あなたはパスワード入力が面倒くさいと思うことはありませんか？また、最近ではiPhoneのような指紋認証でもハッキングされる恐れがあると聞いて、指紋認証が本当に安全なのか不安になることはありませんか？
虹彩認証
MITで設立されたテクノロジー情報メディアMIT Technology Reviewの“Unlock Your Computer and Websites with a Glance – 見るだけでコンピューターとウェブサイトのロックを解除。”の記事で、パソコンのロックを虹彩認証で解除できるEyelock社のデバイス「Myris（マイリス）」が紹介されました。虹彩認証では、コンピューターのロック解除をはじめ、Facebookなどのウェブサイトのログインが可能になります。まずは外付けデバイスとして発売され、今後、大手コンピューターブランドのラップトップに内蔵される予定。この技術が指紋認証よりも便利で安全な世界を作り出してくれる可能性があると注目されています。
指紋認証はセキュアではない
指紋認証は、世界にひとつだけの自分の指紋でログインするため、パスワード入力よりも安全と思われがちですが、本体画面に付着した指紋はゼラチンなどで容易に採取することができ、決して完璧なセキュリティとは呼べません。それに比べ、虹彩認証は、指紋のように形跡が残らないので、盗まれる心配はありません。指紋認証では、誤認知が多く、ログインできない時も少なくありませんが、虹彩認証の誤認知率はiPhone5sの指紋認証の30倍も低い。アラブ首長国連邦の17の国際空港では、外国人の入国に虹彩認証を行っているが、導入から10年で約2,000万人を認証し、今までに誤認証発生件数ゼロという実績があります。
虹彩認証の可能性
スマートフォンやパソコンに個人情報を入れて持ち歩くようになった今、各デバイスのセキュリティを確保することは不可欠です。そこで、よりセキュアな認識技術である虹彩認証の開発が加速しています。アメリカでは企業がFBIやCIAに認証システムを提供しています。ゲートの中をくぐり抜けるだけで歩行者の虹彩認証ができる装置も開発されました。それらが街中に設置されれば、歩行者のデータを読み取り、どこに誰がいるのかを常に把握できます。犯罪捜査においても効果が大いに期待されます。犬や猫の虹彩認証も可能になれば、ペットが逃げ出したり、迷子になっても、見つけやすくなるでしょう。プライバシーやモラルが問われるテクノロジーの進化ですが、そんなSF映画のような話が実現するのもそう遠い未来ではなさそうです。
