独立したい方は必見!事業計画書の書き方

これから会社員をやめて独立したい、自分の事業を持ちたいという方がまずやるべきなのが「事業計画書」を書くことです。
事業計画書は事業がまだ明確に定まっていなくても、書く中で具体化して新たに問題を見つけたり、より綿密な計画を作成するためにも必要なものです。
今回は事業計画書を書くうえでのポイントについて解説します。

事業計画書は何のために書くか。

これからなんらかの事業を始めるという方は「事業計画書」の作成が必須です。
事業計画書は、融資や行政からの助成金の申請をするときに必要になるものと考えられがちですが、それだけではありません。
まずは、自分の考えている事業計画を明確にするためにこそ必要なのです。

これから事業を立ち上げようという方は、「こんな事業をやろう」「社会にこんな影響を与えよう」「これだけ稼ごう」と目標や計画を立てていることと思います。
しかし、事業計画はあらゆる面から事業をクリアにできていなければ意味がありません。
あやふやな事業計画では必ず失敗するでしょう。

しかし、最初から事業計画を緻密に立てようとしても空想で立てることしかできず、絵に描いた餅に終わります。
そこで、事業計画は事業計画書を作成する過程で、あやふやなものから具体的なもの、緻密なものへとブラッシュアップしていくのです。

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事業計画書に最低限書かなければならないポイント

さて、それでは実際に事業計画にはどのようなことを盛り込めばいいのか、つまり事業計画書にはどのような項目を作成すればいいのか、ということについて解説しましょう。
最低限記載すべきことは以下の6つです。

1.事業理念・事業内容

まずは事業を行ううえで何を理念として掲げるのか、理念やミッションを明確にします。
ただ、事業理念は事業計画の中でも、ある意味もっとも抽象的なものです。
そのため、事業理念を明確にすることにはこだわりすぎる必要はありません。
まずはざっくり決めておきましょう。

そして事業の概要を書きます。
事業内容はそれぞれの項目でより詳細を書くのですが、まず最初に大枠を書き記すことが大切です。
読み手にとっては頭の中に全体の流れが残りますし、人に見せる予定がなくても最初に流れを自分で把握しておくことで、それ以降の具体的な項目が考えやすくなります。

2.会社概要・組織形態

次に事業を行う会社の組織形態について具体化します。
独立するといっても、法人を作る場合と、まずは個人事業主となる場合とがありますが、どちらにしても組織形態をはっきりさせておくことは必要です。
また、なぜそのような組織形態にするのかという根拠も書きましょう。

3.商品・サービスの詳細、ビジネスモデル

ある意味もっとも重要といえる部分が、商品・サービスについての詳細、ビジネスモデルについてです。
事業をおこす以上なんらかの商品やサービスを売ることになります。
ライターならば自分の文章を、プログラマーならコードを、カメラマンならば写真を売るわけですが、それをどのように売るのか、どのような形態で売るのか、どのように利益を出していくのかモデルにします。
図などを用いても分かりやすいでしょう。

4.マーケットでの位置づけ、事業の独自性

ビジネスは、必ず何らかの独自性がなければなりません。
ウェブライターを例にしましょう。ウェブライターは参入障壁の低さから多くの人が目指します。副業としている人もいます。
多くの人がウェブライター市場にいるということは、それだけ供給があるということです。
ウェブ上でのライター募集の数には上限があるため、需要には限りがあります。
そのため、他のライターと同じ市場で、同じコンテンツで競争しても、仕事がコモディティ化してしまいます。
つまり競合に勝つことができず、仕事がない、あっても稼げないということになってしまいます。
そこで、自分のライターとしての事業に独自性を持たせることが必要になるわけです。

独自性とはどういうものでしょうか。
ライターの場合は特定の分野に特化した専門ライターになるというのが、ひとつの手段になります。
もしくは特殊な経験をネタにする、人脈を駆使して他の人に書けない記事を書く、などの方法もあります。
つまりは、他の人にはできない記事を書くというのが、ライターの独自性です。
競合に勝つために「他の人にできない仕事をする」というのが、すべての事業に必要なのです。

このマーケットでの位置づけ、事業の独自性を明示するのは、事業計画書の中でもコアの部分です。計画書を書いている段階で、どうも独自性が出せない、競合と差別化できなさそうだと思えてきたら、この段階でビジネスを再検討する必要があります。

5.事業計画・事業戦略

ここまで事業の中心となるビジネスモデルや事業の独自性を明らかにできたら、それをどのようなステップで実現し、いつまでに利益を生み出していくのか計画にします。
また、事業を実現するための戦略を策定します。
計画は後々必ず修正を迫られるようになりますが、最低限いつまでに黒字化するのか、いつまでにどれだけの利益を出すのか、目標レベルでも明らかにしておく必要があります。

6.資金・財務計画

自分の事業をブラッシュアップする目的で事業計画書を書いているという人にとって、資金計画・財務計画は地味な部分であまり時間をかけたくないかもしれませんが、ここも非常に重要な部分です。
事業をはじめて、いきなり黒字が出せるということはほぼありません。
最初はお金が出て行くばかり、という期間が数ヶ月は続くのが一般的です。
しかも事業立ち上げの最初の段階はもっともお金がかかります。

そこで、初期費用としてどれだけのお金がかかるのか、毎月の固定費はどれだけかかるか、赤字が続く状況にはどれだけ耐えられるのか、そもそも資金はどこから調達するのか(融資や助成金を頼るのか、自己資金か)など、綿密に詰めていく作業が必要不可欠です。
ここを適当に済ませてしまうと、実際に事業をはじめてから苦労することになります。
最悪の場合資金がショートして廃業、ということにもなりかねません。

事業計画書を書くうえでのポイント

以上が事業計画書に最低限書かなければならない項目です。
実際に銀行に融資を申し込んだり、政策金融公庫などの助成金を申請するという場合は、さらに綿密な事業計画を立てなければなりません。
しかし、今回は自分の事業をブラッシュアップすることを目的としていますので、詳細な事業計画書についてはまたの機会にしましょう。
最後に、事業計画書を書くうえで注意する3つのポイントを紹介します。

ポイント1 簡易版から詳細版へ

事業計画書は、まずはごく簡単に、A4用紙1枚分で作成してみます。
一度全体を書いてみると、もっと詰めるべきポイント、問題のある箇所などが分かってきますので、それを具体化して書き直し、また見直していく、という作業を繰り返します。
つまり、簡易版から詳細版へと何度も見直しながら書いていくのです。

ポイント2 人に見せる意識で書く

最初は、事業計画書は自分しか読まないかもしれません。
しかし、最初の段階から人に見せることを意識して書いていくのがポイントです。
誰かに見せる意識を持って書くと、緊張感が生まれるためクオリティが変わってきます。

ポイント3 他人に批判してもらう

人に見てもらう意識で書く、ということの発展版として実際に人に見てもらって批判してもらうのもおすすめです。
できれば経営者やすでにフリーで働いている人に見てもらうといいですが、それができなければ家族や同僚でも構いません。
どこがわかりにくいか、指摘してもらうと自分では気づかない問題点が分かるからです。

事業計画は、自分の頭の中で作っているだけでは限界があります。
なんとなく考えている段階は早く脱して、実際に事業計画書を作り、人に見せてみましょう。
そこから事業が実現へと進み出すかもしれません。

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