オフィスの会議に参加するリモートワークロボット Double 2

テクノロジーは絶え間なく発展し、私たちの生活をより便利にしています。バーチャルプレゼンスによるビジネスミーティングの将来へ向かっても、進化は続いています。

ロボットの研究開発企業Double Robotics社は、「Double 2」という名のロボットを、最近米国ラスベガスで開かれたコンシューマー・エレクトロニクスショー(CES)2016で発表しました。「Double 2」は、それ以前のモデルからアップグレードされたテレプレゼンスロボットで、リモートワーカーにバーチャルプレゼンスを与えることを目指しています。

テレカンファレンスとロボットの違い

テレカンファレンスは、1980年代からビジネスに使われ始め、現在もビジネス界のコミュニケーションの大切なツールです。しかし、机上のタブレットやスクリーンを介したテレカンファレンスとは異なり、「Double 2」はその場へのリモートワーカーの臨場感を高める意味で、全く違ったレベルであると言えるでしょう。

このデバイスは実際、モバイルロボットにカメラがインストールされたもので、リモートワーカーが、ホームオフィスのコンピュータのキーボードやiPadのような互換性のあるタブレットを使って制御し、オフィスの中を自由に移動させて、同僚とやり取りすることができます。

「Double 2」の特徴

「Double 2」ロボットは、スピーカー付のタブレットを搭載しており、同僚たちがリモートワーカーの顔を見ながら話をすることができます。リモートワーカーの側では、ロボット周辺の画像をとらえることができ、会議中の重要なプレゼンテーションの高いポイントや、グラフなどをキャプチャすることができます。

同社の以前のモデルの「Double」では、ビデオや写真は、ロボットのスクリーンのために搭載されたiPadのカメラに頼るだけでした。しかし「Double 2」は独立した5.0メガピクセルのカメラを備え、より幅広い視野、常にオンフロアのビューや、アダプティブHDなどのより多くの機能を持っています。

「Double 2」のカメラキットは、150度広角レンズを持ち、視野を左右70%拡張しています。このカメラキットには下位互換性があり、「Double」の所持者が購入して、機能を体験してみることもできます。

コミュニケーション機能のほかに「Double 2」ロボットは、ケーブルコードのようなオフィス内の障害物による転倒を防ぐことができる、横方向の安定性制御を誇っています。それはパワードライブモードをもち、ロボットの駆動速度をほぼ80%増加させています。


世界で導入

世界中の多くの企業が、現在までにすでにテレプレゼンス技術を活用しています。ニュージーランドのオークランドにある会計事務所ワイズアドバイスは、ロボット従業員を雇いました。それが会計士が物理的に出社することなく、会議に出席したり、人と会ったり、トレーニングを施したりするのを可能にしています。それはまた、プレゼンテーションのプラットフォームや、トレーニング、ワークショップ、セミナー中のコンテンツとしても機能しています。

「Double 2」ロボットの主要市場は、今のところビジネス部門ですが、教育分野や医療分野でも活躍しています。体の不自由な5歳のフォード・スニゼク君も、「Double」を使って教室内で起こっていることを毎日経験しています。

Linkedin社の例

Linkedin社にもDouble Robotics社のロボットが導入されています。ロボットを介して、同社のリモートワーカーたちは、同僚と隔たりなくコラボレーションができていると感想を述べています。同社に勤めて3年になるシニアCDNエンジニアのジョナサン・マルセロさんは、2年前に会社から離れた町へ引っ越しました。当初はどうやってリモートワークを続けていけるかわからないほど困難だったそうですが、「Double」の導入で物事がうまく働きだしました。「会議室に入って、参加者のリアクションを聞くことができるし、自分がしゃべるとみんながこちらを見てくれるので、本当にその場にいるようだ」と彼は話します。

シニアスタッフ・エンジニアのマイク・サボーダさんは、5年前に入社した時、リモートワーカーは自分一人だったと回想します。オフィスで起こっていることに取り残されないために、数か月ごとに飛行機で何千マイルも離れた本社へ足を運ばなければなりませんでした。10年で従業員数が10倍に急成長した企業では、出社する度に何かしら変わっていて、毎回自分が新入社員のように感じられたそうです。今ではロボットを使って同僚と顔を合わせた付き合いができるようになりました。「テレカンファレンスでは、まず電話で日時を調整しなければならないけれども、ロボットではいつでも同僚と話せる」と言います。

「ロボットは確実に従業員間のコミュニケーションを高め、それが生産性の向上にも繋がっている」と同社のビデオカンファレンス・マネジャーのジーヴァン・ヴァルギーさんは語っています。


参考
http://www.doublerobotics.com/
http://smallbiztrends.com/2016/01/double-robotics-double-2-tablet-robot.html

SPONCER
Related Article