最適なコワーキングスペースの選び方

昨年11月のオンライン・コワーキングマガジンDeskmagのグローバルなコワーキング調査では、現在約50万人がコワーキングスペースで作業をしており、需要の増加にともなって、コワーキングスペースは主要都市でますます増え続けているそうです。現在、コワーキングスペースの数は前年比で36%成長し、2年前に比べて、平均3倍のメンバーをもつようになっています。世界中のこれだけ多くの利用可能なコワーキングスペースの中から、スタートアップ企業はどうやって、最適なスペースを見つけることができるのでしょうか。人事プラットフォームNamelyの設立者で最高経営責任者のマット・ストラッツ氏がいくつかのヒントを与えています。

最適なコワーキングスペースの選び方

ニーズを検討する

ビジネスでのほとんどの決定事項と同様に、コワーキングスペースの選択も、まずゴールを設定するところから始まります。なぜコワーキングスペースが必要なのか。ゴールを知ることは、スペースを探す時の条件の優先順位や、最も重要な資質を判断するのに役立ちます。

例えば、もしゴールが「多くの会議をホストすること」なら、利用可能な会議室やコンフェレンスコール機能が最優先事項となります。

あるいは、あなたのビジネスニーズは、高速Wi-Fiの常備や、デスクやプリンタや、スペースへのアクセスといった簡単なものかもしれません。しかし「希望」と「必要性」を混同しないようにしてください。無料のコーヒーは素晴らしい特典ですが、それは必要でしょうか。「一番必要なもののリスト」と「希望のリスト」を作って、それらに照らし合わせてコワーキングスペースを選びましょう。

カルチャーとフィットするか

コワーキングスペースの設備は重要ですが、そこに集まる人間はどうでしょうか。

2014年のGloboforceのムードトラッカーレポートでは、労働者の89%が仕事での人間関係は、総括的な生活の質にかかわると答えています。コワーキングスペースは新しい労働環境だといっても、人間関係やカルチャーが変わるわけではないのです。

実際、Deskmagが調査したコワーキングメンバーの70%は、自分がコワーキングコミュニティの一員であると感じており、さらに67%がコワーキングスペースのメンバーが自分の名前を知っていると思っています。

ですから、あなたの企業文化に見合ったコワーキングスペースを見つけることが肝心です。コワーキングスペースのメンバーと文化について話して、その場所のワークスタイルや個性があなたの会社にフィットするか調べてみましょう。

場所を確認する

あるコワーキングスペースは、写真では最適に見えるかもしれませんが、実際に物理的な空間を見る前に決定を急いではいけません。施設を見学して、可能ならば一日か二日か、スペースを試してみてください。

この時、内部空間だけに焦点を当てないようにしましょう。大切なのは、ロケーションです。訪問時には、コワーキングスペースの近所もチェックしてください。そのロケーションは、ビジネスに有益ですか。潜在的なパートナー、メンターや業界のリーダーに近いところですか。

企業文化はここでも重要になります。ロケーションがどうチームの利益になるでしょうか。歩いて行ける距離にコーヒーショップがありますか。ランチスポットやフィットネスセンターはどうでしょう。

要は、ビジネスに利益をもたらして、企業文化をサポートするような場所を見つけることです。

将来的に見る

あるコワーキングスペースは現在のあなたのビジネスニーズには最適かもしれませんが、1年後にはどうなっているでしょう。あなたのスタートアップが成長して、そのスペースをはみ出すことはないでしょうか。

会員契約を解約するのは容易ではありません。だれも、企業のニーズに合わなくなったコワーキングスペースに閉じ込められたくはありませんね。どのくらいの期間そのスペースが必要か考えて、スタートアップのニーズに最適なメンバーシップオプションを見つけましょう。

これらのことに留意して選択すれば、コワーキングスペースはスタートアップ企業にとって、従来のオフィスとホームオフィスとの間の、最適な選択になりえます。

個人の場合

ここまでは、スタートアップ企業を想定した、最適なコワーキングスペース選択へのヒントでしたが、個人のリモートワーカーの場合はどうでしょうか。

Entrepreneur誌に寄稿している、リサ・エヴァンスさんは、リモートワーカーが最適なリモートワーク・ロケーションを見つけるためには、「どのような環境が自分の仕事にベストか」を探る必要があるとアドバイスしています。コーヒーショップの多少の騒々しさの中に身を置く方が、活気を感じて仕事をしやすいという人もいますし、ドアを閉めた静けさがなければ、とても作業に集中できないという人もいます。また、それぞれの場所で出会う人のタイプ別に、企業関係者の多いコワーキングスペースか、フリーランスのデザイナーやジャーナリストのいるコーヒーショップかという選択方法もあります。そして、あなたの作業の種類、Wi-fiを使って記事を書くのか、絶えず誰かに電話をかけるのか、などによっても選択する場所は違ってきます。

もちろん、いつ、どこからでも働けるリモートワーカーの利点を利用して、業務に集中している人の多いコワーキングスペースで作業をして、たいくつになったら、コーヒーショップへ移動して作業を続けることも可能です。

目標を明確にして、ニーズに見合ったコワーキングスペースを選んでください。

参考
http://www.entrepreneur.com/article/269806
http://www.entrepreneur.com/article/254485
http://www.deskmag.com/en/first-results-of-the-new-global-coworking-survey-2015-16
http://go.globoforce.com/rs/globoforce/images/Fall_2014_Mood_Tracker.pdf

Image credit: AlleyNYC via Facebook

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