昨年の米国連邦政府の報告書は、全労働人口の47%がリモートワークを許可されているとしています。それを数字にすると1,020,034人、すでに百万人以上の米国人がリモートワークをする権利を得ていることになります。この数字は、前年比で大幅に伸びているそうです。
その前年、日刊紙ガーディアンと、カンファレンスコール会社のPowwownow社に率いられた、英国産業パネルが、リモートワーク事情についてのラウンドテーブルディスカッションを行いました。彼らの懸念の中には、リモートワーカーを本当に信頼することができるか、無出勤が出勤を打ち負かすか、このトレンドの先に何が起こり得るか、といったものがあったようです。
それでも現実に普及し続けるリモートワーク、その理由は何でしょうか。
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1. リモートワーカーのストレス度は低い
Nationwide Building Societyのデジタル開発部長ダリル・ウィルキンソン氏は、自分のスタッフメンバーにリモートワークの許可を与えることで、リモートワークを奨励し、会社全体へのデモンストレーションにしたいと考えました。「そうすることで、従業員は自分に合った方法で作業する権限を与えられていると感じ、職場のストレスも減るのです」と氏は語ります。
2. リモートワーカーは十分に繋がっている
スマホやSNSの普及は、効果的にコミュニケーションをとるために、相手の横にいる必要をなくしました。リモート管理、クラウドベースのプロジェクト管理、ビデオカンファレンス、BYOD(Bring Your Own Device: 個人が私物のノートパソコンやスマートデバイスを会社に持ち込み、業務に使用するという考え方)のような新しいビジネストレンドは、遠隔作業の有効性を拡張しています。
3. リモート労働者が資産コストを下げる
アウトソーシング企業Mitieの戦略マーケティング開発長イアン・アダムス氏は、さまざまな労働形態を奨励する企業は、オフィス賃貸料などの資産コストを削減することができると言っています。
4. 出社しなことは、良いこと
無届欠勤は困りますが、リモートワークのための無出社は良いことです。「リモートで作業できるという能力が、〝できるだけ多く出社する″という必要をなくします」と、ワーク・ライフ・バランスの専門慈善団体Working Familiesの政策研究担当者ジョナサン・スワン氏は述べています。
5. 新しい柔軟な職場が、新たな雇用を創り出す
新しい労働形態は、組織内に新しい役割を必要とします。 「当社では人事、IT、不動産、施設管理および〝職場ディレクター″のような役職が、柔軟な職場を可能にしています」とアダムズ氏は語っています。
6. リモートワークは、選択肢を与える
Powwownow社のマーケティングディレクター、ロバート・ゴルビー氏は、リモートワークは選択肢を与えると言います。「選択肢があるということは非常に大切です。特定の方法で働かざるを得ないような、テクノロジー主導の強制があってはなりません。」
7. 企業はハッピーなリモートワーカーの恩恵を受ける
「就業時間中にストレスなしの仮眠時間を設けてください」と言われても、それは不可能ですよね。「リモートワークの許可は、〝生活の質″の問題なんです」とスワン氏は述べています。
8. リモートワーカーは、より従事している
「真夜中近くにチームメンバーとつぶやいているということは、人々が仕事をしている以上の経験をしているということです。つまり、彼らは別の方法で従事しているのです」と、Nationwideのウィルキンソン氏は言います。
9. リモートオフィスは、職場よりも優れている
J.K.ローリング氏が「ハリーポッター」の多くの部分をカフェで書いたことは有名です。今オフィスワーカーは、それと同じような行動をとれるようになったのです。「柔軟なワークスペースとは、オフィスか家庭かだけではありません。より良い施設を備えた、家のそばのどこかかもしれません」と、オフィス施設のプロバイダであるRegus社のオペレーションディレクターのセリア・ダン氏は言います。
10. 通勤はあなたのためによくない
就業時間が始まる前に、リモートワーカーはすでに、物理的に通勤しなければならない労働者よりも好ましい状況にあると言えます。英国の国家統計局によれば「通勤者は生活への満足度が低く、日常活動に対する価値感や幸福感が低く、不安感が高い」のだそうです。通勤度が少ないということは、二酸化炭素排出量も少なく、環境に気を配る人々を喜ばせることにもなります。
この傾向はまだまだ続く
ここ数年、リモートワーク革命は業界のあちこちで起こっています。それは収まる様相を見せません。柔軟なワークスタイルはすでに社会に認められたものですが、リモートワークは今も増え続けています。「企業の9割以上が何らかの柔軟な労働形態を提供している」という、ビジネス部門調査が主に意味しているのは、フレキシブルな勤務時間やパートタイム労働で、リモートワークのことではないと、フレキシブルワークリソースFlexibilityの編集者アンディ・レイク氏は指摘しています。より多くの労働者が自宅から働けるよう、これからも上司を説得していくことが必要なようです。
参考http://www.techrepublic.com/blog/10-things/10-good-reasons-why-working-remotely-makes-sense/
Image Credit: Luke Chesser via unsplash