ワーク・ライフ・バランスは時間の3分割でうまくいく

リモートワーカーや、法人を起業された方は、有給休暇などはありません。

基本的に自分が働かなければ収入は得られませんから、スタートアップ時は、8時間労働なんてのは夢のまた夢。
プライベートの時間を削ってでも働かなければならないことが珍しくありません。

実際のところ、リモートワーカーにしろ、法人設立者にしろ、スタートアップから数年は、大多数の人が、ワークライフバランスなんてことを言ってる場合ではないのが実情だと思います。

何しろ、自分のスキルを理解してもらって、次の発注を取らなければ生活すら維持できなくなります。
仕事が空いてる時は、営業(ネット上、リアルに限らず)ということになるのが通例でしょう。

とはいえ、これではご結婚されている方や、ステディな方がいる方は、パートナーや家族との摩擦が生じかねないと思います。
(そもそも、抑うつ状態に陥ったり、身体的な疾患を発症して仕事を続行できなくなる可能性が高くなるはずです。)

スタートアップ時は、生活が破たんしかねないという怖さから、休むことも怖さがつきまとうという方も少なくないでしょう。
とはいえ、人間が仕事に集中できる時間は限られています。
単純に仕事の時間を増やしたからといって効率があがることはありません。

スタートアップ時に、仕事もプライベートも充実させる方法として、私は3つの時間を意識することを勧めています。

リモートワーカーが意識すべき1日の間の3つの時間

「マズローの欲求5段階説」という有名な学説をご存じでしょうか? 一言でいうと、人間は、食事や睡眠、排せつといった生物的・生理的な欲求が満たされて、はじめて精神的な欲求や社会的な欲求を満たすことを考えられるようになるというものです。

リモートワーカや法人起業者でいえば、睡眠や食事がきちんとできていて、はじめて仕事に打ち込める。
仕事に集中できるから、生活の不安がなくなり、家族やステディと過ごしたり、個人として社会的な活動が充実する。
こういうと大げさに聞こえますが、たとえばライブを見に行ったり、スポーツをしに行ったりボランティア活動を行うなどが考えられるようになるといったところでしょうか。

本来、人間が仕事をするというのは、生活の糧を得たり、社会から認められたいという欲求を満たすためのものです。
当然ですが、それ以前の問題として生物として生存するための最低限の条件が満たされていなければ、経済活動も社会的に何かを満たそうとしても、なかなかうまくいかないということになります。

スタートアップ時は、仕事中心の生活を送らなければうまくいかないという話と矛盾しますが、生活の糧を得ようとして必死になって働けば働くほど、自分自身が疲弊し、家族やステディとの関係とも遠くなり、また社会からも孤立するということになってしまいかねないというわけですね。

こういった摩擦(自己矛盾といったほうがいいかもしれません)を解決して、仕事とプライベートを円滑にするために、1日の間に、マズローの承認欲求に基づいた3つの時間を意識するとよいでしょう。

1日のうちに、仕事以外の2つの時間 「個としての時間」「家族やステディといった濃い人間関係の時間」をねん出すること。

前置きがいささか長くなりましたが、仕事中心の生活を送っていても、食事や睡眠といった時間や、家族やステディな人との時間を無理に削らないこと。これが、スタートアップ時に仕事もプライベートもうまくいく方法です。
具体的には、こういったことに気をつけるとよいでしょう。

  • 仕事は忙しいけど、睡眠時間は最低何時間確保する。
  • 入浴や食事の時間はたとえ仕事の呼び出しがあっても、折り返しをお願いして中断しない。
    家族やステディと交流する時間が取れないなら、電話やメールの時間を設けてその間は仕事の割り込みがあっても折り返し連絡するようにする。
  • 大好きなバンドのライブや、共感できる社会的なイベントへの参加時間は前もってスケジューリングし、最低月に一回は時間を取ると決めたら、仕事をやりくりして絶対に予定をつぶさない。

他に上げればきりがありませんのでこのくらいにしますが、自分が生活するうえでもっとも大事なことを洗い出し、こういったルールを設けるのです。そして一日のうち、どんなに短時間でもいいから必ず「自分だけで仕事から解放されて過ごす時間」「友人や家族、ステディと交流する時間」を確保するよう意識すること。

今は、ネットで仕事のやり取りをする時代です。
リモートワーカーや法人設立者は、食事中であっても、トイレに入っていても仕事の連絡が入ってくる状態になりかねませんよね。
わずかな時間であっても、仕事から離れている時は、折り返し連絡する旨を伝えて、本来の目的のために時間を使うようにしましょう。

スタートアップ時は、クライアントを失うのではないかと考えて、「折り返し連絡する」ということを言えない方も多いようです。
しかしながら、大多数の場合は、電話で話を聞かなければならなかったり、LINEですぐに返事を出さなければならない緊急案件というのは、ごくわずかのはずです。

そもそも、あなたは誰からも雇われていないはずです。クライアントと対立する必要はありませんが、対価を支払わずにリモートワーカーや法人設立者の時間を際限なく使えると考えるクライアントとは、良好なビジネスの取引は難しいです。

「ちょっといい?」というクライアントには毅然とした対応をすること
このことは、スタートアップ時のリモートワーカーや法人起業者は陥りやすいですのでもう少し掘り下げてお話させていただきますね。
クライアントからの問い合わせをいただくのは、とても有り難いことですが、果たして無償で対応すべき話なのかよく検討する必要があります。
たとえば、クライアントからの問い合わせが、あなたのミスに起因するものなら、何を差し置いても対応する必要があります。
ですが、本来、料金が発生するする問い合わせについては、無条件にお答えする必要はありません。
もちろん失礼な対応をしてはいけません。
ですが、技術や知識を提供する問い合わせについては、きちんと料金の支払いを求める交渉を行うことも重要です。

そのこともふまえて、1日の間で自分の時間を確保することを意識されるとよいでしょう。

傲慢なようにみえますが、結果としてクライアントとも良好な関係を築けますし、リモートワーカーや法人設立者が望んでいたライフスタイルに沿った生活を築きやすくなるはずです。

SPONCER
Related Article