NYのコワーキングWeWorkがコリビングのWeLiveを開始

コワーキングの大手スタートアップWeWork社は、初のコリビング(共同生活)ビジネスをニューヨークで始動させました。約80人のWeWorkのメンバーと従業員がこの1月、マンハッタンの金融街、ニューヨーク証券取引所近くの27階建てのコリビングスペースに移り住みました。最終的にはこのビルの20階までに約600人の居住者を受け入れる予定だそうです。

この超高層ビルのオーナーのビル・ルディン氏とWeWork社の共同創設者ミゲル・マケルヴェイ氏は、このビルを素晴らしいところにすると決意したそうです。

新タイプの若者向け居住スペース

WeWork社はルディン氏から借りとった20階までを、新しいタイプの若者向け居住スペースにしました。同社のコリビングスペースWeLiveは、居住者にフレキシブルなリース期間と、全室家具付き、無料Wi-Fiを提供しています。

居住施設に加え、スペースの住人はフィットネスクラスや持ち寄りディナーなどのコミュニティイベント、掃除、洗濯などのサービス、およびデジタルソーシャルネットワークへのアクセスを持ち、それらの全ては、モバイルアプリからコーディネートできます。「私たちは、ニューヨークの新しいコミュニティ主導の生活概念を試しているのです」とWeWorkの広報担当者は述べています。

コミュニティ付き居住スペース

WeWork社の最高経営責任者アダム・ニューマン氏は「いい値段やフレキシビリティを与えるだけではなく、今までになかった社会的なコミュニティを提供したいのです」と語っています。

WeLiveでは、コミュニティマネジャーがフロントデスクで居住者やゲストを迎え、Facebookと現実生活の掲示板の要素を統合して、居住者がアクティビティを作り出すのを助け、ソーシャルイベントをホストします。

ビジネスモデル

welive03
WeLiveのビジネスモデルは、WeWork社の52か所のロケーションのそれと似ています。WeLiveの1平方スクエア当りの家賃は、隣りのビルのそれよりも高いですが、個人スペース(入居部屋)の面積が狭いため、ベッドルーム当たりの家賃は、同地域のスタジオよりも低く抑えられています。

「コリビングの概念を成功させるには、この場を本当に素晴らしいものにしなくてはなりません」とマケルヴェイ氏は語ります。「本当にクールでなかったら、誰もここに住みたがらないでしょうから。」このスペースをクールなものにしているのは、彼とその設計チームです。WeLiveの3階ごとに「neighborhoods」を作り出し、居住者にグループの一員となることを勧めています。

welive02

welive01

ランドリールームはアーケードで、メールルームもバーです。「ホテルのすべての利便性を持ちつつ、個人生活も保てるようにしています。」キッチンカウンター上の白黒の壁の上は、居住者がフィットすると思うように描いたり消したりできます。「WeWorkの会議室にあるような壁紙を使うこともできるのですが、私たちが表現しすぎると居住者が自分に合わないと思うのではないか、ということがいつも念頭にあります。」

コリビングビジネス

「コリビング」の概念は新しいものではありません。(キブツ、コミューン、親密な住宅地などを考えてみてください。)WeWork社はそれを初めてビジネス化した企業でもありません。月々の家賃を取るコリビングスタートアップ企業は、家賃の高いニューヨークやサンフランシスコのような都市部に押し寄せる、豊かなミレニアルズ層向けに、すでにフレキシブルなハウジングを提供しています。

General Assembly職業学校を立ち上げた、ブラッド・ハーグリーブス氏によって創設されたコリビング会社のCommon 社は、10月に最初のビルをブルックリンにオープンしています。テクノロジーに焦点を当てた群衆をターゲットとするKrash社は、一頃ボストン、ニューヨーク、ワシントンD.C.に8か所のロケーションを持っていました。別のコリビング企業のCampus社は、その34か所のコリビングビジネスを6月に閉鎖しています。

WeWork社の賭け

WeWork社は、4万人のコワーキングメンバーを居住させるというキュレーションで、大きな賭けに出たと言えます。8月に漏洩した投資家のピッチデッキでは、同社が提供するWeLiveは、2018年までに同社の歳入の21%に当たる6億590万ドル(約6千784万円)を占めるだろうと予想されています。これらの文書にはWeWorkは、WeLiveがこれからの3年間で、69か所、1030万スクエアフィート(約95万6千900平行メートル)の不動産に、3万4千人のメンバーを居住させるという計画が記されています。

WeWork社が過去18カ月で集めた7億8千800万ドル(約8千823万円)のベンチャーキャピタル資金は、最終ラウンドで同社を100億ドル(約1兆1千200億円)企業にし、同社により多くの町とビルにコリビングのコンセプトをもたらすヘッドスタートを切らせるはずです。現在同社がウォールストリートに運営している200ユニットのコリピングスペースに加えて、WeWork社はワシントンD.C.近郊のクリスタルシティに200ユニット以上のコリビングスペースを準備中と伝えられています。

2月現在、WeLiveの3階までに居住していたのは主にWeWork社の従業員でしたが、この先どのように展開していくのか楽しみです。

参考
http://www.fastcompany.com/3055325/from-wework-to-welive-company-moves-members-into-its-first-residential-building
http://www.fastcompany.com/3056555/most-innovative-companies/weworks-communal-living-experiment-welive-is-your-college-dorm-on-

SPONCER
Related Article