オフィス勤務と違って、リモートワークは、人と接触する機会が減ります。
当たり前の話ですが、その分、仕事の中では文章を書く機会が増えますよね。
オフィス勤務だったら、クライアントに電話を一本入れて
「次回の案件についてはぜひご発注をご検討ください」
と口頭で伝えるだけで済むことも、リモートワークなら、わざわざメールやSNSのメッセージにして送らなければなりません。
もちろん、スカイプなどの通話手段もあります。
ですが、時間と場所を気にせず働けることを、最大の魅力と感じてリモートワーカーになった方も多いはずです。
そのことを考えると、クライアントや仕事のパートナーの活動時間帯を気にせず連絡を取れるメールやSNSのメッセージ機能が、主な連絡手段になっているのではないでしょうか。
メールやSNSのメッセージ機能が主な連絡手段となると、クライアントへの営業もメールで行うケースが増えるはずです。
ここで問題になるのは、リモートワーカー側からメールで営業をした場合、工夫しないと開封すらしてもらえない可能性が高くなるということです。
Contents
クライアントにとって、連絡をとっているリモートワーカーはあなただけではない。
正式に受注を受けた後、案件が進行している時は、クライアントは必ずメールを開封してくれるでしょう。
ですが、案件から離れている時、クライアントは、複数のリモートワーカーから頻繁に連絡を受けている可能性があります。
一斉に10通、20通のメールが来た時、果たしてあなたのメールを開封してくれるでしょうか?
よしんば、メールやメッセージを開封してくれた時、他の仕事の時間を削ってあなたのメールを読んでくれるでしょうか?
ネットワークの向こうにいるのは人間です。
しかも、ビジネスである以上、発注の権限はクライアントにあります。
他に要件を満たすリモートワーカーがいれば、どんなに人間ができた方でも、わざわざ苦労してあなたに発注することはしないはずです。
このことを考えると、メールやSNSのメッセージ機能を使って、クライアントに営業をかけたり、企画提案を行う時は、まず読んでもらうことを最優先に考えるべきです。
とはいえ、ちょっとした工夫で、各段にメールやメッセージを読んでもらうことができます。
次にその方法をご紹介します。
件名に20文字以内で用件をまとめる
拍子抜けするかもしれませんが、実はもっとも効果が高い方法です。
メーラーや、SNSのメッセージ機能を利用する画面を思い出してみてください。
複数の人から一斉にメールが届いた場合、まず何が画面に表示されているでしょうか。
そう、件名(Subject)です。
前項でも書いたように、クライアントは10通、20通のメールを受け取っている可能性があります。
その際に、件名が一覧になって画面に表示されるわけですから、件名を見るだけで用件がわかるような書き方をすれば、開封してもらえる可能性が高くなります。
ただし、用件の詳細については、冗長にならないように、できるだけ詳しく書くべきです。
たとえば、「企画提案です」という件名は用件が伝わりますが、「企画提案 ●●プロジェクトの記事内容です」と書くとどうでしょうか。
クライアントは、件名を見るだけで用件の詳細がわかりますから、興味があればほぼ確実に開封してくれます。
とはいえ、詳細に件名を書くと、どうしても文字数が増えてしまううえに、かえって用件が伝わりづらくなってしまいます。
どれくらいの文字数までなら、開封してもらえる可能性が高くなるのか。
実は、私自身で実験したことがあるのですが、おおむね20文字程度なら開封してもらえる可能性が高いようです。
実践される場合は、参考にしてみてください。
クライアントに送ったメールを探す時にも役立つ
件名に用件の要約を書く方法ですが、他にもメリットがあります。
案件によっては進行状態を確認するために、クライアントに送ったメールを確認することがあると思います。
そういった事態が発生した時に、この方法を使ってメールを出していれば、いちいちメールを全部開封しなくても、件名を見るだけでクライアントにどういったことを提案したのか一目でわかります。
キャリアが長い方なら、数年前の案件で、クライアントに送ったメールを探さなければいけない事態に一度は遭遇したことがあるかと思います。
そういった時でもすぐに、クライアントとどういったやり取りをしたかをすぐに調べることができます。
案件の管理を行ううえでも便利ですから、ぜひ検討してみてください。
本文は最初の2行で伝えたいことの要約を書く
当然のことですが、件名の少ない文字だけで、クライアントに伝えたいことをすべて書けるわけがありません。
メールやメッセージの本文に、用件の詳細を書くわけですが、これもだらだらと冗長に書くと読むのが苦痛になってしまいます。
そこで、おすすめしたいのが、本文の冒頭に2~3行で用件の詳細を書くようにする方法です。
その中で書ききれないことをその後の本文の中で詳しく書くようにすると、関心を持っていただける内容であれば、まず間違いなく読み進めてもらえます。
もう一度復習しましょう。
件名で「どのような用件なのか」を伝えて興味を持たせて開封させて本文の冒頭の2~3行で要約を伝えて、本文を最後まで読み進めてもらうという方法でメールやメッセージを出すわけです。
まったく同じ内容ですが、どちらが読み進めやすいでしょうか?
A件名:お世話になってます。企画のご提案です
本文:
3月のプロジェクトでは、発注をいただきありがとうございました。記事の執筆の案件を探していたのですが、御社では新たなプロジェクトを進められるとうかがいました。
御社ホームページで掲載されている●●プロジェクトですが、拝見したところ私の専門分野ですので、お役立ていただけると思います。企画の例を記載させていだきますので、検討いただけないでしょうか。 B
件名:企画提案 ●●プロジェクトの記事内容です
本文:
●●プロジェクトですが、私の専門分野ですので、詳細な記事が今までの原稿料でご用意できます。必要でしたら、このメールの企画提案だけでなくサンプル記事のご用意もできます。ぜひ以下の企画をご覧ください。
御社ホームページにプロジェクトの概要が記載されていますが、この分野は私の専門分野です。具体的には以下の企画がご提案できます。もちろん、ご意向次第では他の切り口で記事をご提案できますので、ぜひ一度プレゼンの企画をいただけないでしょうか。以下に企画の例を記載します。
企画1
企画2
いかがでしょうか。大多数の方はBの書き方で書かれたメールの方を読み進めようと思うのではないでしょうか。
時候の挨拶程度の連絡なら、ここまで理路整然とした書き方はしなくてもいいかもしれません。
ですが、企画の提案をはじめとした、ビジネスに深く影響を及ぼすメッセージは、いかに開封してもらって読み進めてもらうかを考えて、整理して書くことが重要だと思います。
もちろん、この方法以外にも様々な方法があると思います。
クライアント側の視点に立って、読み進めやすさを意識してメッセージを書いてみてくださいね。