前回の記事「美しい立ち姿勢のチェックポイント」で、姿勢にはいくつかのパターンがあり、ニュートラルな姿勢に近づけていく事が大事だとお話させて頂きました。
まず、理想とする図2のニュートラルタイプは、
床からの垂線上、耳穴・肩・骨盤の中心・膝の中央・足首外くるぶしの前に一直線になって背骨はS字のカーブを描いています。
自宅の仕事部屋の椅子で、悪い姿勢で、長時間作業をするのは、体に大きな負担がかかります。椅子に浅く座り、もたれかかる姿勢の方は、図3のスウェイバック姿勢になりやすく、股関節周囲、特に大殿筋(おしりのあたりの筋肉)などの筋力が低下し、お腹を突き出している姿勢となります。
姿勢改善のためには、固まってしまった筋肉を緩める事と姿勢を維持するための強化が必要となるので、今回は自宅でも簡単にできるエクササイズをご紹介させて頂きます。
Contents
注意
腰椎椎間板ヘルニアや、分離症など器質的変化が生じている場合、ご自身の姿勢のタイプが違う場合、悪化する恐れもありますので、現在腰部に痛みのある方は整形外科の受診後行われた方がより安全に行うようお願い致します。
ストレッチが必要な筋肉
胸筋(大胸筋・小胸筋)
胸の落ち込みを改善します。
壁に腕を当てた状態で胸を開きます。
臀部ももうら筋(大殿筋・ハムストリングス)
骨盤の前方移動を改善します。
三角座りの状態から片足を膝の上に乗せることでお尻のストレッチをします。
片膝を立てた状態からお尻を後ろに引くことで、もも裏の筋肉を伸ばします。
注意
ストレッチはリラックスしながら行ってください。
息を止めたり、力むとストレッチではなく、負荷のかかるトレーニングになってしまいます。1ポーズにつき、約20秒ほどキープしてください。
回数頻度に制限はありません。リラックスできる環境で行うようにしてください。
トレーニングが必要な筋肉
股関節の屈筋(腸腰筋)
ニュートラルポジションを意識して椅子に腰掛け片足を上げます。
この時に体が傾いてしまったり捻れないようにしてください。
30秒キープ ✕ 3セットからスタート
太ももの前筋(大腿4頭筋)
ニュートラルポジションを意識して椅子に腰掛け膝を伸ばします。
足関節は体側に向かって曲げ(背屈)膝を伸ばし太もも前の筋肉を刺激します。
30秒キープ ✕ 3セット
肩甲骨を寄せる筋(菱形筋)
椅子に腰掛け胸と太ももをくっ付け両腕を真横に上げることで、肩甲骨を内側に引き寄せます。勢いで上げてしまうと体が浮いてしまうので、ももと胸は離さないようにしましょう。
10回 ✕ 3セット
背筋(脊柱起立筋)
皆さんがよく知っているポーズですが、今回は胸椎部を意識しているため、足が浮いていません。反りすぎて腰が痛くなる場合は4つんばいで手足を上げる方法もあります。
10回 ✕ 3セット
あごを引く筋(頸部深部屈筋群)
いわゆるチンイン動作です。顎を地面に向かって押し付けます。
5秒 ✕ 10回 ✕ 3セット
トレーニングは正しい動作でないと目的の筋肉に働きかける事ができません。
写真の通りに行えているようでも出来ていない事もあります。
各筋群にしっかりと意識して正しい姿勢で行うようにしてください。