ビットコインとはどういうものか(下)−ビットコインの未来−

ビットコインは現状投機目的の利用が多いですが、今後は私たちの生活を大きく変えていく可能性があります。
今回は、ビットコインのメリット/デメリット、そして社会への影響について解説します。

ビットコインのメリット/デメリット

さて、前回記事ではビットコインの仕組みを解説しました。
今回はビットコインを実際に利用する上でのメリット/デメリットから解説していきましょう。

メリット1. 個人から個人へ直接送金できる

通常の通貨ならば、お金の送金は金融機関を介する必要がありますが、ビットコインの場合はその必要がありません。
口座から口座へ、個人間で直接送金することができます。
ビットコインの利用者同士ならば、口座から口座へ直接送金することができるため、国内・国外と国境にとらわれずにお金の移動ができますし、取引規模の大小にもとらわれずに取引することができます。

メリット2. 手数料が安い

通常の通貨ならば、金融機関を介するために手数料がかかってしまいます。
しかしビットコインの場合は、仲介手数料がありません。
少額の送金でも手数料がきわめて低いシステムであるため、ビジネスでも日常的な利用でも非常に大きなメリットになります。

デメリット1. 仕組みが複雑

ビットコインは仕組みが複雑で、利用する前にどういう仕組みなのか理解するのが大変です。
この点はデメリットかもしれません。

デメリット2. 通貨価値は下落することもある

そして、最大のデメリットは通貨価値が下落する可能性があるということです。
電子マネーならば1000円入金すれば1000円分の価値で使うことができて、それ以下に価値が下がることはありません。
しかし、ビットコインは1つの通貨ですので、1000円分購入してもそれが1000円分の価値を保持し続けることはありません。
ドルやユーロと同じように価値が下落したり上昇したりします。
利用する上では注意しておく必要があるでしょう。

以上のように上記のようにメリットもデメリットも存在するのですが、はっきりいってメリットの方が大きいです。
為替価値の上下は円と他の通貨を取引する上でも発生しますし、利用する上でシステムの仕組みのすべてを理解する必要はないからです。

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現状では投機が大半

それでは、このような便利なビットコインですが、現在はどのように利用されているのでしょうか。
現在、日本国内でビットコインを使うことができる店舗・サービスは、ビットコインの日本語情報サイトで確認することができます。
掲載されている店舗・サービスでは、ビットコインを使って買い物することができるということです。
しかし、ビットコインを決済手段として導入しても、実際に利用する人がほとんどいないというケースも多いようです。

日本では2014年にビットコインの取引所マウントゴックスが破綻したことが、ビットコインを有名にしました。
そのときはビットコインにネガティブなイメージが付与されてしまいましたが、それからもビットコインの利用者数は順調に増えており、ビットコインの為替相場も上昇してきています。
2015年の10月には日本円にして30000円程度だったところから、現在は70000円程度に上昇しています。

このように長期的に見ると相場は上昇しているため、ビットコインの利用用途は今のところ投機目的がほとんどです。
長期的に通貨価値が上がるのであれば、今のうちに日本円をビットコインに替えておいて、相場が上がるのを待ち、高くなってからビットコインを日本円に替えればその差額分が儲かるからです。

これからどうやって使われていく?

現状投機目的での利用がほとんどのビットコインですが、これからもそうであるとは限りません。
ビットコインの魅力は、一言で言えば「お金の移動が圧倒的に円滑になる」ということに尽きます。
ビットコインは手数料を格安もしくはゼロに抑えることができるだけでなく、ビットコイン同士のやりとりならば、為替相場の影響を受けません。
企業間の大規模な取引から、個人同士での小さな取引まで、これまでよりはるかに容易に行うことができるということです。
グローバル化が急速に進む現在ですが、カネの移動はモノの移動を遙かに超える規模で行われるようになり、ちょっとしたことで相場が乱高下するようになっています。
企業間での貿易決済や金融取引において、為替相場の影響を排除できるビットコインは、今後さらに大きな影響力をもっていくのではないでしょうか。

これからのビットコインの用途は、まず企業間の取引が拡大していくでしょう。
そうしてビットコインが普及していく過程で、eコマースの拡大にも伴って、ビットコインが一般向けにも使われていくことが予想されます。
ビットコインのメリットがより理解されていけば、急速に普及していくことが予想されます。

ビットコインが普及するためには

今後ビットコインが現在以上に普及していく上では、いくつか乗り越えなければならない課題があります。
一つは為替相場の安定です。
現在のビットコインは相場が不安定であり、そのために一般利用よりも投機的な目的での利用が大きくなっています。
相場が不安定であれば、企業間での大規模な取引は、結局通常の円やドルでの取引の方がいい、ということになりかねません。
今後は何らかの手段で相場を安定させるか、一般利用の需要を拡大させることで結果的に安定させていくか、何らかの対策が必要と思われます。

もう一つは、匿名性の高さです。

匿名性の高さはビットコインの魅力でもありますが、国際的な犯罪組織間での取引や、マネーロンダリングなど非合法に利用されてしまうデメリットでもあります。
非合法での利用を解決するための手段が必要でしょう。

もう一つ言えば、マウントゴックスの破綻のような事件が今後起こらないようにすることも、ビットコイン普及の前提条件です。
同じような事件が今後も起こってしまうと、ビットコインに対してマイナスイメージが強くなってしまうからです。

革新的な技術であるビットコインが、今後さらなる発展を遂げることができるのか、これからも注視していく必要がありそうです。

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Image Credit http://themerkle.com/

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