パソコンなどの設備はまとめ買いで節税できる

リモートワークをしているIT系のフリーランスの方は、資本がなくても、パソコンとインターネットさえあれば、働けることが大きな強みですが、事業を拡大しようと考えたときには、当然、設備投資の費用がかかります。設備投資をうまく行なうことができれば、一部の税額控除を受けることができ、納税額を減らし、キャッシュフローを改善することができます。

中小企業投資促進税制

リモートワーカーにとっての設備投資には、新たなパソコンやデジタル複合機、サーバー、ソフトウェアの導入などがあるでしょう。
このような設備投資に活用できる制度があります。
パソコンもソフトウェアも毎年のように新しいバージョンが発表されてより高い機能が付加されます。仕事内容によっては最新の機器を常に導入する必要のある個人・企業は多いと思います。フリーランスならば、このような設備投資の負担はなかなか大きいです。このような特定の設備投資に対して節税できる制度がが「中小企業投資促進税制」です。これは、条件を満たせば特別償却もしくは最大で7%の控除を受けることができる優遇税制です。また平成26年からはこれに「上乗せ措置」が追加され、特別償却もしくは10%の控除を受けることができるようになりました。

中小企業投資促進税制の条対象者

まずこの制度が利用できるのは「青色申告している資本金1億円以下の法人もしくは常時使用する従業員が1000人以下の個人事業主」ということになっているため、ほぼ確実にフリーランスやリモートワークを実施している中小企業に当てはまります。また資本金3000万円以下ならば、3000万円以上の事業者よりもさらに優遇されます。(これ以下ではフリーランスと小規模の会社経営者を対象として、資本金3000万円以下のケースに絞って解説します。)

中小企業投資促進税制の対象となる投資

次に投資される設備の種類によっても、条件があります。リモートワーカーが必要とする設備としては主に「ソフトウェア」「電子計算機(パソコン)」「デジタル複合機」などです。ソフトウェアは合計で70万円以上、パソコンは合計120万円以上、複合機は1台で120万円以上の場合が対象となります。上乗せ措置も同様の条件です。
これから購入する予定のソフトウェアやパソコンがあれば、その製品が中小企業投資促進税制、もしくはその上乗せ措置に該当する製品かどうか、メーカーに問い合わせてみましょう。

適用される優遇措置とは?

投資の対象が条件をクリアしていれば「特別償却」か「税額控除」のどちからを受けることができます。特別償却を選べば「特別償却30%」が適用されます。税額控除の場合は「7%の税額控除」を受けることができます。

さらに条件をクリアしている設備投資が「生産性の向上に寄与する投資である」という「上乗せ措置」の条件に該当するものならば、特別償却は「即自償却」、税額控除は「10%」となり、さらに節税効果が高くなります。

例えばその事業年度に新たな事業を開始するため、最新のソフトウェアを合計80万円、作業用のパソコンを合計100万円購入したとしましょう。この場合パソコンは合計額が120万円に達していないため制度は適用されませんが、ソフトウェアは制度が適用されます。このソフトウェアが上乗せ措置が適用されるものならば、80万円を即自償却するか、もしくは10%=8万円分の税額控除を受けることができます。設備投資は金額が大きくなるだけに、このような制度を活用すれば節税額も大きくできるのです。

制度をうまく利用して積極的に設備投資を行なう

設備投資の負担は大きく、特にフリーランスや中小企業の経営者の方は少しずつしか行なえない現実があるでしょう。しかし、事業拡大に伴うような比較的大きな投資を行なう事業年度は、この制度を利用すれば、少しでも納税額を減らすことでキャッシュフローを改善できます。
多額の設備投資を行なう年度は、投資対象が優遇税制の対象となっているか確認するようにしましょう。また小さな投資を分散して行なうよりは、集中的に購入して制度を利用する方がトータルのキャッシュフローが改善できるのです。税制は知っている人には有利に、知らない人には不利に働いてしまいます。利用する予定がなくても、まずはこのような制度があることを頭の中に入れておくことをオススメします。

参考

http://www.chusho.meti.go.jp/

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