米国を始めとして、リモートワーカーの全労働力に占める割合は、年々増加しています。
では、2020年までにリモートワーカーはどのくらい増えるのでしょうか。
リモートワークが全ワークスタイルの半数以上を占めるようになるには、どのくらいの時間がかかるのでしょうか。
「成功者は朝食前に何をしているか」など、数々の時間管理と生産性についての著作で知られる、ローラ・ヴァンダーカム氏が考察しています。
リモートワークは今や、社会のトレンドとなり、それはまたワークスタイルの将来のようにも思われます。
世界中から500人のシニア・ビジネスリーダーが参加した、ロンドンの第12回グローバル・リーダーシップ・サミットでのビジネスリーダーへの調査では、34%が2020年までに自社のフルタイムの従業員の半数以上がリモートワークをするようになるだろうと回答しています。
そして25%は、4分の3以上の従業員が、2020年までには伝統的なオフィスワークを離れているだろうと推測します。
これは遠い未来の話ではなく、今から6年先のことなのです。
しかし、多くの組織では、週に1、2日オフィスを離れて、家からリモートワークで働くことは、会社と交渉して許可を得るべきものだと考えられているのが現状のようです。
フレキシブルな仕事を求める求職者のためのリソースである、FlexJobs社の最高経営責任者サラ・サットン‐フェル氏は、これが「リモート」の定義によるのだと理解するまでは、非常におかしなことのように見えると解説しています。
「私に言わせれば、ほとんどのホワイトカラーの職場では、99%の人々が家に仕事を持ち帰ることでリモートワークをしているのだと言えます。こういったことは、私たちのワークスタイルにすでに入り込んできているのです。ただ雇用者や非雇用者によって形式化されていないだけです。」
もし、日曜の夜に家で仕事関係のメールをチェックすることがリモートワークなら、あなたは既に自宅からリモートで働いているのです!
世代の交代
しかし、それだけではありません。
ロンドン・ビジネススクールの学習ソリューション・ディレクター、アダム・キングル氏は、グローバル・リーダーシップ・サミットで頻繁に取り上げられた、もうひとつのトピックに、ミレニアルズ(欧米のゆとり世代)の仕事へのアプローチの仕方があると指摘しています。
「彼らが職場に惹きつけられる最大の理由は、フレキシビリティである」と彼は言います。
「人々は午後休みを取り、土曜の朝にそれを埋め合わせたいのです。」
だれにも、どこからでも、メールを送ったり、電話で呼び出すことができることを十二分に承知している若い労働者世代にとって、異なった働き方をするということは「非雇用条件にサインする以前の、明確な判断基準」なのです。
「それは、特典や報酬ではありません。」
さらに重要なことは、これらの生まれつきデジタル世代の最年長者たちが、現在30代に達して、管理職になりつつあることです。
キングル氏によれば、「彼らは職場文化の建築家になりつつある」のです。
仕事が正常に稼働していることが、上司にわかりさえすれば、それはどこからでも、いつでもできることで、「仕事の周辺にいる必要はずっと減る」のです。
イノベーションとコラボレーション
それでは過去にあった、「リモートワークはイノベーションと合致しない」という議論はどうなったのでしょうか。
Yahooなど、いくつかの企業はリモートワークを取りやめて、物議をかもしだしました。
彼らは、従業員が物理的に同じ場所にいる方が、いいアイデアを思いつくと主張しています。
グローバル・リーダーシップ・サミットの出席者も同様に、職場の革新に重点を置いています。
サットン‐フェル氏は、よくある間違いは、リモートワークとオフィスワークは、二者択一だと考えられていることだと指摘します。
「ほとんどの人はリモートワーク100%か、0%と考えています。しかし、現実には、0か100かではないのです。」
週に2回クライアントを訪ねることで、リモートワークをしている人もいます。
彼がその日、自宅から働いていなくても。
そして他の1日か2日オフィスで働き、1日自宅勤務し、もう1日はコーヒーショップから働く場合もあるのです。
このようなスケジュールでは、同僚との自発的な相互作用が十分可能な一方、焦点を当てて生産性を上げることもできます。
「近い将来、私は全労働力の50%が、半分の時間はリモートで働くようになると信じています」とサットン‐フェル氏は述べます。
「しかし労働人口の半数が2020年までに100%リモートで働くようになることはないでしょう。たとえそれが2030年までだとしても。」
でもそれはそれでいいのです。
色々な働き方があるのですし、リモートワークは、他の働き方とミックスして使われるのにいいツールなのですから。
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Image: Flickr user Impact Hub