2016年のコワーキング動向

グローバルコワーキングの新しい調査結果によると、今年のコワーキング市場の動向は、過去数年と大きくは変わらないようです。2015年には不動産価格の高騰とコワーキングへの意識過剰という課題があり、多少望ましくない市況もありましたが、この現象はグローバルな市場展開にマイナスの影響は与えておらず、2016年末までに1万のコワーキングスペースがオープンすると予測されています。
昨年末のコワーキングスペースのメンバー数は平均76人で、2年前と比べてほぼ50%上昇しています。今年もこの発展は続くだろうと予想されます。

拡張計画は安定継続

この調査結果では、スペースオーナーの62%が、スペースの拡大を望んでいます。3人に1人が、少なくとももう一か所、場所を増やすことを計画しています。現在の場所にデスクの追加やスペースの追加を計画しているオーナーと、スペースを他の場所へ移転することを計画しているオーナー数も、前年よりも増えています。
収益の上昇がスペースオーナーにより多くの機会を与えています。2014年には66%だったスペースの拡張計画は、2016年には78%に上がっています。スペースの収益はメンバー数に比例するため、50人以上のメンバーを持つスペースの拡張の可能性は、24人以下のスペースよりも25%ほど高くなっています。

高い期待は横ばいだが、依然としてポジティブ

スペースオーナーの期待度は依然として高いですが、2014年と比べると横ばいの兆候を示しています。コワーキングスペース市場が成熟するにつれて、新しいスペースの伸びは縮小し、2013年の51%から、現在は34%に減っています。これは、古いコワーキングスペースが存在し続けて、新しいものと入れ替わらないからです。

スペースの増加に伴うメンバーの忠誠心の変化

メンバーの5人のうち4人は、来年も同じスペースに留まるつもりだと回答しています。複数のスペースで作業をしているメンバー数は、2013年の9%から、2016年には15%に増えました。これは自らをデジタルノマドと定義して、旅をしながら仕事をする人の数が増加していることと結び付いているようです。
スペースへのメンバーの忠誠度は、人口に関係しています。それは大都市ほどスペース数が多いからです。「スペースの変更を考えていない」と答えた人は、百万人以上の都市では61%なのに対し、9万9千人以下の都市では71%でした。

小さい市場での賃貸契約更新の影響

昨年、New Work Cityのようなよく知られたコワーキングスペースのいくつかが、リースの更新料の急激な高騰のために閉鎖しました。今年も、ほぼ8つに1つのコワーキングスペースがリースの更新または再交渉に迫られています。人口10万人以下の小都市では、この率はより高くなっています。
この新しいデータでは、5つに1つのスペースが、これまで少なくとも1回は移転を経験しており、移転の理由の半数は「スペースが小さくなったこと」。「家賃の高さ」が理由になったのは7%でした。

最大の問題は、新しいメンバーを見つけること

コワーキングスペースのオーナーに向けられた、現在の問題についての質問では、回答のトップは「新しいメンバーを集めること」(39%)、それに「仕事量」(27%)が続いています。
問題点についてのメンバーの回答では、ほぼ3分の1が「インターネットの接続性」を挙げています。その他には、「騒音」(24%)、「プライバシーの欠如」(15%)、「集中が困難」(17%)などが挙げられました。
また、3か月以内に他のスペースに移ろうと考えている人の3分の1は「他の場所で新しい仕事を始めるため」としています。「他の場所を試してみたい」(23%)、「高すぎる」(21%)、「環境を変えたい」(16%)、「孤立感」(14%)がそれに続きます。

メンバーは楽観視

メンバーの2016年の仕事量、収入、余暇時間への期待感は、前年とほぼ同じです。通常、新しいメンバーほど期待感が高いものですが、コワーキングスペースが始まって4年、メンバーの大半は依然として収入の増加(59%)、仕事量の増加(56%)、顧客の増加(68%)を2016年に期待しています。
コワーキングスペースへの需要は安定を続ける
コワーキングスペースの数は増加し続けていますが、まだ需要に追いついていない感があります。回答した調査対象事業者とその従業員の56%が、自分の街に需要に見合う数のコワーキングスペースが存在しているとしています。

このような調査では、すべてのトレンドを収集できるわけではありません。小さすぎたり、複雑すぎるトレンドもあります。この調査では、Coworkaholicと共に、オペレータと業者からなるコワーキングの専門家に、今年の動向について聞きました。
2015-16年グローバルコワーキング調査は、コワーキングのオンラインマガジンDeskmagにサポートされています。

Coworkaholic: http://coworkaholic.com/

参考
http://www.deskmag.com/en/2016-forecast-global-coworking-survey-results

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