実は、名刺交換の後、あなたの名刺は捨てられている。

ライター、イラストレーター、デザイナー、コンポーザーetc、クリエーターの方は特にそうですが、常に新しいクライアントを探さなければいけないのは、自分で仕事をするフリーランス・自営業の仕事の一部ともいえます。

名刺交換会や、ちょっとした飲みが入るパーティ形式のイベントは、東京近郊なら、ほぼ必ずどこかでやってますから、参加したことがある方も多いでしょう。
ちょっと業界に足を踏み入れれば、クライアントらしき方は一目で見分けがつくようになるもので、相手がいささか迷惑な顔をしていても無理矢理名刺交換に持ち込む方も珍しくないように思います。

それくらいあつかましい、いや積極的なほうがフリーランスは成功する確率が高いといえます。

サラリーマンからフリーに転身した方が勘違いしやすいのが、「自分にはこれだけのスキルがあるから黙っていても仕事の依頼が集まる」というもの。
残念ですが、いくらスキルが高くても、あなたのスキルがクライアントの横のつながりのネットワークの中で広がらない限り、絶対といっていいほど、仕事の依頼が向こうからやってくることはないといっていいでしょう。

サラリーマン時代に、仕事が山積みになってヒイヒイ言っていたのも、実は営業職が案件を取ってきてくれていたから。
フリーになったとたんに、自分で仕事をとっこないと、仕事でヒイヒイ言うどころか、アパート代が払えずにヒイヒイ言う羽目になりかねません。
ですから、多少あつかましいくらいの売り込みや名刺交換を積極的にやる人のほうが、仕事の依頼が増えます。
とはいえ、やはり社会人の話ですから、やはり限度があるというもの。
かなりゆるい服装や言動が許される業界であっても、地雷は必ず存在します。
そこをわきまえたうえでないと、仕事の依頼は来ません。

こんなフリーランスの名刺は捨てられる

最近は、名刺交換の代わりに、SNSでつながったりすることも多いですよね。ですから、名刺を持たないというフリーランスの方も多いですが、やはり、名刺くらいは持ったほうがいいでしょう。初めてあった人にSNSのアカウントを聞き出してスムースに友達申請ができるようなら、もはや名刺もいらないでしょうけど、必ずしもゆっくりお話できるとはかぎりませんから、やはり名刺交換して、後日ゆっくり仕事の話をするというのが得策です。
フリーランスの方は、自分の個性を主張するために、一風変わった名刺を作る人や、派手な名刺を作る人が少なくありません。
それはけして悪いことではありませんが、ツボを外すとクライアントから捨てられることになります。実際、名刺交換会や、ちょとしたオフで、クライント的な立場の人が交換した名刺を破って捨てているのを何度も見たことがあります。
目立つ名刺にしたほうがいいのはわかった。では、クライアントの心証を損ねない名刺にするにはどうしたらいいかということになるのですが、これにはいくつかポイントがあります。

名刺と一緒に分厚いポートフォリオを渡すのは迷惑

フリーランスは、実績がある人のほうが、格段に仕事が来る率が高いです。そのことを意識して、名刺以外に、自分の作品見本や、過去の実績一覧などをプリントアウトして持参する人がいます。(特に美術系の方)これって、結構迷惑なんですよね。
クライアントにしてみれば、その日のうちに、何十人のフリーランスと会うわけですから、全員がそんな作品見本や実績一覧を持ってきたら、荷物になるだけです。
名刺交換した後、挨拶のメールの後に宅ファイル便などで送るのがスマートでしょう。

なんの専門でメシを食べている人かわからない

特定の業界の方が集まるイベントで名刺交換すると、「やたら派手な名刺なんだけど、一体この人は何をやる人なんだろう?」という名刺に出くわすことがよくあります。

よく考えてください。

仕事の依頼をもらうために名刺を目立つようにするわけですから、あなたがなにをできるかわからないなら、クライアントの心証を逆なでするだけで、何しにでかけたのかわかったもんじゃありません。自分が何を専門にしているかくらいは名刺にきちんと書きましょう。

名刺入れに入らない造形の名刺では仕事はこない

美術系の方に多いのですが、ご自分の作品を象った名刺になっていて、ふつうに名刺入れに入らない造形の名刺をいただくことがあります。
こうなると、もう名刺交換という個展というかテロというか……まあ、作品を認知してもらうという活動という意味では正しいのかもしれませんが、間違っても仕事はこないでしょう。

今まで名刺交換させていただいた方で、空いた口がふさがらないケースはきりがないのでこの辺りにしますが、一番大事なのは、名刺交換した後だと思います。
クライアントの名刺を今日は10枚集めた。ところで、お礼のメールないし、売り込みのメールを出したりしましたか? 実際、クライアントと名刺の交換をした後に、挨拶からはじまって自分の専門や実績を簡単にまとめたメールを出して、仕事をもらうことをアピールする人って意外に少ないです。
そういった意味では、多少印象に残るデザインの名刺をお渡しして、帰宅したら挨拶をかねた自分のスキルをプレゼンするメールを出す人が一番強いのではないでしょうか。
心当たりがある方は、今度から実戦してみてくださいね。仕事の依頼量が必ず代わってくるはずです。ぜひ試してみてくださいね。

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