Macにもともと入っているAutomatorというアプリをご存じですか? こんな感じの、ロボットのアイコンが目印です。
Automatorはパソコンで行うめんどうな作業を自動化してくれるアプリです。
例えば以下のようなことを自動化してくれます。
- ファイル名をすべて小文字に変換する
- 大量の画像をすべて50%に縮小して、連番をつける
- パワポの資料から画像だけを抽出
- 複数のpdfを1枚のpdfにまとめる
- パソコンをつけたとき、必ず使うアプリを自動的に立ち上げる
ただし自動化させるためには、自分でプログラムを組まなければなりません。しかしそこはMac。ノンプログラマーでも、コツがわかれば簡単に作れるようになっています。
今回はAutomatorがどのようなアプリなのか、実際にひとつ作りながら解説します。作るのは「複数のpdfを1枚のpdfにまとめる」作業です。
たくさんのpdfを1枚にまとめたいとき、わたしはFinderを使っているのでドラッグ&ドロップせねばならず「めんどくさいな〜」と思っていましたが、このワークフローを使えば5秒でできます。
Contents
1. ワークフローを考える
Automatorでどんな作業を行うかは、自分で作らなければなりません。プログラミングです。でもスクリプトを書く必要は全くなく、ドラッグ&ドロップで作れちゃいます!
我々が考えるのはワークフロー。パソコンはいちいち「何を」「どうするのか」指示しないと何もできないので、どういう順序で複数のpdfを1枚のpdfにするかは自分で考える必要があります。
というわけで
こんなワークフローを考えた
- まとめたいPDFデータを取得する
- 取得したPDFを名前の順で並べ替える
- PDFを結合する
- 別名でデスクトップに保存する
2. Automatorを立ち上げて書類の種類を決める
ワークフローが大まかに決まったら、Automatorを立ち上げます。まず「書類の種類を決めてくれ」と言われます。
自動化したいものにもよりますが、「アプリケーション」か「サービス」を撰択するとよいでしょう。書類の種類は以下のとおりです。
- ワークフロー:Automatorを起動して、後で編集ができるようにする保存形式。
- アプリケーション:通常のアプリのようなアイコンが作られて、そこからワークフローを実行できる。いちいちAutomatorを起動しなくてもOK。
- サービス:オプションメニューのサービスから実行可能にする保存形式。アイコンが増えるのが嫌な方にオススメ。テキスト関連の作業もこっち。
- プリントプラグイン:PDFプリント時に適用されるワークフロー。PDFの暗号化やウォーターマークの作成はこれ。
- フォルダプラグイン:フォルダをトリガーにしたワークフロー。特定のフォルダに保存した画像ファイルを、拡張子で分けたりするのはこれ。
「アプリケーション」でも「サービス」でもよいと思いますが、デスクトップにアイコンが増えるのが好ましくないので、「サービス」で作る人が多いようです。そんなわけで、今回もサービスで作っていきましょう。
3. 実際にワークフローを作成していく
3-1. まとめたいPDFデータを取得する
まずは撰択したPDFファイルを認識させます。
PDFを1枚にまとめるとき、普通画像ファイルやテキストファイルを混ぜて撰択しないので、ここでワークフローに組み込む必要はありません。
ウィンドウの上部に指定する部分があるので、ここで「受け取る選択項目:PDF」「検索対象:Finder」を指定します。
3-2. 取得したPDFを名前の順で並べ替える
PDFのデータを取得したら、せっかくなので結合する前に名前順で並び替えておきましょう。ファイル名を連番にしておけば、1ページから順番に結合します。
ウィンドウ右のアクション一覧「ファイルとフォルダ」から「ファインダー項目を撰択する」を左にドラッグ&ドロップします。見つからない場合は、検索窓を使いましょう。
並べ替え基準は「名前」、順序は「昇順」にします。
3-3. PDFを結合して別名で保存する
並び替えたPDFをいよいよ結合します。ウィンドウ右のアクション一覧「PDF」の「イメージから新規PDFを作成」を左にドラッグ&ドロップします。「えっ、イメージ?」と思われるかもしれませんが、イメージファイルにはPDFも含まれています。
出力の保存先は「デスクトップ」、出力ファイル名は今回「new-PDF」にします。ひとつのワークフローで結合と、別名で保存することができました。
あとはこのワークフローを適当な名前で保存すればできあがり。オプションメニューの「サービス」で表示されるので分かりやすい名前がいいでしょう。今回は「PDF結合」にします。
作ったらさっそく試してみましょう。適当なPDFファイルを撰択して「サービス」から「PDFを結合」を実行すると「new-PDF-1.pdf」という新しいファイルが作成されているはずです。
ちなみにAutomatorで作ったサービスは「ユーザ / 自分 / ライブラリ / Service」に保存されています。不要になったり、失敗した場合はここから削除しましょう。
まとめ
Automatorを使うには、まず自分がAutomatorで何を自動化させたいのかを、よく考えることが大切です。そこではじめて、どのようなワークフローが必要かがわかってきます。ドラッグ&ドロップで作れるので、謎の文字列や黒い画面を怖がる必要がなく、プログラミングの考え方がわかります。
私はAutomatorで遊んで「なるほど〜、プログラミングってこういう普通にワークフローを作るんだな!」と覚えたので、これからプログラミングを習得しようという人にもオススメです。
画像の自動化はいろんなアプリがあります。
Automatorは便利なんですが、画像の自動化関連は便利なアプリがあります。リサイズなら「Th-MakerX」「ResizeIt」、「プレビュー」でも一括リサイズできます。リネームは「Shupapan」というアプリがオススメですよ!