WeWorkは、ニューヨークを拠点に、全国の起業家にオフィススペースをレンタルしているスタートアップです。起業から5年。これまでに調達した資金は3億5500万ドル(約424億円)。ウォールストリート・ジャーナルによると、この会社の実質的な価値は、オフィスのリース会社としては破格の50億ドル(約6千64億円)だそうです。
シェア・エコノミー
不動産とテクノロジーを組み合わせたWeWorkのビジネスモデルは、近年UberやAirbnbのような企業のヒットで投資家を魅了している、シェア・エコノミーのトレンドを生んでいます。それらの企業は、ハイテクタッチで今や、これまで確立されていたタクシーやリムジンサービス、ホテル産業、オフィスリース産業を超える評価を集めるまでになっています。
毎月3〜5ヶ所のペースでオープンしているコワーキングスペース
現在2万3000人の顧客が、WeWork の32のロケーションで働いています。その半数が、成長が最も著しいニューヨークに集まっています。その他にも、サン・フランシスコ、オースティン、ロンドン、テルアビブ、ポートランド、トロントにすでにロケーションがあり、次の施設はベルリンが予定されています。We Workは、月に3〜5箇所のペースで、新しいロケーションにコワーキングオフィスを増やしていく計画です。
WeWorkの最高生産責任者のカクル・スリヴァスタヴァさんは「ウェイティング・リスト上のすべての人に共同作業スペースを提供することが目標」と語っています。「私たちがスペースを構築するより、需要ははるかに大きく、供給が追いつかない状況です。」「Uberが車を、Airbnbがアパートを必要とするように、うちはオフィススペースを必要としています」とはWeWorkの共同創設者のアダム・ノイマン氏。
WeWork Commons
WeWorkは、WeWork Commonsと呼ばれる独自のソーシャルネットワークサービスも運営しています。事業の初期段階の人々に焦点を当て、オフィススペースへのアクセス、割引サービス、地域イベントなどを提供しています。
https://www.wework.com/commons_v2
地主からスペースを卸売リースして、それを小さなブロックとして又貸しする。WeWork自体が物理的なスペースをリースしているため、独立したドライバーや住宅所有者へ市場を提供しているUberやAirbnbよりも、実質的なリスクがあります。しかし、スタートアップへの活発な投資環境のおかげで、現在WeWorkのスペースを占めている起業家の多くは、これらのハイエンド・オフィススペースに支払う資金を集めることができています。
世界中のどのWeWorkも利用が可能
ある使用体験者は、月45ドル(約5500円)から、数千ドル(数十万円)のオフィスまでのオプションを熟読して、350ドル(約42000円)の「無制限共同エリア・オプション」を購入しました。このオプションでは、空席がある限り、世界中のどのWeWorkも1ヵ月間無制限に使うことができます。彼はWeWork の iPhoneアプリをダウンロードして、マンハッタンのWeWorkに席を予約してみました。翌日PCを持って、このビル2階の共同エリアへ足を運びます。マンハッタンのWeWorkのそれぞれのドアには、予想通りハイテクっぽい名前が多く見られましたが、中には、弁護士、非営利団体、映画プロデューサー、政治コンサルタント、ビーフジャーキーのブランドなどもあったそうです。
同社のサイトに見られるように、シェアオフィスの醍醐味は、他企業の人とのコミュニケーションではないでしょうか。アイデアの交換、他分野の人との出会いといった、人と人との繋がりに、現代人の心に訴えかけるものがあるのかもしれません。
参考
http://www.wired.com/2014/12/wework-valuation/
http://www.bloomberg.com/news/features/2015-05-21/wework-real-estate-empire-or-shared-office-space-for-a-new-era-
https://www.wework.com/