長期にわたってリモートワークを実践している3社から学んだ教訓

リモートワークトレンドは上昇を続けており、今後5年間でより一般的になるだろうと言われています。「リモートジョブの年間トップ企業100社」のリストには、米国企業3万社から選ばれた、リモートワーカーを採用している企業が掲載されています。これらの100社は、様々な業界に属しています。

https://www.flexjobs.com/blog/post/100-top-companies-with-remote-jobs-in-2015/

その中にはAmerican Heart Association、GE、Apple、Salesforce、Humanaなどが含まれています。2015年のトップ100からKaplan社、Aetna社、Intuit社のリモート雇用プログラム、分散したチームの利点と問題点などについて聞いてみました。

教育業界の仕事の柔軟性をリードするKaplan社

フレキシブルに働ける時、人は最高の仕事をすることを信じ、Kaplan社はここ数年従業員の約85%にリモートワークを許可しています。「テクノロジーは、当社の提供するプログラムだけではなく、労働力をも進化させました」と同社の受験準備最高執行責任者ロリン・トーマス・タヴェル氏は述べます。Kaplan社の拡大されたリモート雇用は、教師や家庭教師だけにとどまらず、セールス、オペレーション、事業開発者をも含んでいます。

トーマス・タヴェル氏によると、リモートワークは同社の人材プールの拡大、保持力の改善、生産性の向上、オフィススペースコストの削減を可能にし、浮いた資金は顧客と従業員の体験を向上させるためのトレーニングと技術に投資されています。

リモートワーカーを採用する際、同社は特定のスキルを探しています。リモートワークで最も成功する人は、技術革新と成果を上げるための〝コネクションの価値″と〝アイデアの共有″を理解した、強力なコミュニケーターです。静かなタイプや一匹狼的な個性は、リモート環境で成功する可能性は低いと見られています。

コミュンケ―ションは、ヴァーチャルカルチャーを育成する上でも重要です。トーマス・タヴェル氏は「テクノロジープラットフォーム、チャンネルやツールは、これらのコネクションを補強するので、テクノロジーの効果的な使用は非常に重要だ」と述べています。

リモートワーク実践20年のAetna社

リテンションツールのAetna社は、すでに20年間リモートワークを採用しています。「同社の成功のキー・コンポーネントのひとつは、幹部レベルのサポートだ」と、コミュニケーション・ディレクターのスーザン・ミレリック氏は語ります。従業員の31%以上がリモートワークで従事し、リモートワークは同社の人事や実践に埋め込まれています。

さらにミレリック氏は「Aetna社は、どの従業員がリモートワークに向いているかを見極める強力な方法を持っている」と付け加えます。「 その3つの主要な構成要素には、実際の業務機能(その仕事が自宅から行うことができるものか)、個人の能力、及びホームオフィス用の厳格なセキュリティ標準が含まれています。」

リモートワークを通じて、同社は不動産及び関連費用の15~25%をセーブし、二酸化炭素排出量も大幅に削減しています。同社のリモートワーカー達は、年間65億マイル走行量を減らし、200万ガロンのガソリンをセーブし、年間2万3千トンのCO2排出量を減らしているそうです。

Intuit社は、場所を問わず求人

成長を続けるグローバルテクノロジー企業として、Intuit社は、分散したワーカーをエンゲージさせるリモートプログラムを作り出しています。「今日のグローバル経済とIntuitのグローバルな進出の拡張で、我々は偉大な才能はどこにでもあることを知っています」と人事コミュニケーション・マネジャーのアンナ・レス氏は語ります。

リモートワーカーの管理には、オンサイトチームの管理とは異なる技術やツールを要します。そのためIntuit社は、リモートワーカーに特化した様々なプログラムを持っています。 「当社は、グローバルでヴァーチャルに対応できる、リモート労働力のためのエンゲージメントペシャリストを持っています」とレス氏は述べます。 「フレキシブルなワークカルチャーを育成することは、本当に〝パートナーシップ″であり、〝期待を設定すること″がすべてです。」

レス氏はまた「当社の雇用マネージャーと採用担当者はパートナーとして、役割への期待と仕事の種類を定義し、候補者と働いて、彼らの期待が会社の期待と一致するかどうかを確認します。最終目標は、当社のすべての従業員が実地でよい作業を行い、実質的な影響を持つのを確実にすることです。リモートの関係では、優れたコミュニケーションと成功がどのように見えるかの共有のビジョンが必要です」と付け加えます。

リモートプログラムの必要性

これらの会社に見られるように、成功したリモートワークは、よくデザインされたプログラムに基づいています。多くの場合、それを完全に形成するには数年を要します。リモートワークの導入を考えている会社は、Kaplan社、Aetna社、 Intuit社のようなリモートフレンドリーな企業の例から学び、それぞれ特定のニーズに合わせて調整したプログラムを作ることが大事です。リモートワークを通じて、分散したアジャイルな労働力の恩恵を享受しようとする会社は、成功のために労働力を適切に配置する、戦略的なアプローチを取らなければなりません。

参考
http://fortune.com/2015/02/12/lessons-learned-from-3-companies-that-have-long-embraced-remote-work/

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