煮詰まる仕事は簡単な課題を1つだけクリアすればうまくいく

リモートワーカーや経営者は、常に自律的に行動し、自分で仕事をこなさなければなりません。
加えて、会社に勤務していれば、他の社員や会社がやってくれる経理などの作業も基本的に自分で行う日々の作業になります。
案件が増えれば経済的には裕福になるものの、プライベートの時間は削られるばかり。

そもそも、勤務時間の拘束が嫌だからリモートワーカーになったり、起業したのに、会社で働いていた時以上に仕事に拘束されるというのも皮肉な話ですね。

とはいえ、クライアントと約束した締め切りはどんな理由があっても確実に迫ってきます。
気分が焦るばかりで、仕事が山積みのままという方も少なくないのではないでしょうか。

案件が増えてくれば、必要ではあるが、お金を生まない仕事(たとえば経理など)はアウトソースして時間を作り出すという方法もあります。
とはいえ、そういう体制を築けたとしても、短時間で一つの案件を終わらせるように集中できなければ、また時間に追われるようになるのは間違いありません。

気分が乗らない時にモチベーションを高める方法とは?

実際のところ、リモートワークにしろ、起業にしろ、スタートしてしばらく経つと、仕事のモチベーションを維持することが難しくなるのが常です。
ついついだらだらと時間を過ごすようになってしまう人も少なくありません。
余談ですが、起業から1年後に事業を継続している人は、全体の数パーセントしかいないと言われています。
いかにしてお金を生む(売り上げを上げられる)業務のみにフラストレーションを感じずに注力できる態勢を作ることが、リモートワークにしろ、法人起業にしろ成功の要といっても過言ではありません。

もっともやる気はあっても、なかなかアイデアが出ずに仕事が難航することも多いと思います。
そんな時の突破法として、私は、一番ハードルが低い作業だけに注力することをお勧めしています。
具体的な例を挙げましょう。
たとえば「案件のうち一番簡単な課題をこなしたら休憩を入れてよい」と決めて、とりあえず作業に取り掛かるのです。

たとえば、企画書を明日までに書かなければならない時に、どうしても作業が進まなくなったとします。
この場合、企画内容をうんうん唸って考えるのではなく、企画書の表紙だけを作ったら休憩しようと決めて机に向かうのです。

プログラマーの方ならコードの最初の一文だけ書いたら休憩と決めてPCに向かう。
イラストレーターの方なら、作業の下準備だけと決めて机に向かう。

きりがないので例証はこれまでにしますが、大多数の場合、最初の予定通り一番簡単な課題をクリアしたからこれ幸いに休憩をする人はほとんどいないはずです。
中にはノッてきて、集中モードに突入して一気に仕事を終えてしまったという人も出てくるはずです。

あれだけうんうんうなっても仕事がまったく進まなかったのに、なぜ仕事が進むのでしょう?

自分への厳しさゆえに仕事が進まなくなっているケースもある。

実は、自分では意識してはいないものの、アイデアが出ないとうなっている時に、実はすでに仕事のアイデアはぼんやりとではあっても固まっていることが多いんですね。
うなっている時って、実は、仕事のアイデアが出ないのではなくて、クオリティの高いものをどうしたら生み出せるか、もしくはどうやって形にするかについて悩んでいることが多いはずです。
したがって、簡単な課題でもいいので取り掛かってしまえば、今の時点でアウトプットできる成果物を形にする方向に頭が向かいます。
だから、やるべきことが整理されて、どんどん仕事が進むといったことが起こるわけです。

プロとして仕事をはじめて一定期間が経つと、自分が不調の時でもプロとしてクリアできる最低限のラインを越えた成果物が生み出せるようになっています。

実際のところ、自分としてはさほどクオリティが高いとは思えない状態でも、クライアントからしてみればじゅうぶんニーズにマッチする仕事となっていることも珍しくありません。
自分が行った仕事に満足できないというのは、向上心の現れですし、自分に対する厳しさでもあると思います。
ですが、その仕事をお金に換える以上、仕事の良し悪しを決めるのはクライアントです。
実際、仕事の中では、ハイクオリティの成果物を求められないこともあります。
そういった判断がつかない時には、まずは先に述べた方法で成果物をアウトプットし、クライアントのニーズを再度聞いて必要ならば修正を行うとよいでしょう。

大多数の場合、完成度よりもスピードを求められる

誤解のないように繰り返しますが、「クオリティの高いものを作らなくてよい」ということではありません。
プロになった以上、どのようなコンディションでも最低限のラインを越えるものを作れるようになっているということです。
加えて、あなたにとって最低限のラインが、クライアントにしてみれば、ハイクオリティと感じるケースも少なくないということです。
だから、うんうんうなるよりも、形になったものをできるだけ早く出して、クライアントとすりあわせをしたほうが、結局時間を無駄にせず仕事を終わらせることができて、クライアントの評価も高くなるということです。

世界的に普及したマイクロソフトのウインドウズですが、発売当初のウインドウズ95は、リリース時に、全てのバグを修正しなかったことは有名です。
もっとも、OSとして絶対ミスが許されない機能については徹底的に検証を行っていたそうです。
ですが、ごくレアなケースだけにバグが生じて、データの保存ができない現象が生じたり、プログラマに指示していないデザインになっている画面やアイコンの些末な部分はとりあえず保留してリリースしたのだとか。
実際、多くのユーザーからバグの指摘が相次ぎましたが、誰もウインドウズを利用しないという意見は述べなかったと思います。
実際のところ、それまでにもアップルコンピュータはGUIを装備していたパソコンとして知られていましたが、それ以上に利用されるパソコンのOSとなりました。
なぜこれだけウインドウズが普及したかを考える上で、性能に触れないわけにはいかないと思います。
しかしながら、多少の難ありであっても、スピーディにユーザーが的確に使える状況を提供してきたことが普及したもっとも大きな理由ではないでしょうか。
自分が想像するよりも、多くの場合、成果物がクライアントのニーズを満たしていること。
プロの目線で見たクオリティを追及するよりも、スピーディを提供すること。
これらのジレンマに陥らないために、今回の方法を活用していただければと思います。

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