働くだけの概念を超えたロンドンのコワーキングオフィス

ロンドンにはすでに100以上のコワーキングオフィスがあるのですが、その数はまだまだ増えつつあります。
とはいえ、値段、ロケーション、設備等の点ではどのコワーキングオフィスも似たり寄ったりでそんなに差がありません。
そんな中で、普通のコワーキングオフィスの枠からちょっと離れた、遊び、食べる、体験する、がひとつの場所でできる何でも屋的なコワーキングオフィスをオープンする動きがでてきました。今回はそのいくつかを紹介したいと思います。

ロンドンのコワーキングオフィス

Hatch

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http://www.hatch-homerton.co.uk/

Hatchは基本的にはロンドンのコワーキングオフィスの原点であるWiFiフリーのカフェで、カフェにコワーキングオフィスがくっついたという感じでしょうか。
場所は物価が高騰したフラットエコノミーの中心部であるショーディッチから移動したヒップスター達の本拠地となりつつあるホマートンにあり、飾り気のない、リラックスした環境で仕事をしたい若いリモートワーカーたちに人気です。
会員制ではないので、使いたい時だけに気軽に使え、最初の使用は無料。
カフェのメニューも充実しており、現在は若手シェフ二人組Feestlondonがポップアップレストランをひらいており、チーズフォンデューなど季節に会わせた月替わりメニューが人気。
コワーキングオフィスを使っている人には20%引きのサービスがあるのも魅力です。
夜はバーに変身し、ライブバンドのコンサートが定期的に行われます。スタイルに敏感なヒップスターには理髪師デュオStrop and Bladeが髪とヒゲのトリートメントを提供。
ホマートン近辺の無農薬農場からの野菜をオーダできるシステムもあります。週末にはクラフト、アート系のワークショップが開催され、近辺にスタジオを持つアーティスト達の作品を売るマーケットも定期的に行われています。Hatchはショーディッチで生まれたフラットエコノミーのオリジナルの精神を受け継いだ仕事兼社交の場といってもいいでしょう。

Tymberyard

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https://tyuk.com/

Tymberyardはロンドン中心部のウェストエンドに2つ、シリコンラウンドアバウトと呼ばれるテクノロジースタートアップの中心部、オールドストリートに1つオフィスがあります。
一見単なるカフェに見えますが、多様なミーティングルームやイベントスペースなどコワーキングオフィスとしての施設は充実しています。
メンバーはどのオフィスの使用も可能で、その日の仕事の具合や気分でオフィスを選べるのは大きな利点でしょう。
インディペンデントコーヒーショップの部門で数々の賞を得た、カフェでは高いクオリティーとユニークな味わいのブレンドで有名なHas Bean companyから買い付けた豆を使ったコーヒーを味わうことができます。
日替わりの軽食、サンドイッチ、スープ、ケーキ等の材料は、シンプルで高品質をモットーに小規模の卸売業から買い付け、健康に良くおいしい料理を提供。
イベントもたくさんありますが、ビジネス以外のものでは、コーヒーテイスティング、コメディー、展覧会、ウクレレ教室、コンサート、様々なテーマのウォーキングツアーなどチョイスも豊富。

Second Home

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http://secondhome.io/

Second Homeは高級化の進んだ今のショーディッチを象徴しているコワーキングオフィスといえます。
オーナーは英首相の元アドバイザーで、未来的なデザインとヴインテージ家具の共存するオフィスは、有名なスペインの建築家デュオSelgasCanoによるものです。
オフィスのあちこちにたくさんの観葉植物の鉢が置かれているのは、エコロジーを考えての事。
オフィスのフロントにはバーレストランJago、有名レストランOttolenghiの元ヘッドシェフがキッチンをしきっています。
メディア、クリエイティブ系が中心ですが、女性のメンバーが多く、男性中心になりがちな近辺のコワーキングオフィスのなかではちょっとした異例といえます。
もっと人間的であり仕事と私生活のしきりを無くした総合的なビジネスモデルを目指すというオーナーのモットーにそって、様々なビジネスに関する講演会、ワークショップ、ネットワーキングパーティーはもちろん、映画上映、ヨガ、アート、メディテーションクラス等、頭脳、肉体、精神のすべてを刺激させるイベントが充実。
最近では音楽雑誌による、デイビッドボウイを追悼するイベントも行われました。
大概のコワーキングオフィスと同じで会員制ですが、オフィスを借りる会社の職種、サイズのバランスを重要視する所から、会員になれるかどうかは、Second Homeの選定によります。Second Homeはスタートアップ企業中心のちょっとしたプライベートクラブといったところでしょうか。

Forge & co

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http://forgeandco.co.uk/

もともとショーディッチに所在するForge & coは最近新しいオフィスを、ロンドン中心街にある老舗高級家具店のHeal’sの中という、ちょっと変わったロケーションにひらきました。
場所がフィッツロビアという落ち着いたエリアにあることもあって、使用する人達の年齢は前者3件に比べてちょっと上で、大人のためのコワーキングオフィスといった感じです。
Heal’sとの提携ということから、オフィスにはMoxey Associatesのデザインによる手作りのデスクや、Heal’sのヴィンテージ家具と時代の先端をいくデザイナーの家具が所々に置かれ、ショールームのなかで仕事をしているような印象を受けます。
Heal’sは家具店とはいえ、地下を含めて5階ある建物の中には、家に関する物なら何でもあり、その上、レストラン、花屋もそろって、おしゃれなライフスタイル必需品はすべてここで買い物が可能。
Forge & coは両オフィスで定期的にネットワーキングイベント、パーティー、展覧会、講演会等を催し、金曜と土曜はクラブナイトなど、仕事の後に楽しめるイベントも充実しています。

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