「インフルエンザの予防接種を受けましょう。」こんな言葉をよく耳にします。予防接種は痛いし、本当に効くのか分からないからと、後回しにしてしまったり・・・。でも、インフルエンザの予防接種の中には、痛くないものがあることを、知っていますか?しかも、痛くない方が、予防効果が高いんだとか!その理由は、ワクチンのことを知れば、わかるんです。
Contents
ワクチンの種類
チクッとする!不活性化ワクチン
注射で血中の中に投与するタイプのワクチンは、不活性化ワクチン。不活性化ワクチンとは、細菌やウィルスの毒性をなくしてしまい、免疫を獲得するために必要な成分を取り出して、ワクチンにしたもののことです。
不活性化ワクチンの効果
ワクチンを受けてから、約2週間でインフルエンザに対する体の免疫がピークに達します。その後、約3ヶ月~5ヶ月間、免疫が持続すると考えられています。また、厚生労働省によると、予防効果は、65 歳以上の健常な高齢者における発病を約45%防ぎ、約80%の死亡を防ぐ効果があるとされています。ちなみに、価格は病院によって異なりますが、大体3,500円が相場です。
今年の型
不活性化ワクチンは、毎年種類が変わります。厚生労働省によると、2014年の季節性インフルエンザワクチンの種類はインフルエンザA(H1N1)亜型、A香港型、B型の3種類が含まれたワクチンとなっています。新型インフルエンザが流行しない限り、今年もこの3つの型が、主に流行すると考えられています。
副作用
よく見られる副作用に、接種後の局所の赤みや腫れがありますが、2~3日で回復します。また、発熱、頭痛、寒気、倦怠感など、かぜのような症状がみられることもありますが、こちらも2~3日で回復します。ちなみに、死亡例に関しては、ハッキリとした因果関係はわかっていないものの、死亡した人の全てが重い病気を患う高齢者の方だったそうです。健康体で若いのであれば、心配する必要はないと言えそうです。ただ、卵アレルギーのある方は、お医者さんに相談しましょう。
生ワクチン
インフルエンザワクチンの中でも、生ワクチンタイプのものがあります。生ワクチンとは、生きたウィルスや細菌の毒性を弱めたものを、ワクチンにしたもの。つまり、実際にウィルスや細菌が体に入り込んだ状態と同じような環境で、体に免疫をつけさせるということ。
痛くない生ワクチン「フルミスト」
生ワクチンタイプのフルミストは、鼻に噴射するタイプのものです。注射を使わないので痛くありません。でも、フルミストのメリットは、それだけではありません。効果は1年間持続しますし、予防効果は80%あるとされています。こちらも、価格は病院によって変わりますが、大体7,000円~10,000円ほどです。
フルミストの効果が高い理由
不活性化ワクチンは、血中にワクチンを投与し、フルミストは気道の粘膜にワクチンを投与し、免疫を作ります。インフルエンザは、喉や鼻の粘膜が主な感染部位なため、血液中よりも、気道の粘膜に免疫ができた方が、感染予防の効果が高まります。そのため、フルミストの方が予防効果が高い結果となるのです。
フルミストのデメリット
ただ、フルミストは、日本未承認のワクチンなため、副作用が起こっても医薬品副作用被害救済制度が適用されません。また、年齢制限があり、対象は2歳~50歳未満。また、17歳以下でアスピリンを服用してる方は、服薬を中止する必要があります。また、免疫力の低下している方、妊娠中、授乳中の方、喘息のある方、卵、ゼラチン、ゲンタマイシン、アルギニンにアレルギーのある方、呼吸器、心臓、肝臓、腎臓機能の低下が見られる方、糖尿病のある方 は、フルミストの摂取ができないので、注意しましょう。
まだ、フルミストは日本では未承認ですが、こども病院などでも使われていて、一般的なワクチンになりつつあります。フルミストを受けたい場合は、病院に問い合わせて、取り扱ってるか確認しましょう。ただ、ワクチンは、承認でも未承認でも、リスクがあることに同意して受けるもの。自己責任であることは理解しておきましょう!
参考
Source :
http://www.know-vpd.jp/
http://www.mhlw.go.jp/
http://pro.saraya.com/
http://www.navitasclinic.jp/
https://www.flumistquadrivalent.com/