サンフランシスコの通勤カフェLeap 

Leapは、米国サンフランシスコで高級プライベートバスを運行する、スタートアップ企業です。そのスローガンは“日々の通勤の再設計”。サンフランシスコでは毎日70万人が通勤しています。市の急成長にインフラが追いつかず、市バスの混雑がしばしば取りざたされています。

スマートフォン搭載のバスサービス

Leapは、サンフランシスコの住民に、より便利で快適な日々の交通機関を提供するために設計された、スマートフォン搭載の民間バスサービスです。リアルタイムのバス・トラッキング、スケジュール、およびキャッシュレスの支払いは、すべてiPhoneアプリを介して行われます。
業務を最適化するために収集しているすべてのデータを活用するために、バックエンドのツールも構築しています。

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料金は片道6ドル

この春から開始されたサービスでは、4台のプライベートバスを、ハイテク技術者の多く住む、サンフランシスコ一等地マリーナから、市の経済中心地域へ、毎朝2時間、毎夕3時間運行しました。料金は片道6ドル(約741円)。チケットをまとめ買いすれば多少安くなりますが、公共バス運賃の2.25ドル(約278円)と比べると割高です。

このバスが、これまでの交通機関とどう違うのか、Business Insider誌のマット・ワインバーガー記者がラ・ルナ・インから、ダウンタウンのすべての区間を試乗してみました。
乗車するためには、アプリを使います。リアルタイムの到着時刻と空席数が提示されます。QRコードでチェックインするか、エクスプレスチェックイン・オプションを稼働させます。
Leapの青いバスが、白いウサギのマークの乗った、青いポールのそばに停まります。乗車するとすぐ、ワインバーガー記者の携帯が鳴り、チェックインが確認されました。

車内には、WiFi、ミニバー、革張りの椅子

外見は車体の色が異なる以外、普通の市バスと変わりありませんが、中にあるのは、WiFi、ブルーボトルコーヒー、豪華な革張りの椅子です。
コーヒーショップのカウンターを思わせる革製のスツールに、窓に向かって座ると、反対側には革張りのアームチェアが並んでいます。バスの後部にはベンチが並び、木製パネルがあります。
乗務員のリチャードさんが、小さなバーのクーラーから食べ物や飲み物を出し、乗客の説明に答えてくれます。オーディオはインディーロックを流していました。座席には、ほぼ30人が座れるそうです。
ワインバーガー記者がアプリからアイスコーヒーを注文すると、その場で4.5ドル(約556円)が自動チャージされました。メニューにはその他に、ココナツウォーター、新鮮な絞りたてフルーツジュース、ちょっと空腹な人にはヨーグルト、スナックバー、フルーツエネルギーバーなどがあります。

快適すぎて退屈なのが、唯一の欠点?

同乗した乗客の一人は、同じようなプライベートサービスを展開している他社のバスを試したことがあり、もう一人は週一回だけ出社、普段はUberを使っているとのことです。どちらも市バスの混雑には耐えられないとこぼしていました。
この体験乗車への記者の唯一の不満は、市バスに比べて快適すぎて退屈だったことだそうです。

夢の通勤手段

実際にこのようなサービスを常用できるのは一部の限られた人かもしれませんが、利用者の中には、これは考えていた夢の通勤手段だという反響も出ています。他の地域からは、こんなバスがうちの市にできてくれたら、という羨みの投稿もありました。
5月に入ってLeapは、カリフォルニア州公益事業委員会から運行中止の通達を受け、現在は運行されていません。Leapはこれまでもスローガンの“日々の通勤の再設計”を実現するため、多くの法律的手続きを乗り越えてきました。利用者の中にはLeapのサービスを惜しむ声がたくさん上がっており、いつかまた戻ってきてくれるように期待されています。
サンフランシスコよりもはるかに過酷な日本の通勤ラッシュ。解決は容易でないにしても、このような夢の通勤手段があってもいいのではないでしょうか。

参考

http://rideleap.com/
http://www.businessinsider.com/leap-luxury-bus-san-francisco-2015-3
http://www.businessinsider.com/luxury-bus-leap-suspends-service-2015-5
https://www.facebook.com/rideleap

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