Facebook F8でチャットボットのbots on Messengerのリリースを発表

2016年のF8デベロッパーカンファレンス(開発者会議)において、Facebook社がチャットボットのbots on Messengerを発表しました。

bots on Messengerはすべてをリアルタイム・コミュニケーションへ

なぜbots on Messengeerのリリースがこれほど世間を騒がせているのか。
それは、すべての対話的手続きを、リアルタイム・コミュニケーション化することが可能になるためです。
リアルタイム・コミュニケーション化と言われてもパッとしない方が殆どだと思います。
そこで例を挙げて紹介しましょう。

企業に受話器がなくなる日

リアルタイム・コミュニケーション化とは、利用者があたかも人間と対話しているように、機械から情報を受け取れるようになることです。
Facebookの創設者であり、最高責任者であるマーク・ザッカーバーグ氏はこう述べています。

AI(人工知能)と自然言語処理の発達と人力の補助により、ユーザーはbots on Messengerに友達に話しかけるのと同じように話かけることができる。

つまり、わたしたち消費者が店に予約の電話を入れる、質問する、クレームを入れるなどという行為が、すべて機械によってリアルタイムに対応されるようになるのです。
おそらく、すぐにでも会社やショップのホームページなどに掲載されているFAQページは、チャットボットに置き換わっていくことでしょう。

これは、わたしたちにとっても、企業側にとってもメリットがあります。
わたしたちは、企業から24時間いつでも欲しい情報をスピーディに手に入れることができるようになります。

営業時間を気にする必要がなくなります。
また、企業側は、コールセンターなどの電話、メールによる対応をすべて無人で行えるようになります。
それはつまり、人件費の大幅な削減ができることを示しています。企業に受話器がなくなる日も、遠くはないでしょう。
チャットボットの普及により、業務によってストレスがたまる人間が減り、人件費を削減できることは特筆すべきことです。

bots on Messengerの可能性

bots on Messengerを使うことで、わたしたちの生活はさらに進化するでしょう。
なぜなら、botsは単純な文字列を扱うだけでなく、画像、リンク、行動を起こすボタンを処理することが可能だからです。

店の予約だけでなく、ネットカタログを見ながらのショッピング、ニュースサイトがあなたに必要な情報だけを選別し、毎日送ってくれる、といったことがすべてできることを示しています。
消費者側にこれだけの変化が起これば、企業側も大きな変革を求められるようになるでしょう。
セールスはチャットボットを通したものが主要になる日だって訪れるかもしれません。

bots on Messengerのビジネスモデル

Facebookは企業が広告を配信することを課金制にして、そこから利益を得るビジネスモデルを形成しています。
広告主はクリック式の広告をニュースフィードに掲載することもできます。
Messengerのユーザー数は現在9億人にものぼるため、その影響力は計り知れません。

AIがわたしたちの身近に

かつてWEBは一方的に情報を配信するだけでした。
しかし、そのような一方通行の状態がweb2.0の時代に入り、進化を遂げました。
わたしたちは情報を受け取るだけでなく、スレッドや交換など、情報を双方向的に扱うようになりました。
ツイッター、FacebookといったSNSも双方向性を顕著に表したものです。Youtube、ニコニコ動画などの動画サービスもそのひとつと言えるでしょう。
個人が文章や動画を手軽に制作し、世界に発信できる、ここ数年でそれが当たり前の世の中になりました。

そして今、webはさらなる進化を遂げています。
その大きな要因としては、AI(人工知能)の劇的な発達が挙げられます。
AIが発達することで、わたしたちは彼らと対話することができるようになったのです。
ドラえもん、ターミネーター、マトリックスの世界が現実となりつつあります。
昨今で実装されてきたものとしては、iphoneの「Siri」やLINEの「りんな」などがありましたが、これらは言ってしまえば、イベントのようなものでした。

しかし、Facebookのbots on Messengerはそれらと一線を画すものです。
現在の人対人という双方向的交流のWEBは過去のものとなり、人対AIの双方向的交流へ、一気に時代は変わろうとしています。

参考
http://newsroom.fb.com/news/2016/04/messenger-platform-at-f8/

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