2016年のワークトレンド リモートファースト

2015年も終盤に近づいてきましたが、2016年のワークトレンドには、どのようなものが予想されるでしょうか。
これまでビジネストレンドは、世界の大企業によって決められてきました。
しかし、現在ではベンチャーがトレンドを作り出す時代です。
ここでは、2016年に発展することが予想されるワークトレンドの一部をご紹介しましょう。

1.リモートファースト・ビジネス

この数年で多くの企業がリモートフレンドリーになってきましたが、2016年には、最初からモバイル志向で設立された企業へと、パラダイムがシフトしていきます。
リモートファーストの構造は、通信技術の進歩によって、多くの利便性を提供しています。
最近の調査では、実店舗で取引を行う企業では、必要な才能を見つけて採用するまでに平均43日かかるのに対して、ヴァーチャル企業では3日間で済むと言われています。
「ベストの才能を3日で採用出来ることを知っている企業は、リモートファーストのワークスタイルを築いています」とリモートワークの雇用管理を行う世界的人材市場Upwork社の副社長、リッチ・ピアソン氏は語っています。
「コミュニケーションツールは、これを有効にする基盤です。私たちは、現代企業が形成されていく方向にインスピレーションを感じています。」
「今ではバーチャル企業を創るのは非常に簡単です」と、2002年に調査分析のバーチャル企業Bersin社を設立し、3年前にDeloitteに売却した、ジョーシュ・バーシン氏は語ります。
「多くの組織は今では、もはや会社のようではなく、チームのネットワークのようなものになっています。」

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2.独立コンサルタントの台頭

従来のITコンサルティング企業が成長の衰えを経験している一方、大きなITプロジェクトのために、Upwork上で独立したコンサルタントを雇うビジネスが、昨年は22%成長しています。
ピアソン氏によると、専門性の高いコンサルタントは、以前は大規模なコンサルティング会社を通してだけ雇うことができましたが、今ではフリーランス市場で見つけることが可能になってきているそうです。
「オンデマンドで働く準備のできている人材プールがあります。フォーチュン500(全米上位500社)も実際に、私たちと働いていますよ。」
ピアソン氏によれば、合併や買収などの主要プロジェクトでは、大規模なコンサルティング会社がまだまだ活躍していますが、独立コンサルタントの市場は確実に急成長しているそうです。

3.PowerPointの減少、ビデオの増加

PowerPointは、これまで標準的なプレゼンテーションツールの役割を果たしてきました。
しかし、2015年にUpworkでのPowerPointスキルの需要は5%減り、代わりにダイナミックなプレゼンテーションツールのPreziの需要が23% 、Keynoteの需要が18%上がっています。
Adobe After Effectsとモーショングラフィックスのスキルの需要は115%も上がっています。
これからも分かるように、静的なプレゼンテーションは、モーショングラフィックスに取って代わりつつあります。
そしてビデオは、画像やインフォグラフィックよりも好まれています。
その理由はビデオの使用コストが劇的に下落したことだと、ピアソン氏は述べています。

4.ワーク・ライフ・バランスの再訪

最近ではワーク・ライフ・バランスが重視され、社員が自分の時間を管理することが出来るように、企業側も在宅勤務の許可など、より柔軟性を示しています。
その一方、リモートワーカーにはいつでも応答することが求められ、それが労働者への圧力になっているケースもあります。
「テクノロジーは、仕事と生活の間の壁を取り除きました。私たちはより多くの情報、ニュース、メール、日々のコンフェランスコールへの呼び出しを受けて、対処できなくなってきています。雇用主は、最もやる気のある人々と、一所懸命仕事はしたいが、家庭生活も守りたい人々の両方に魅力的な方法を模索中です」
とバーシン氏は語ります。

5.新しいリーダーシップへの期待

これまで企業の指導者は、経験と会社への忠誠心に基づいて選択されてきました。
しかし、今日企業のリーダーたちは、必ずしも企業の梯子を上るのに多くの時間を費やしてきた人たちではなくなってきています。
それは、この数年間で経営の本質が大幅に変わってきたからです。
大企業も含めてほとんどの企業で、上下の階級制度は以前よりもずっと減っており、リーダーには、より多くのインスピレーションをもち、より協調的であることが求められています。
パフォーマンス査定のような伝統的アプローチでは、「評価を捨てる」革命が起きており、その代りに「フィードバック」が取り入れられています。
そうして「誰が正しい指導者なのか」が問われています。

6.消費者向けのデザインが、職場でも必須になる

製品を売るために、消費者向けインターネットでは魅力的なデザインが焦点となっています。
これからは仕事用にもうまく設計されたツール、デバイス、アプリケーションの普及が望まれます。今後の数年間で、人事やITなど、これまで考慮されなかったエリアも、新しい設計の焦点になるでしょう。

まとめ

これらのワークトレンドは、すでに存在しており、それらが成長して2016年の主流になるだろうと予想されるものです。
現在フリーランス市場での動向は、しばしば伝統的なビジネスの成長ニーズの早期指標としても機能しています。
フリーランサーやリモートワーカーは、この先必要とされる最新スキルを常に身に着けておくことが必要だと言えるでしょう。

参考
http://www.fastcompany.com/3052836/the-future-of-work/6-ways-work-will-change-in-2016

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