モバイル広告の行方を知るための8つのヒント

1兆5,000億ドルのeコマース業界

eMarketerの調査によると、eコマース業界は昨年、デスクトップ、タブレット、スマホ経由で、1兆5,000億ドル(約180兆円)相当の商品やサービスを全世界で売上げたそうです。
オンライン経由の売上げにモバイルの占める割合は、2015年末までにeコマース全体の4割になるだろうと予想され、特に日本や米国、英国などの先進国では5割を超える見込みだそうです。

今日、モバイルデバイスの総数は世界人口の数を上回っていると言われており、過去にテレビや印刷物に費やされていた広告費が、現在はモバイル広告に費やされるようになりました。今や「モバイルを第一に考えない企業は、確実に乗り遅れる」世の中になったとも言われています。

SPONCER

2015年以降のモバイル広告の動向

2015年以降のモバイル広告の動向について、世界的にモバイル広告プラットフォームを運営するSupersonic社のテリー・コウ氏の考察をご紹介します。

モバイル広告費は、デスクトップを追い越す

eMarketer調べでは、現在米国のデスクトップの広告費は、モバイルよりも11.8億ドルほど多くなっています。しかし、モバイル広告はこの先の2年間でデスクトップの2倍に達する勢いで増え、デスクトップ広告を凌ぐのはもはや時間の問題です。
デジタル広告全体の成長として考えれば、モバイル広告の成長は決して「共食い」ではありません。ともあれ、この先デスクトップ広告は停滞し、 2019年までにモバイル広告が全体の72%を占めるようになるだろうと言われています。

US DigitalAd_SpendingbyDevice_2013-2019
出典:http://www.emarketer.com/Article/Mobile-Will-Account-72-of-US-Digital-Ad-Spend-by-2019/1012258

In-app(アプリ内広告)が、携帯サイトを圧倒する

すべての広告メディアの中で、今最も伸びているのがIn-appモバイル広告です。スマホユーザーはウェブを見るよりもも、より多くの時間をアプリに費やしているのが大きな理由でしょう。
つまりスマホユーザーにアプローチをしたいのであれば、In-appモバイル広告に投資をするのはとても有効な手段です。
IDC の調査でも、米、英、独、仏、日本、ロシア、ブラジル、インドなどの主要国でIn-app広告はアプリ収益全体の半分以上を占めています。

ビデオフォーマットの急騰

モバイルビデオも、デジタル広告で急成長している分野の一つです。企業はビデオフォーマットが、ユーザーと繋がるために非常に効果的であることを発見し、自社のストーリーを印象付けるためにモバイルビデオを活用しています。

Mobile_Advertising_Revenue
出典:http://www.businessinsider.com/mobile-video-is-the-growth-area-2014-10

モバイルエンゲージメント、次の温床はインド

東南アジアは、世界で急成長しているスマートフォン領域の一つです。特にブロードバンドインターネットが希少で、モバイル進出度の高いインドが今注目されています。ミレニアム(新世紀世代)同様、インドの若年層もモバイルアプリの受け入れに寛容で、インドは有望な広告収入の機会になるだろうと見なされています。

Android対iOS

オペレーションシステムの戦いは、主にAndroidとiOS間で行われています。最近のOpera MediaWorks studyの調査では、AndroidとiOSが世界の広告収入の9割を占め、Blackberry、Windows、Symbian、その他が、残りの1割を占めていると報告しています。現在、Androidがモバイルトラフィックの63%を占め、総収入の41%を上げています。

Traffic share_mobile phone OS
出典:Opera MediaWorks study

事後データの呼び出し

広告などからアプリのインストール後、ユーザーがどのような行動を取るのか検証するのは難しいと言われています。
“商品を購入するのか”、”コンテンツを共有するのか”、”アプリをアンインストールするのか”などの、アプリインストール後のユーザーの行動がわかれば、広告価値の評価や、再標的化に役立てることができます。
予算が大きくなるにつれ、このアプリインストール後の調査をすることはますます重要になってきます。企業や開発者、広告技術者は協力して事後データの解明に努力する必要があります。

モバイル使用時間の大半はゲームが占める

ゲームは、SNSや音楽を抜いて、ユーザーのモバイル使用時間の大半を占めています。ゲームアプリの使用時間は1日平均2時間以上とまで言われています。
モバイルゲーム上の広告では、ユーザーデータを大量に効果的に使って、in-app でより的を絞った、戦略的なキャンペーンを行うことができます。ユーザーが多くの時間を過ごす場所に集中して広告を出したいなら、ゲームに広告を出すことです。

アプリプロモーションの成長

アプリユーザーを獲得するのはとても時間がかかり、簡単なことではありません。
アプリのプロモーションやインストール広告は、ユーザーを獲得するまでの過程の合理化を目指しています。ディープユーザーをターゲットにすることや、プログラムによる広告配信機能は、的確なユーザーベースの情報を取得するための時間やエネルギーをかなり節約してくれます。
昨年の米国のアプリインストール広告は、モバイル総支出の8.7%でした。それが 2015年には、年間成長率80%で、30億ドルにも達すると予測されています。
アプリのプロモーションは開始されてからまだまだ日の浅いものです。しかしその反面、とても早いスピードで成長しています。

モバイル志向が広まっていく

このように世界はますますモバイル志向になっています。米国で起こっていることは、少しの時差で日本にも起こりうると言われていることから、米国の動向を見守るのは今後の日本の動向を知るうえで、有意義なことだと言えるでしょう。

参考
SPONCER
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