これから独立、起業するという人がまずやらなければならないのが、会社設立の手続きです。
会社設立には自分でやる方法と、プロに任せる方法がありますが、どちらにしても多くの作業が必要であり、やり方によって、かかる費用や時間・手間も変わってきます。
今回は会社の設立にあたって、どのような作業が必要なのか、何からはじめればいいのか、分かりやすく解説していきましょう。
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会社設立費用、24.2万円
会社設立には様々な手続きが必要ですので、すべてを自分で行なう場合は、
手早く行なっても1週間ほどの時間が必要です。
専門家に任せれば、手続きそのものは、すべて代行してもらえるため、最短1日で終わることもあります。
会社設立時の費用は以下のものが必要です。
- 定款印紙代:4万円
- 定款認証手数料:5万円
- 定款の謄本交付手数料:2000円
- 登録免許税:15万円
トータルで24万2000円になります。
専門家に依頼した場合は、ここにさらに依頼手数料がかかることになります。
1円で起業できるとも言われますが、それは後で解説するように資本金が法律上1円でも会社設立は可能というだけで、手続きにはこれだけのお金がかかるのです。
会社設立に必要な手続き
ではどのような手続きが必要になるのでしょうか。
手続きには大きく分けて以下のような4つのステップがあります。
1. 設立事項の決定
まず必要なのは、どのような会社を作るのかを決定することです。
具体的には以下のような事項を決定します。
- 社名
- 事業目的
- 資本金
- 所在地
- 株主構成、発行可能株式総数
- 役員、役員任期
- 設立日
- 決算日
社名や事業目的、設立日などは事業計画を作成する段階で決定しておきましょう。
重要なのは資本金の決定です。
これも事業計画作成時に決定していると思いますが、会社の信用などのこともあるため、
一般的には、300万円〜が最低ラインと言われています。
資本金は自分で稼いだお金や、行政からの助成金、また銀行からの借入も含まれます。
実際に事業を行う段階になったときは資本金からお金を使っていくことになりますので、自分の許容できるリスクと、事業に必要な資金量などをよく検討したうえで設定します。
また、株主構成も重要です。社長本人が50%以上の株を保有していれば経営権が他人に握られることはないため、50%以上で設定します。
また最大でどれだけの株式を発行する予定か、ということもこの段階で決めておきましょう。
定款の作成・認証
定款とはその会社の「根本的な規則」のようなものです。
定款には、必ず記載しなければならない「絶対的記載事項」と、
それ以外の会社の基本事項としての「相対的記載事項」、「任意的記載事項」があります。
主なものは「1. 設立事項の決定」で決定したものになります。
定款については、検索すればフォーマットや必要な記載事項の例等が出てきますので、それらを参考にして作成していくと間違いなく作業を進めることができます。
3.資本金の振り込み
定款を作成したら、次は資本金を入金しなければなりません。
これは発起人が口座に入金し、通帳のコピーと払い込みを証明する証明書を添付します。
これは登記するときに一緒に提出します。
4.登記資料の作成・申請
そして最後に登記資料の作成です。
会社設立の作業でもっとも手間がかかるのが、この登記資料の作成になります。
作成する資料は以下のものです。
- 資本金の払込証明書
- 発起人の決定書
- 役員就任承諾書
- 登記申請書
- 取締役の印鑑証明書
- 登録免許税の収入印紙
- 印鑑届出書
- 登記事項を保存したもの
これらを作成したら、それぞれの書類を綴じて、法務局で申請します。
この4ステップの作業が全て完了したら、ひとまず会社設立の手続きは終了です。
会社設立手続きは、プロに任せた方が安い
このように会社設立時には大量の書類を作成しなければならず、ただでさえ忙しい会社設立の時期には大きな負担になります。
作業が面倒臭いという人は、手続きを税理士や行政書士が代行してくれるサービスを利用することをおすすめします。
このようなサービスでは、電子定款認証を利用するため、定款印紙代の4万円がかかりません。
依頼する手数料を含めても自分で行なうより安くなります。
勉強してすべて自分でやりたいという人でなければ、プロに依頼する方が良さそうですね。
設立後にも作業が必要!
登記が終われば会社設立完了になりますが、設立後にも必要な作業があります。
大きく分けて税金に関するものと、社会保険に関するものを届け出なくてはなりません。
1.税金関連
まずは国税を支払うために、税務署に税務上必要となる資料を届出します。
必要書類は以下です。
- 法人設立届出書
- 青色申告承認申請書
- 給与支払事務所等の開設届出書
- 源泉所得税の納金の特例に関する申請書
次に地方税を納めるために、市町村に法人設立届出を提出します。
詳しい内容や提出方法は市町村のサイトから確認しましょう。
2.社会保険関連
従業員を雇う場合は、労災保険・雇用保険への加入が義務づけられています。
この手続きは従業員の入社後10日以内に行なわなければなりません。
この書類は労働基準監督署とハローワークに提出することになります。
書類はそれぞれの窓口から作成してそのまま提出することができます。
労災保険・雇用保険の他には、社会保険に加入しなければなりません。
社会保険の加入手続きは、年金事務所で行ないます。
これも多くの資料が必要になるため、できればプロの方と相談して行なうことをお薦めします。
いよいよ事業開始!
全体をまとめると図のような流れになります。
最初の手続きは大変ですが、これが完了すればいよいよ事業の開始です。
事業を円滑に進めていくためにも、これらのポイントを抑えて素早く正確に手続きを行なっていきましょう。