リモートワークで大切なのは信頼関係

今回は高い専門性を武器に、主にAWSのクラウドや、コンシューマー向けのWEBサービス、企業システムの構築などを受託ペースで幅広く開発を行っている株式会社MMM代表の国本氏と共同創業者の佐々木氏にリモートワークの取り組みに関してお話をお伺いしました。

株式会社MMMの国本氏、共同創業者の佐々木氏インタビュー

自宅とレンタルオフィスでskypeを繋ぎ、リモートワークをスタート

Hirasawa: リモートワークを開始したきっかけを教えてください。
Kunimoto: もともと私と佐々木ともう1名で同じ会社に勤めていて、2009年に起業しました。その時は、モバイルアプリをビジネス化しようとして起業したんですが、3人で開発を進めていく中、起業して2ヶ月くらいで「事業化が中々難しい」ということに気づきました。当時は私ではない、もう一人の人が代表を勤めていたのですが、「先行きが不安になりサラリーマンに戻りたい」と言って、本当に去ってしまったんですよ。まだ起業して3ヶ月ぐらいの状態だったので、私も佐々木も何もやらずにサラリーマンには戻れないという意識で会社を継続しました。

Hirasawa: 途中で2人になったんですね。
Kunimoto: そうなんです。その後、大手のSIerに常駐で働く生活がしばらく続きました。しかし、大手で働くと課題や問題を肌で感じるようになり、「この状態なら自分たちで受託開発を受け持った方がお客様に価値を届けられるんではないか」という思いが強くなり、受託開発を開始しました。

Hirasawa: 大手SIerの常駐を経て、受託開発業務を開始されたんですか。
Kunimoto: その時にどう言った形で業務をやろうかという話し合いを持ったんですが、社員は私と佐々木の2人だったので「高いお金出してオフィスを借りる必要がない」という考えから、私は自宅で、佐々木はレンタルオフィスを借り、業務中は常時Skypeをつないだ状態でプログラミングをするという私たちのリモートワークの原型が開始しました。

海外と日本とのリモートワーク

Onishi: オフィスはありますか?
Kunimoto: オフィスは佐々木が契約しているレンタルオフィスを使用しています。社員は東京にデザイナーとフロントエンドのエンジニア、名古屋にサーバーサイドのエンジニアが2名、静岡に1名います。メンバーは結構自由な働き方で、みんな海外が好きなので、来週一部の社員はフィリピンとアメリカ、タイでリモートワークを行い、そして、私と佐々木が日本にいるスタイルが結構頻繁にあります。

Hirasawa: 作業場所はどうしているんですか?
Kunimoto: 海外でリモートワークを行う場合、行き慣れている場所はそのまま行っちゃうことがあるのですが、初めて行く場所は事前にネットが確保できるのかを調べてもらいます。

リモートワークでのコミュニケーションや管理

Hirasawa: コミュニケーションや管理はどのように行っていますか?
Kunimoto: 基本的には暦通りに稼働することを前提としています。しかし、弊社もWMさんと同じように完全自由裁量制という形を取らせてもらっているため、コアタイムを設けていません。ただ業務上どうしても話したりすることは必要になってくるので、毎朝10:30〜11:00頃に定例を行っています。定例では進捗確認や今後の予定などをみんなで確認し、後の作業は各自自由にやってもらう形です。コミュニケーションは基本チャットベースで行い、Slackを使用しています。会話が必要な時はSkypeを使用したりしています。

Onishi: タスク管理はどのように行っていますか?
Kunimoto: タスク管理はGithubのissueを使ってやっています。

Onishi: デザイナーさんもGithubを使っているんですか?
Kunimoto: デザイナーもGithubを使っています。しかし、Githubはプログラマー向けではあるので、Codetree(https://codetree.com/)というサービスを使って、看板方式でissueを見やすくしています。Codetreeはissueをラッピングして表示してくれるので、結構オススメですよ。

リモートワークでのセキュリティ

Hirasawa: セキュリティ対策はどのように行っているのですか?
Kunimoto: 基本的なことですが、コードもドキュメントもすべてクラウド上で管理しているので、その中で権限管理をしっかりと行うということと、情報をきっちり暗号化するということは徹底しています。必要な情報は必要な人にしか見せないようにするなど情報漏洩が起きないよう各自で管理しています。

Onishi: クライアントによっては「プライバシーマークを取得していますか?」という質問があると思いますが、リモートワークではプライバシーマークの取得が難しく、セキュアであることを証明するのが難しいのですが、どう思われますか?
Kunimoto: 確かに「リモートワークでセキュリティはどうするの?」と言った話題があると思うのですが、リモートワークだからセキュリティが弱いのではなく、そこはクラウドと物理サーバーなどが関わってくると思うのですが、セキュリティルールをしっかりと決め、情報をどう扱うかが大切なのではないかと考えています。

リモートワークの採用フロー

Hirasawa: リモートワークの採用についてはどうされていますか。
Kunimoto: 私はリモートワークが向いている人と、向いていない人がいると思ってて、リモートワークに向いている人は成果を出す人。業務時間が成果ではないので、定められた時間でしっかりとアウトプットを出せる人、つまり自己管理ができる人が向いていると思うんですよ。弊社の中途採用では1ヶ月ぐらいリモートワークを試してもらい、この人大丈夫だなと思わなければチームに入れていないんですよ。

Onishi: WMでもその考え方は一緒で、入社を志願している人とは、まず2〜3日間顔を合わせながら一緒に作業し、その後リモートワークで1ヶ月間、有期契約という形で作業してもらい、双方が一緒に働きたいと思ったら採用するという採用フローを取っているのですが、御社の採用フローはどんな感じですか。
Kunimoto: 転職活動中は、まだ前職に勤務している人が多いので、合間時間にリモートワークで作業してもらい、そのアウトプットで判断するというフローは中途採用では多いですね。

HIrasawa: 新卒採用も行っていると思いますが、何か違いはありますか?
Kunimoto: 静岡のエンジニアを新卒採用したのですが、今度アメリカに行ってしまいます。(笑)1ヶ月ぐらいインターンとしてリモートワークして、1ヶ月後skypeで面接をしました。
Sasaki: その時、彼は中国にいたのでSkypeでの面接で初めて顔を見た感じです。(笑)

Onishi: 海外でのリモートワークって、旅をしながら仕事するって思われがちだけど、WMでは、旅行や移動と稼働日を区別していて、海外であろうとネットが使えて作業に集中できる場所でリモートワークをするようにしているのですが、彼もちゃんと渡航前に調べているんですね。
Kunimoto: そうですね。彼はちゃんと調べてて、Githubにちゃんと予定が載っています。(笑)

リモートワークでの営業活動

Onishi: 営業活動はどうしていますか?
Kunimoto: 最初はCrowdwork(https://crowdworks.jp/)やLancers(http://www.lancers.jp/)などのクラウドソースで自分たちからアプローチしていました。その後はインバウンドでのお問い合わせが増えてきました。

Onishi: インバウンドとはコーポレートサイトですか?
Kunimoto: はい、コーポレートサイトやブログからのお問い合わせです。私たちはサーバサイドやRailsの技術的なブログを運営していて、そこにお客様から「この機能どうやったら実現できる?」という相談をいただき、お客様と一緒に仕様を固めながらアジャイル風に開発を進めるということが多いです。私たちは受託でもプライム案件にこだわっており、私たちの考えに共感してくれているお客様が多いと思います。

リモートワークで気をつけていること

Hirasawa: リモートワークをやってて気をつけていることはなんですか?
Kunimoto: 気をつけていることは「ちょっといいですか?」などの気軽なコミュニケーションがなるべく発生しやすいような環境づくりですね。Remotty(https://www.remotty.net/)などのサービスを使い画像のスナップショットをみんなで共有することもあります。また、業務上だけでなく社員間でちゃんと個人的に繋がりが持てるように週に1回15分、ランダムに選ばれたメンバーで個人的に話し合う機会を設けたりしています。そのメンバーはランダムで選ばれるのですが、その機能は佐々木が作りました。また、メンバー間で情報格差をなくすようにも努力しています。例えば、私と佐々木が話したことって周りには知られないのですが、そこはしっかりとチャット上やドキュメントで残すようにしています。「リモートワークだけどコミュニケーションはしっかりとろうよ」という意識はみんなでしっかりと共有していますね。

Hirasawa: 社員が全員集まるということはありますか?
Sasaki: これまでは、年末に一度社員集まって忘年会を行ってきました。
Kunimoto: 先日、初めての開発合宿で、温泉に二泊三日で集まりました。直接会わないとできないことでもあるので、忘年会の時には社員と一緒にスポーツをやってコミュニケーションを取っています。リモートワークで大切なのは信頼関係だと思っていて、信頼関係を築くためにどうするべきかを常々、佐々木とも話し合っています。

リモートワークの今後の課題

Hirasawa: 最後に、今後の課題を教えてください。
Kunimoto: 時差は超えられないなという考えが私たちにはあって、「時差の中で今後リモートワークをどう上手く回していくのか」というのが私たちの課題であると考えています。どうしても同期のコミュニケーションが必要になる場合もあるので、その場合、業務の運用で管理するのか、または新しいツールなどでカバーするのかといったことは今後課題ですね。または、逆の発想で時差を利用した解決策もあるのではないかと模索しています。

今回、リモートワークを実践している株式会社MMMの代表である国本氏と共同創業者の佐々木氏のお二人がインタビューに答えていただき、会社の立ち上げ話から社員間のコミュニケーションの取り方まで幅広くお話をお伺いすることができました。採用フローにもWMと共通する部分が多くあり、仲間に入る人をしっかりと見極めてお互いが満足いく形を追求する点に共感できました。週に1回のランダムチャットなど独自で取り組まれているユニークな企業文化を見習い、WMにもユニークな文化を増やしていきたいと思います。

本日は貴重なお時間ありがとうございました。

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国本 廷宣
MMMの創業者で代表取締役。 エンタープライズ向けの大規模システム設計・開発を得意としており、近年アジャイルソフトウェア開発とロケーションにとらわれないワークスタイルの実践に力をいれている。またクラウドを活用した法人向けサービスにも注力。ジャズとサックスを愛する、34歳一児のパパ。

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佐々木 悠人
MMMの共同創業者で取締役。1980年生まれ。愛知県出身。一橋大学社会学部卒業。某大手セキュリティ会社勤務後、代表の国本と共にMMMを立ち上げ。Django+PythonやRuby on RailsでのWebアプリケーション開発を得意としていて、最近はAngularJSに夢中。

株式会社MMM
http://mmmcorp.co.jp/

インタビュアー

Onishi
当メディア「anywher」を運営するWM & Creators株式会社 代表取締役社長
Hirasawa
当メディア「anywher」を運営するWM & Creators株式会社 プロジェクトマネージャー

WM & Creators, Inc.
https://wm-creators.com/

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