事なので、何かがあった時にどう対応していくかというのを連携していなければいけないんですよね。工場との連携も必要だし、ユーザーサポート同士の連携も必要。

Hirasawa:マニュアルやノウハウの共有はどのように行っているのですか。
Yoshikawa:マニュアルなどのノウハウは一部ネット上でできます。しかし、お客さんに対するレスポンスが早くなければいけないので、リーダーやそのお問い合わせを対応した経験がある人に判断してもらう場合もあります。同じお問い合わせのように見えるんだけど、ソリューションが異なる場合って結構あって、字面は同じなんだけど、裏にあるコンテキストが全然違ったとかね。お問い合わせは初めての人からなのか、または5回目の人なのかで回答方法が全然変わってしまう。そういうのは個人ではできないんですよ。ナレッジは基本ドキュメント化していくというのはもちろん行ってます。しかし、お問い合わせに対する対応に方程式みたいなのがないんです。逆にエンジニアやデザイナーはタスクが個別に割り振られるので、そのタスクに集中して取り組めばいいわけで、わからない箇所はお互い聞いたりしますが、リモートワークはやりやすいと思います。

リモートワークの勤怠管理

Onishi:基本オフィスに来ているのはユーザーサポートの方々ですか。
Yoshikawa:ユーザーサポートの人は全員オフィスに来ています。デザイナーやエンジニアは家で仕事をしたりしてます。

Hirasawa:デザイナーにエンジニアそれぞれ何名ずついらっしゃるんですか。
Yoshikawa:エンジニアは9名、デザイナーは2名います。

Onishi:リモートワークの勤怠管理はどのように行っているのですか。
Igarashi:esaの日報機能で日報を毎日提出してもらっています。そこに稼働時間なども記入してもらう形です。

Hirasawa:その他に使っているツールはありますか。
Igarashi:チャットツールとしてidobataを使用し、会話のツールとして私たちはGoogle hangoutを使っています。

Onishi:タスク管理は何のツールを使っていますか。
Igarashi:ピボタルを使ったり、githubのissuesをキレイに見せるZenHubを使ったりとチームごとにやりやすい方法を導入してもらっています。

時代に合った働き方を模索することが大切

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Onishi:休みの概念(on と off)はどうしてますか。
Yoshikawa:基本土日休みですね。ただ土曜日もサポート業務は行っているので、サポートメンバーはシフト制です。

Onishi:月曜日の朝9時から仕事が開始する感じですか。
Igarashi:月曜日からですが、その日のうちで働く時間は決まっていないので、個人の裁量になります。

Hirasawa:社員間のコミュニケーション方法はどのような取り組みを行っていますか。
Igarashi:毎日チームごとに昼会っていうのを行っていて、そこでみんなコミュニケーションを取っていますね。
Yoshikawa:期初に今期の目標や方向性を共有する場をみんな集めて行うが、それ以外は個々の事業チームなどで行ってもらっていますね。社員全員で集まるというのはあまりないが、チームごとや事業部ごとで結構頻繁に集まる場を作るようにはしています。この前も合宿に行ったチームもいたし。やはりリアルで集まる場はチームで仕事をするうえでとても大切だと思います。

Hirasawa:最後に一言お願いします。
Yoshikawa:現代の仕事の中に、仕事とはあんまり関係ない枷が多すぎる気がします。例えば古くからの慣習で何も考えずに今も続けているけど、考えてみると無意味だよねみたいなもの。そういう枷を外せる働き方をこれからも推し進めていけたらいいと思います。昔からの慣習を現在のライフスタイルや働き方と照らし合わせながら一回自分たちで考えて、時代にあったやり方を行っていくことが大切なんだと思います。

今回のインタビューは、TMIXで制作されたTシャツなどが飾られた、株式会社spice lifeのオフィスに訪問させて頂きました。実践しているリモートライフ制度などの取り組みは、まさに現代のライフスタイルに合った働き方だと感じました。

本日は貴重なお話ありがとうございました。

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吉川 保男
株式会社spice life 代表取締役社長。大学卒業後、数年間ソフトウェア業界にてプログラマーとして業務システム開発に携わる。2001年10月より約4年間、ジグノシステムジャパン株式会社にてシステムエンジニアとしてケータイ公式10数サイトの立ち上げを経験する。 2006年からは株式会社ネットジーンにて企画ディレクターとして従事し、親会社であるヤフー株式会社にて企画ディレクションを担当。 2006年10月より本社経営企画室へ転籍。事業企画を担当する。その後2007年2月に独立、2007年5月に「株式会社spice life」を設立。

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五十嵐 邦明
株式会社spice life CTO 開発部長。大学卒業後、新聞社の画像管理システム開発やSONY製品の映像に関するプログラム開発などを行う。2009年から株式会社万葉にて Ruby on Rails をつかったWebアプリ開発やiPhoneアプリ開発に従事。 2012年より一橋大学非常勤講師を兼任。2013年より株式会社spice life入社。現在にいたる。

株式会社 spice life
http://spicelife.jp/

オリジナルTシャツを1枚からデザイン作成して購入できるファッション通販サイト。TMIX
http://tmix.jp/

インタビュアー

Onishi
当メディア「anywher」を運営するWM & Creators株式会社 代表取締役社長
Hirasawa
当メディア「anywher」を運営するWM & Creators株式会社 プロジェクトマネージャー

WM & Creators, Inc.
https://wm-creators.com/

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