サーフィンができるコワーキングコミュニティ Surf Office

Surf Office(サーフ・オフィス)は、29歳のユーザーエクスペリエンス・デザイナー、ピーター・ファーバー氏の「住んで、仕事をして、サーフィンのできる場所を見つけたい」という夢から生まれました。彼は、仕事と生活のより良いバランスを探す、フリーランサーや起業家の一人です。彼とガールフレンドは2年前に冬が長いチェコのプラハから、毎日日光の下でサーフィンができる、スペインのカナリア諸島へ移りました。Surf Officeが生まれたのは、その数か月後です。彼のアイデアを愛した人はたくさんいましたが、それが可能だと思った人は一人もいなかったそうです。Surf Officeは波長のあったリモートワーカー達のコミュニティですが、彼らは現実にも同じ波に乗っているのです。

仕事とサーフィンが同時にできるコワーキングスペース

「私たちがSurf Officeを始めた頃は、このようなコワーキングスペースはまだ何もありませんでした。」とファーバー氏は語ります「それが今ではポルトガルも含めて、暖かい気候での作業経験を与えるコワーキングスペースが6か所ほどもできています。一緒に旅行する部族のようなオプションがあったり、トスカーナのような場所で1-2週間のレジデンスを提供したりもしています。このようなライフスタイルは今とても人気があって、欧州からわずか3時間のフライトで来られる、モロッコの小さな漁村がスタートアップを魅了しています。​​生活費も安いですし、仕事とサーフィンが同時にできて、消耗してしまうことがありませんから。」

Surf Officeではこれまで、4つのスタートアップが一定期間のプログラムに参加しました。
オンドレイ・クラツキ氏がリスボンへ来たのも、同じ理由からです。「2週間ほど、ビジネスから気持ちを離すことが必要だったんだ。でも1週間分の費用しかなかった。で、友達がここを推薦してくれた。」チェコ・プラハ出身の31歳、Uber のような、チェコのモバイルサービスLiftagoの共同創設者の彼は、いつもより少なく働いたにも関わらず、生産性は上がったと言います。「サーフィンのレッスンと観光もしたかったし、邪魔も入らなかったから。生産性を上げようと躍起になっているスタートアップには、最高のところだよ。」

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共同生活をして、2週間で特定のプロジェクトを完成する

参加者の平均年齢は26-36歳。でも、60代のゲストをホストしたこともあると言うファーバー氏は、「要は、気持ちの問題だ」と言います。41歳のカルロス・ヘルナンデス氏は、テクビーチのメンバーとしてSurf Officeに来ました。これは、共同生活、共同作業をして、2週間で特定のプロジェクトを完成する、補完的なスキルを持った人々の小グループだそうです。彼は他の技術者3名と、フランスの起業家セバスチャン・グロージャン氏の休暇住宅所有者用の管理プラットフォーム、BookingSyncのウェブサイトを完成させました。グロージャン氏によれば、この仕事に支払った金額は、宿泊代を含めても、普通と同じくらいだったそうです。彼は「ここは楽しみながら、志を同じくする人たちと仕事をするユニークな場所だ。私のプロジェクトはかなり大きなものなので、次の共同作業をもう提案したよ」と語ります。

人と人との新しい繋がりを創り出す

Surf Office自体もスタートアップで、ファーバー氏は拡大させる方法を絶えず模索しています。世界中からフランチャイズの申し出もあるそうですが、Surf Officeをユニークなものにしている、グループ内のタイトな繋がりと、派閥を避ける精神も守らなければなりません。Surf Officeは、会うことがなかったかもしれない人々を出会わせ、共有の経験と展望によって、人と人との新しい繋がりを創り出しています。ファーバー氏が「今はまず、コミュニティを確立することに力を注いでいる。ワークスペースにどんな椅子があるかなどのガイドラインは作れても、コミュニケーションのガイドラインを作ることはより難しい」と言うように、一日の作業を終え、その日の最後の波をキャッチしようとしている人々に囲まれたテーブルを見れば、彼の言うコミュニティがSurf Officeの出発点になっていることがよく分かります。

Surf Officeに加わるには、サーフィンをしなければなかないか?

2013年のカナリヤ諸島に続いて、翌2014年には米国サンタ・クルーズにもSurf Officeができました。シリコンバレーで働くために、ベルギーから米国へやってきたエマヌエル・グイセット氏は、それでも愛する海のそばの生活を諦めきれませんでした。リモートワークに孤独を感じ、他のリモートワーカーはどう感じているだろうと周囲を見回した時、思いついたのがSurf Office のアイデアでした。
よく聞かれるのが、「Surf Officeに加わるには、サーフィンをしなければなかないか?」という質問だそうです。「ここは海岸生活を楽しみながら、生産性を高めたい人の場所」と彼は言います。これまで参加した本物のサーファーは4、5人ほど。他の人たちは海岸をジョギングしたり、ヨガに参加したり。「Surf Officeはホテルではなく、コミュニティなんだ。フィットするかどうか見極めるために、事前面接もしている。」彼によれば、数週間の短期滞在のほかに、数か月間の滞在者も歓迎しているそうです。コミュニティとしての深さを築くために。
サンタ・クルーズに続いて、2015年にはリスボンにもSurf Officeが生まれています。

都会の喧騒から離れ、海岸沿いでリモートワークをする生活を叶えてくれるのがSurf Office。
サーフィンなどのマリンスポーツをしながら、海の近くでリモートワークをしたいと思う人は参加してみてはいかがでしょうか。

http://www.thesurfoffice.com/
http://www.santacruztechbeat.com/

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