9時〜5時勤務を止めてリモートワークを始めて学んだこと

ジェイコブ・ローカイティスさんが最初の事業を立ち上げたのは、なんと15歳の時。インターネット書店と本の出版社の2社を設立したそうです。それは彼にとって、マーケティング、人事、経営管理について多くを学べる経験でした。その後オンライン業界に入り、ビジネス開発とオンラインマーケティングへの関心を深めます。現在は旅を続けながら、ChameleonJohn.comの共同創設者として新規ユーザー獲得戦略を担当しつつ、リモートワーカー向けのニュースレターも運営しています。デジタルノマドとして、これまで訪れた国は30カ国以上です。
ChameleonJohn社はオンラインのクーポン会社で、これまで米国でのオンライン購入で数万人を援助してきました。同社の奨学金プログラムでは、1万ドル以上を学生に与え、数百の非営利団体にもお金を寄付しています。

リモートワーカーになった理由

ローカイティスさんは、自身がリモートワーカーになったいきさつを「僕が9時〜5時勤務を止めて学んだこと」という記事で明かしています。その内容は以下の通りです。
旧ソ連に生まれ育った彼の祖父母にとって、人生の成功とは「ひとつの仕事を見つけて、それをずっと続けること」だったそうです。朝9時に出社して、午後5時にはオフィスを出る生活。ローカイティスさんはそれを「50年前の企業は、全従業員が一つの屋根の下で働くことを必要としていた、大規模生産を実現するために。しかし、今では、従業員が結果さえ出していれば、物理的な場所や就労時間は関係ないことを、企業も少しずつ理解し始めている」と分析します。その結果生まれたのが、彼のようなデジタルノマドのリモートワークです。「こうした人たちが、世界には何千人もいる。僕は、これ以外の生き方を考えられない。」

人それぞれに働き方がある

「オフィスで過ごす時間の長さと、生産性は必ずしも比例しない。ひとつのタスクを4時間で済ませる人もいるし、それに8時間かかる人もいる。朝仕事がはかどる人もいれば、夜の方が集中できる人もいる。オフィスで仕事をすることを好む人もいれば、そうでない人もいる」と主張する彼のChameleonJohn社では、従業員になるべくオフィス外で時間を過ごすよう推奨しているそうです。人は住みたいところに住んで、やりたいことに取り組んでいる時が一番幸せで、幸せな人ほどいい仕事をするというのです。それは結果として、売上げや利益にも表れます。

彼は、何百人というリモートワーカーを採用した企業として、MySQLの例を挙げています。同社はピーク時には、36カ国に500人のフルタイム従業員を抱えつつ、ひとつもオフィスを持っていませんでした。「オフィスで忙しそうに振る舞うことは簡単だが、リモートワークでは常に成果を問われる。もしベイエリアでしか従業員を雇わなかったら、世界中の優秀な人材に出会うことはできない。今は世界中どこにいる人でも採用することができる。オフィスをもたないことは、家賃が浮くという莫大なコスト削減にもなる」とは、MySQLのCEOを勤めたマルティン・ミコス氏の発言です。

僕らの社会は、所持することへの執念がすさまじい。

バックパックひとつでノマド暮らしをするローカイティスさんは主張します、「僕らの社会は、『所持すること』への執念がすさまじい。『人は、他人に自慢するために、持ってもいないお金で必要でもないものを買う』というデイブ・ラムゼイの確言は正しい。ノマディズムが普及するにつれて、物を所持することへの姿勢にも変化が見られるようになってきた。Airbnb、Vinted、RelayRidesなどが人気を博している。ユーザーに提供する利便性から、地球の二酸化炭素の排出量削減まで、それらのメリットは数えきれない。」

リモートワークが与えたもの

旅が終わる度に、彼は、考える時間をもちます。日本では、自分より他人を思い計ること、周囲の人の幸福を深く気遣うことを学び、ミャンマーでは、幸せの尺度は所持金の額では測れないこと、ベトナムでは、家族の大切さを学んだそうです。それらが彼のプロとしての考え方の基盤にもなりつつあるそうです。西洋の外に目を向けて、まだ満たされない社会への製品を作りたいと思うようになりました。

例として挙げられたのは、地球で4番目に大きな国であるインドネシアの2.5億人の人口が、17,000の島々に分散され、新製品が国に入って来た際の物流に課題があること、ミャンマーには6,500万人という大きな未開市場があること。軍事政権下から数世紀を経たインドネシアは、改革を受け入れる準備ができていることなどです。

リモートワーカーからのメッセージ

人生の決断に差しかかった時、ローカイティスさんは、スティーブ・ジョブスの「何か失うものがあると恐れることを防ぐ最善の方法は、いつか死ぬということを忘れないことだ。心の赴くままに進まない理由はない」という言葉に立ち返るそうです。こうしてデジタルノマドになった彼は、勧めています、「もし世界を旅したいと思ったなら、今がその時だ。キャリアを犠牲にする必要はない。世の中には、あなたを応援してくれる仲間が何千人もいる。生活をしていく方法は何通りもあるのだから」と。

参考
https://medium.com/backchannel/what-i-learned-when-i-gave-up-the-9-to-5-873a48d78a59
http://www.jacoblaukaitis.com/
http://www.chameleonjohn.com/

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