フリーランスの魅力といえば、「会社に縛られないところ!」と声高に言いたくなってしまいますが、会社という盾がなくなると、いくら稼いでいようとも「社会的信用」を失ってしまいます。
普段はなかなか実感しにくいものですが、クレジットカードの審査に落ち、はじめて「社会的信用のなさ」を自覚した…そんなフリーランスの方もいるのではないでしょうか?フリーランスとクレジットカードの関係について解説します。
Contents
フリーランスはクレジットカードを作れないは本当?
フリーランスはクレジットカードを絶対作れない、ということはまったくないので安心しましょう。しかしながら、会社員と比較すれば「作りにくい」と言わざるをえません。特に、駆け出しのフリーランスともなると、難易度はぐっと上昇しますので、できることならば会社員時代に作っておくのが無難です。
フリーランスが審査に通りにくい理由
では、なぜフリーランスはクレジットカードを作りにくいのでしょうか?クレジットカードに申し込むと、まず審査が始まりますが、この審査では通常「3C」と呼ばれる3つの観点が重視されます。それは、Capacity(資力)、Character(性格)、Capital(資産)です。
優先順位としても、資力、性格、資産となっており、特にこの「資力」がほとんどのウエイトを占めます。「資力」というと抽象的で分かりにくいかもしれませんが、要するに「返済能力があるか」ということです。
往々にして、会社員はこの「返済能力がある」と信頼されているため、不動産や貯金などの「資産」がなくてもクレジットカードの審査に簡単に通ってしまいます。しかし、他社からの借入額が多かったり、勤続年数が短すぎたりすると、審査に通りにくくなるので注意が必要です。
なぜ会社員は「返済能力がある」と信頼されるのかというと、当然ながら毎月必ずほぼ一定の額の給与がもらえるからです。そして、冒頭部分の問いに戻りますが、フリーランスは毎月ほぼ同額の固定の収入がある、と言い切れない弱みがあるため、クレジットカードの審査に通りにくいのです。
ちなみに、「性格」は「返済してくれそうか」という部分が重視され、過去に返済を滞ったことがないかをチェックされます。そのため、ブラックリストに載ってしまうほど事故情報が多いと、そもそもクレジットカードは作れません。
フリーランスでもクレジットカードが作れるのはどんな人?
とはいえ、最近ではフリーランス1年目でもクレジットカードを作れるようになってきています。そうした審査に通るフリーランスには共通する特徴があります。
- ある程度収入がある
- 流通系(百貨店など)のクレジットカードに申し込んでいる
- クレジットカードの限度額が少なめ
- キャッシング枠を設けない、または少なめ
- 過去にクレジットカードを発行し、利用実績がある
- 事故情報がない
上記のすべてを満たしていると、フリーランス1年目でも審査に通る可能性があるようです。
しかし、
- 過去にクレジットカードを発行し、利用実績がある
に該当しない場合、つまり、初めてクレジットカードを作るのがフリーランスになってからの人は、「性格(返済してくれそうか)」の部分が見えず、信頼度が大きく下がってしまうため、かなり不利になってしまうようです。
一度審査に落ちると次のカードでも審査に影響
クレジットカードを作るときに慎重にならざるをえない理由が、「一度審査に落ちると、次のカード申し込みまで半年は待つ必要がある」ことです。
これは、明文化されているわけではありませんが、「一度他社の審査に落ちた人」という信頼度の低さがラベリングされてしまうと、その信用情報が払拭されるまでの半年間は、他のカード会社でも審査を通してくれないからです。
そのため、フリーランスになってから初めてクレジットカードを作る場合には、そうしたリスクもあることを念頭に置き、慎重に申し込みましょう。
収入が少ないフリーランスがクレジットカードを作る方法はある?
駆け出しのフリーランスは、収入が少ない場合が多々ありますが、そうした場合にもクレジットカードを作ることができる可能性があります。
それは、「家族カード」を作ることです。これは、生計を同一にする配偶者や、親がすでにそのカードを持っている場合に、無審査でカードを持つことができるという仕組みになっています。主婦/主夫フリーランスの方や、実家暮らしの学生フリーランスの方などは検討してみるといいでしょう。
フリーランスは事業用と私用のクレジットカードを持つべき理由
開業届も提出し、屋号も定めたフリーランスの方は、本業としてバリバリ仕事をしていく意気込みに満ちていることでしょう。そうなると、クレジットカードを事業用と私用に分けて持つとメリットがあります。
メリット1:仕訳しやすくなり、確定申告がスムーズになる
クレジットカードの多くは、ショッピングで使う場面が多いですが、事業用と私用のクレジットカードを一緒にしていると、どれが経費としての支払いなのか、個人的な買い物なのかの分別が非常に面倒くさくなります。
このあたりをはっきりさせるためにも、事業用の銀行口座を開設し、事業用のクレジットカードを作っておけば、確定申告時に慌てふためくことがなくなるでしょう。
メリット2:経費の精算漏れが減り、損をしない
経費をすべて仕訳できないと収益が増えてしまい、税額も大きくなる可能性があります。これは大損ですので、ぜひクレジットカードは分けておきましょう。
メリット3:税務調査で指摘されない
「税務調査は個人事業主の自分には縁がない」と思い込んでいるのは危険です。税務調査は、法人のみならず、個人にも行われます
先ほど、経費を少なく仕訳してしまったために税額が増えて損をするケースに触れましたが、反対に、私用であっても、なんでもかんでも経費に仕訳し、税額を少なく抑えているケースでは、税務調査に入られてしまう可能性が出てきます。
その際、クレジットカードが事業用と私用が一緒くたになっていると、怪しまれて指摘され、詳しく調べられてしまうのです。そして、実際に経費の仕訳が不十分で税額が少なくなっていた場合には、追加徴税を受けてしまうので注意しなければなりません。
そうした怖い思いをしないためにも、クレジットカードは分けておきましょう。
フリーランスでも審査に通りやすいおすすめクレジットカード3選
フリーランスの方におすすめのクレジットカードは、やはり流通系です。これは扶養に入っている主婦の方でも審査に通れるハードルの低さがあるからです。以下、おすすめのクレジットカードを3つ紹介します。
楽天カード
楽天カードは、アルバイトやパートの方、大学生でも審査が通るカードです。そのため、フリーランスでも問題なく作ることができます。
年会費も無料ですし、楽天市場でカード支払いをすればポイントがたまりやすいというメリットも魅力です。
https://www.rakuten-card.co.jp/
リクルートカード
リクルートカードも、アルバイトやパート、派遣社員でも申し込めます。しかし、楽天カードよりも少し審査のハードルが上がり、「安定収入」をチェックされます。そのため、安定収入のある配偶者や家族がいると、本人に収入はなくても審査に通りやすいようです。
「楽天カードは通ったけど、リクルートカードは通らなかった」という声も聞きますが、主要ターゲットが20代ですので、比較的審査がゆるいカードと言われています。
年会費が無料、かつポイント還元率が1.2%と高いことが魅力で、リクルート系列のサービスを多く利用している方にはおすすめです。
ライフカード
ライフカードは、信販系のクレジットカードになりますが、審査基準は「日本国内にお住まいの高校生を除く18歳以上で、電話連絡が可能な方」とあり、非常にハードルが低いです。
実際に、親元を離れて世帯主となっている学生でも審査が通るので、フリーランスでも問題なく作ることができるでしょう。
「あとからリボ払い」など、「一括」で支払いを済ませた後でも変更できるため、資金繰りに困った月には役立ちます。
フリーランスでもクレジットカードが作れる!
「フリーランスだから、クレジットカードは作れない…」と肩を落としているのは、もったいないことです。クレジットカードを1枚持っているだけで、社会的な信用度も高まりますし、2枚持てば経費の仕訳が楽になります。
ぜひ、楽天カード、リクルートカード、ライフカードに申し込んで、フリーランス生活を豊かにするツールにしてみてはいかがでしょうか。