米国では現在、オフィスに通える距離に住む、有能なデベロッパーをフルタイムで雇い入れることが、スタートアップ企業の創設者が直面する最大の課題のひとつとなっています。世界のアップルやグーグルが提供するような高い給与や特典に張り合うことは困難です。給与の額に妥協するデベロッパーでさえ、他のスタートアップ企業との激しい競争で、そう簡単には雇えません。
米国のエンジニアリソースの不足は、十分認識されています。起業家は多くの場合、アプリケーションの設計から、ウェブサイトのデザインまで、全てをリモートのデベロッパーに頼っているのが現状です。こうなると、リモートチームを最大限に活用するにはどうすればいいのか、考える必要が出てきます。
この、あまり取り上げられない課題について、ボストンとウクライナに拠点を置くフルサービスのアプリケーション開発会社WebiNerdsの最高経営責任者、ユージーン・ヴィボロフ氏がアドバイスしています。
彼は、作業ポートフォリオの吟味、強制力のある契約、明確なコミュニケーションラインの確立、コストダウンなどの基本の準拠の上に、リモートワーカーから素晴らしい仕事を導き出したいと考える創設者には、あまり一般的でない戦術を取り入れるべきだと勧めています。
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社外のデベロッパーをリモートワークで効果的に採用するための5つの戦略
1. 給料の為に仕事をするデベロッパーは採用しない
リモートワークで働くデベロッパーは、自分が関わるプロジェクトに心理的に投資されていると感じる時、最高の仕事をします。デベロッパーに仕事への興味を持たせることは、創設者の責任です。デベロッパーの心の獲得は、雇用過程ですでに始まっています。仲介企業を通じてデベロッパーを雇う場合には、営業担当者との会話だけで雇ってはいけません。仕事をするデベロッパー本人と直接話すようにしてください。
デベロッパーと話す時には、あなたのプロジェクトを売り込みます。どんな製品なのか、あなたの会社が解決しようとしている課題を説明し、あなたの会社と働くにあたって一番興味があることは何か、プロジェクトを前進させるために考えられるアイデアを聞いてみてください。この会話で、デベロッパーのコミュニケーション能力を体験できるだけでなく、彼らの興奮度も感じることができます。彼らが給料のためだけに仕事をしているという感覚を得たら、雇うのはやめましょう。
2. 直接会って話す
ビデオチャットやコンフェレンスコールは、実際に人に会うことに代わるものではありません。スタートアップ企業が最初のプロジェクトをリモートチームとスピンアップする場合にはなおさらです。たとえ少し余分に航空券やホテル代に費やしても、少なくとも数日間対面して、協力し合うのは、信頼とコミュニケーションを築くのに大きく役立ちます。
旅行費やロジスティックスの関係で、リモートチーム全員と対面できないスタートアップは、初期段階で少なくともチームリーダーとは会っておきましょう。
3. 目的を明確にする
リモートチームと開発を始める時、完成した製品がどのように見えるかのパラメータを明らかにレイアウトしておきます。例えば創設者としてのあなたの目標が、最低限の製品を作ることなら、あなたの「完了」の定義は、アプリケーションの第二、第三バージョンに取り組んでいるより成熟したスタートアップのそれとは異なるでしょう。
プロジェクトの完了の定義づけは、リモートチームと一緒に行いましょう。完成品が何を含むべきかの基準リストを作ります。この理解を持つことで、プロジェクト終了時の矛盾を回避し、契約エンジニアには何に焦点を当て、何を優先すべきかを決定するのに役立ちます。
4. デベロッパーを買収する
彼らの仕事の所有権を得るために、デベロッパーを買収することは、プロジェクトの最終的な成功への鍵です。これはあなたが説得力をもって話したり、高い賃金を支払ったりする以上に効果があります。
仲介企業から、ソフトウェアエンジニアを買い取りましょう。この買収には、色々な形が考えられます。仲介企業と契約を結んで、エンジニアがあなたの会社に一定期間専念するようにすることもできますし、社外でデベロッパーがあなたのために働けるような契約を結ぶこともできるでしょう。
5. リモートチームに株式をオファーする
スタートアップ企業は、社内のエンジニアに与えることのできる、一定割合の株を有しているものです。あなたが定期的に外部のエンジニアと作業しており、彼らがあなたのスタートアップに大きく貢献している場合には、彼らにも株式を与える方法を検討すべきです。社内労働者と同様に、契約者にも株式を提供することは、彼らが最高の仕事を成し遂げるためのインセンティブになります。
あなたの企業が成功するために、外部チームは、内部チームと同様に最高の仕事をする必要があります。リモートデベロッパーの素晴らしい成果を得たいなら、彼らをチームの一員だと感じさせなければなりません。採用過程から、リモートチームにやる気を持たせるために、あなたは積極的に努力を続けなければなりません。
参考
http://www.entrepreneur.com/article/254482
Image Credit: Tirza van Dijk via unsplash
