私達は毎日8時間働かなくてはいけないのか

午前9時から午後5時の勤務―これは多くの人が生活のためにしていることです。長時間働くことがそのまま生産性につながるとは言えないことは、誰でも知っています。それならなぜ、私たちはこれを行っているのでしょう。他にやり方はないのでしょうか。

1日8時間労働の起因

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1日8時間勤務は、1760年代から1830年代にかけてイギリスで起こった産業革命から始まっています。生産を最大化させるために、工場は労働者の決まったスケジュールを必要としました。当時の労働条件は、1日平均10~16時間×週6日。働き始める子供の平均年齢は10歳と、かなり過酷なものでした。
1817年までに改革者のロバート・オーウェンは、「1日8時間労働」のキャンペーンをしています。そのスローガンは、「8時間の労働、8時間のリクリエーション、8時間の休息」というものでした。
1926年には、ヘンリー・フォードが、1日8時間労働を導入しました。このように労働時間をそれまでよりも減らし、給与を2倍にすることでフォードは生産性を上げ、2年間で利益幅を2倍にすることができました。

どうしてそれがうまく機能しないのか。

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「幸福と繁栄への道は、仕事の組織的な削減の中にある」と、バートランド・ラッセルは述べています。簡単に言うと、1日8時間労働は現代のライフスタイルやワークスタイルにフィットしないのです。忙しさが生産性と混同されている一方で、労働時間の長さは、「ストレスと不満」→「消耗」→「不十分なパフォーマンス」→「生産性の停滞」の悪循環を生み出しています。

それならば、最善の労働パターンとは何か。

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「あなたの効率性が最も高い時だけ働けば、生産性は増し、人生はより楽しめるものとなる」と、ティモシー・フェリスは言います。もっともなことですが、そうならば、1日のうちで自分の効率性の高い時間はどのようにして見分けられるでしょうか。
人間の脳が休みなしに物事に集中できる時間は、90~120分間だと言われています。また人間には、通常「体内時計」などと呼ばれている、概日リズム(約24時間周期で変動する生理現象)というものもあります。睡眠中と起きている時間の両方を通じて、このサイクルを観察してみるといいでしょう。(概日リズムは内在的に形成されるものですが、光や温度、食事など外界からの刺激によって修正されることも考慮してください。)
そうしてわかったあなたの「生産性の高い時間に、一番大変なタスクを行うこと」と、「1つのタスクに集中して、複数のタスクを同時に行うことを避けること」を可能にするワーキングパターンを見つけることです。

3つの作業パターン。

8時間労働にとって代わることのできる作業パターンはいくらでもありますが、本当によく機能するものを見つけなければいけません。ポジティブなフィードバックと成果に基づいた、生産性と幸福を高めるパターンの例を3つ挙げてみましょう。

1. 15分休憩

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作業中に15分間の休憩を計画します。そのひとつを午前中の真ん中に入れ、もうひとつを午後の真ん中に入れます。物を読んだり、いたずら書きをしたり、瞑想することは、どれもリラックスするためにいい方法です。もちろん体を動かすことは言うまでもありません。1日のうちで、午後3時は最も生産性の下がる時間帯ですので、この時間帯に休憩を入れて、エネルギーレベルを高めるといいでしょう。

2. ポモドーロのテクニック

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集中して仕事をこなすために、25分毎に時間を区切って仕事をする時間管理術です。1980年代末にフランチェスコ・チリロによって考案されたもので、赤いポモドーロ(イタリヤ語でトマト)の形をしたキッチンタイマーがシンボルとなっています。ひとつの「ポモドーロ」は、25分間1つのタスクに集中して働き、5分間休むというものです。このポモドーロを4つ行って(つまり100分間の労働+15分間の休憩を行って)、15~20分間の休憩を取ります。それぞれのポモドーロのあとで、この作業中に、タスクを先延ばししたいと感じたことは、何回あったのか、進行状況を✔で記録しておきます。

3. 90分の枠

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1日を90分ごとの枠に分け、それぞれにタスクを振り当てます。そしてエネルギーと注意力をその90分間のタスクに向けます。90分が終わった後、20分間の休憩を取ります。
タスクへの集中度を向上させるためには、障害になりえるものをすべて回避することと、あなたの仕事に優先順位をつけることです。
ここに挙げたのは、あなたの生産性を高めるための数例にすぎませんが、それぞれを試して、自分に一番合った方法を見つけてみてください。

現代の労働

これらからもわかるように、現代の労働とは「エネルギーをマネジメントすること」で、「時間のマネジメント」ではありません。
理想的な1日の労働とは、「個人の柔軟性」と、エンドレスな会議を取り除いたり、業務の透明性を高めたり、コミュンケ―ションを改善するなどの「企業のコラボレーション」とのバランスを取れるもの、ということになるでしょう。

参考
https://podio.com/site/8-hour-workday

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