QRコード決済を導入したい!費用や手間はどれくらい?

QRコード決済を導入

「時代はキャッシュレス」―と言わんばかりの勢いで、続々とQRコード決済をはじめとするサービスがリリースされています。直近では、ソフトバンク系列のPayPayが世間の話題をさらい、大躍進を遂げました。そうしたキャッシュレスブームに乗りたいと考える経営者の方も少なくないでしょう。今回はQRコード決済の導入方法を紹介します。

世界のQRコード決済普及率

QRコード決済の普及率で世界を牽引しているのは、紛れもなく中国です。普及率は驚異の98%であるのに対し、最先端のトレンドを引っ提げているイメージが強いアメリカが6%ほどとその差は歴然です。

中国でQRコード決済が浸透した背景として、国内での偽札の蔓延により現金への信頼が低いことが挙げられます。これは、インフラの整備が不完全な発展途上国で見られる傾向で、アフリカの国々でも高い数字をたたき出しています。さらに、QRコード決済において国内二大巨頭(Alipay、WeChat Pay)が存在し、手段が選びやすいことと、それらの決済が様々なサービスと紐づけられていることが大きな理由とされています。

それに対し、ほとんどQRコード決済が普及していない印象のアメリカですが、キャッシュレスの全体の普及比率は2018年上半期の時点で約46%となっており、決して低いわけではありません。イギリスでも2015年には現金がキャッシュレスを下回る利用率になっており、先進国でもじわじわとキャッシュレス化の波が押し寄せていると言えます。

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日本の普及率

日本のQRコード普及率は、アメリカよりやや高い9%(アメリカよりも最近の記録に基づく)ですが、キャッシュレスの全体の普及率はわずか20%ほどと、世界的に見ても後れを取っています。

日本で普及しない原因

日本でQRコード決済をはじめ、キャッシュレスがあまり普及しない原因は、根強い現金主義が背景にあります。

中国や発展途上国に比べ紙幣への信頼が厚く、キャッシュレスである必要性を感じないことが一因です。また、各社が電子決済サービスを乱立させているためガラパゴス化しており、利用者側が手段の多さに辟易している点もキャッシュレスの普及を妨げています。

さらに、最近ブームと化しているQRコード決済に関しては、レジ前での利用手順(アプリを立ち上げて、QRコードリーダを起動させ、QRコードを読み込む)の面倒さが際立ってしまい、利用者側に心理的な障壁を築いてしまっているようです。

QRコード決済を導入するメリット・デメリット

QRコード決済を利用している写真

では、今後も普及への猛プッシュが続くと思われるQRコード決済を導入した際にメリットやデメリットはあるのでしょうか?

メリット

先述したように、中国ではQRコード決済の普及率がほぼ100%に近いため、中国からのインバウンドの集客を望むのなら、中国で有名なAlipayやWeChat Payを導入すると利用客がおのずと集まることが期待されます

また、現金の受け渡しがなくなるため会計プロセスが簡便になるので混雑時の緩和につながります。さらに、レジに保有する現金が減ると防犯面でも安心でしょう。

そして、直接現金を触らずに済むこと自体が衛生的ですので、特に飲食店と相性がいいです。

デメリット

日本国内においても、欧米諸国においてもQRコード決済の認知度はまだ低く、日本国内においては現金決済が主流ですし、欧米諸国においてはクレジットカード決済が主流ですので、QRコード決済のみにしてしまうと大幅な離客が発生してしまう可能性があります。

そのためにも、決済手段としてのクレジットカードや現金は保持しておくと安心です。

また、QRコードを印刷して同じコードを使い続ける(静的コード)場合には、何者かにコードを張り替えられてしまう可能性もあり、見知らぬ口座に送金されていた、とならないように慎重に扱うべきでしょう。こうした犯罪は実際に中国国内でも起きており、日本でもQRコード決済の普及が進めば、類似の犯罪が起きる可能性が否定できません。そうならないためにも、なるべくならば会計の度にコードが改められる(動的コード)システムにすることをおすすめします。

また、QRコード決済はスマホで完結するため非常に手軽ではありますが、充電切れで決済ができないなどのトラブルを想定しておく必要もあります。

QRコード決済はこんなに簡単に導入できる!

難しいように思われるQRコード決済の導入方法ですが、意外にも簡単なプロセスになっています。厳密には利用したいQRコード決済の方法によって多少異なるのですが、ここではおおまかな流れだけを以下に示します。

導入手順

  1. スマホで決済をするので、快適な通信環境を整える
  2. 利用したいQRコード決済に加盟店申請する
  3. 動的コードを利用できる端末を用意する(もしくはQRコードを印刷したものを用意する)

QRコード決済を導入できるソリューション3選

QRコード決済を導入する際におすすめの決済サービスをご紹介します。

1.LINE Pay

LINE Pay

https://pay.line.me/jp/intro?locale=ja_JP

LINE Payは、日本国内におけるスマホユーザーの約7割が利用しているインフラ的SNS「LINE」が提供している決済サービスです。LINEの利用者が情報感度の高い20代が中心なので、LINE Payの利用者も見込めます。

また、2018年8月1日から2021年7月31日までの期間において、アプリのQRコード決済に限り加盟店に対する決済手数料が無料となっており、導入するならば今がチャンスです。

期間終了後も決済手数料は2.45%からとなっており、クレジットカードやデビットカードなどに比べて安価なのも魅力です。

【導入方法】

  1. 「LINE Pay店舗用アプリ」をインストールし、加盟店申請する(webページからでも可能)
  2. 審査合格後、メールの案内からマイページにログインし、端末を接続させる(月額料金で据置端末を利用することも可能)

2.PayPay

PayPay

https://paypay.ne.jp/store/campaign/

2018年12月にビックカメラがPayPayを導入したことで、一気にユーザーが増加したと見込まれるPayPayは、初期導入費用・決済手数料・入金手数料すべて無料となっております。

いつから有料になるのかは未定だそうですが、大きな話題を呼んでいるのでこのチャンスを逃すのはもったいないでしょう。

【導入方法】

  1. PayPayのHPから電話か問い合わせフォームから加盟店申請をする
  2. 1~2週間後、審査に合格した場合にPayPayコードキットが届く
  3. PayPayコードキットを組み立てて設置する

3.AirPay QR

AirPay QR

https://airregi.jp/mp/

AirPayは様々な決済方法に対応しているため、QRコードのみならず、クレジットカードや交通系電子マネーの申請も同時に行うことができます。

また、中国系決済サービスのAlipay、WeChat Payの他に、LINE Payやドコモのd払いにも幅広く対応しています。また、導入費用も月額固定費も無料です。

ただし、利用はiPhoneとiPadに限りますので、その点だけご注意下さい。決済サービスが乱立し、ガラパゴス化している日本だからこそAirPay QRはおすすめです。

【導入方法】

  1. AirPay QRのHPからオンラインで加盟店申請をする
  2. 審査合格後、IDとパスワードが発行

まとめ

経済産業省は「キャッシュレス・ビジョン」を掲げ、2025年の大阪・関西万博までにキャッシュレス決済比率を40%まで引き上げること、さらに将来的には世界最高水準である80%に達成させることを目標に据えています。

また、2020年の東京オリンピックでは大きなインバウンド集客を狙えるチャンスですし、今のうちにQRコード決済を導入しておくと商機を掴めるでしょう。

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