フリーランサーは2ヶ月に一度はスキルの棚卸をすれば案件が増える

どのような仕事のスタイルを取るにしろ、フリーランサーは何らかの形で営業を行って、新たにクライアントを獲得していかなければ、活動がままならなくなります。

ネットでビジネスSNSやマッチングサイトに登録したり、フェイスブックで知り合った方のミーティングに参加するなど、営業方法は実に様々だと思います。

実は、プロとしての一定のスキルがあるなら、営業を定期的に行える人のほうが仕事には恵まれます。
営業ベタを自覚している方も心配いりません。とにかくマメに、自分なりに結果が出たスタイルで営業を意識して行っていれば、一定の受注が得られるようになります。

ただし、営業スキルに関係なく意識してほしいことがあります。
それは、大多数のフリーランサーが、自分が提供できる商品をすべて把握していないということです。

大多数のフリーランサーは、お金になる手持ちの商材に気づいていない

何のことを言っているのか、理解できないという方もいるのではないかと思います。
では、質問を変えましょう。あなたは、クライアントからの相談に乗っている時、クライアントがどのようなレベルの知識や成果物の提供を求めているか意識して、ヒアリングしていますか?
ヒアリングする時、自分が持っている最高のスキルや成果物を提供しなければという考えにすり替わってはいないでしょうか?

私たちは、ほとんどの場合、プロとして恥じないスキルや成果物を提供しなければならないと考えているはずです。
たしかにそれは間違ってはいません。
でも、プロのこだわりだかなんだか知らないが、望んでいないものを提供されて対価を求められるとしたら、クライアントにしてみればたまったものではないですよね。

たとえていうなら、プロならだれでもできる簡単なイラストの制作をオーダーしたのに、CGや油絵の大作を納品されたらあなたはどう思うでしょうか? しかも請求額が提示した予算の10倍だったとしたら?
とてもではないですが、お金を払う気にはなれませんよね。

バカバカしいようですが、実際の現場ではよく起こる話です。
成果物やスキル提供のクレームの大多数が、このようなすれ違いといっても過言ではないと思います。
では、なぜこのようなすれ違いが起こってしまうのでしょうか。

それは、クライアントはアマチュアであるということ。

クライアントは、あなたが提供するスキルや成果物に関してはアマチュアです。
したがって、専門的家から見れば、おそろしく簡単なことも、手に負えないハードルが高いことも、簡単にこなせるだろうと思って打診してくることがほとんどです。

それゆえに、プロとしてのスキルを全力でぶつけなければいけないという意識が働くのでしょう。
でも、ちょっと待ってください。

クライアントは、高度な技術や知識の提供だけを求めているとは限りません。
先に触れたように、駆け出しの人でもできるような簡単な作業や知識の提供も、相談するには高額な費用が必要なのではないかと思っていることも多々あります。

そのため、駆け出しの人でも簡単にこなせる案件を持ちかけられた場合、「プロなんだからこんな簡単な案件で報酬をもらってはいけないといった、自分に規制をかける意識が働きやすくなります。
その結果、親切心でサービスしたつもりが、クレームに発展するという、非常に残念な事態につながるわけですね。

簡単にこなせる案件でお金がもらえるのは、あなたが今までスキルや技術を培ったから

簡単にこなせる案件で代金をもらうことに罪悪感を感じるフリーランサーは、自分がその知識や技術を蓄えるまでに、どれだけの時間を要したか思い出してみてください。

クライアントからオーダーされたものが、10分でこなせるようなものであっても、10年間のトレーニングを重ねていることも少なくないと思います。

繰り返しになりますが、もう一度確認してみてください。
あなたにとって簡単にこなせることは、一般的なことではありありません。
当たり前にできるようになるまでに、相当の時間向かい合って身に着けたあなたの資産なのです。

2か月に一度はスキルの棚卸をしてみよう
自分にとってはさほど難しいことではないことは、アマチュアからしてみればハードルが高いことについては理解していただけたでしょうか。
大多数のフリーランサーはプロとして活動しているため、このことに気づかなくなっています。
つまり、お金に換えられる商品をたくさん持っていながら、その存在に気づいていないということになります。

自分が持っている商品の存在に気づかなければ、案件を受注することは不可能です。
そこで、2か月に一度は、自分のスキルの棚卸をすることを勧めています。

スキルの棚卸とは、自分が提供できるスキルを一つ一つ書き出してみることです。
バカバカしいように思えるかもしれませんが、「こんなこと当たり前だろ?」と思うようなスキルも、クライアントにとってみれば、すぐに発注したいスキルであることも珍しくありません。

自分がメインで手がけている業務について、どのようなことができるかを、箇条書きでかまいませんので、一つ一つ書いてみてください。

この時に気を付けてほしいのが、パソコンの立ち上げができるといった、誰でもできそうなものでも必ず書くようにすることです。
もちろん、誰でもできるようなスキルである可能性が高いのですが、自分自身が、どこまでが専門性があるスキルなのか見失っている状態です。

一つ残さず書きだすことで、自分が気づかなくなっていた商材になるスキルを見出すことも珍しくありません。

自分がメインで行っている業務について書き出し終わったら、その周辺業務についても書きだすようにしましょう。

たとえばライターの方だと、ウェブデザインや出版業界と関係が高い仕事をされているケースが多いと思います。
「CSSやHTMLが書ける。」
「ウェブ制作の企画とディレクションができる。」
「流し込み程度だったらイラストレーターやインデザインを使って印刷用の版が作れる」というようなことを思いだすかもしれません。

あきらかに一般の方にはできないことですから、商材としてクライアントに提供できるスキルですよね。
こういったことを一つ残らず拾い出していくのです。

スキルの棚卸を行った後は?

スキルの棚卸をしてみると、相当数自分が商材を抱えていることに気づくと思います。
書き出したスキルの一覧から、相場として単価が高く設定できるものを選んでクライアントに営業をかけるようにすれば、案件の受注数はさほど取れなくても、必然的に売り上げはあがります。

また、書きだしたスキルの一覧を清書して、自分のポートフォリオとしてクライアントに提出してみましょう。
どのようなことをオーダーできるのかがわかりますから、受注につながりやすくなります。

また、将来のためにこのスキルについてはもう少し勉強して知識と技術を高めたいというものも見つかると思います。
単に売り上げ増を図るだけでなく、中長期の経営計画を立てる上で非常に役立ちますので試してみてくださいね。

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