米国のコワーキングオフィスレンタル企業Level Office社の創設者ビル・ベネット氏は、コワーキングオフィスを「商業オフィスの炭鉱の中の、カナリアのようなもの」と形容しています。
「ビジネスは、これまで以上にコラボレーションとグローバルな考え方を尊び、同僚や他の企業との分離の壁をなくしています。シェアオフィススペースが生まれる以前は、起業家やスタートアップは、自分の家で作業したり、仕事をするためにコーヒーショップに向かっていました。オフィスを借りるコストの高さや長期間のリースのために、小規模企業にとってオフィススペースを借りることは問題外でした。しかし自宅からの作業では、起業家は、成長や様々な機会につながる人間関係を与えるビジネス界から、自身を隔離してしまいます。事業の革新を求める人たちは、企業オフィスの小さなキュービックや、高価格でパッとしないサービスオフィス以上のものを求めていました。」
Level Office社では、高速インターネットと、ビジネス業務に必要なすべてのオフィス必需品をテナントへ提供しています。
「新しいテクノロジーの採用について興味深いところは、混乱がすべての企業に適用されることです。まじめな慣行、保護主義の実践、ぶ厚いマージンを持つ企業には、特に大きな混乱のリスクがあります。」
ベネット氏の考える「コワーキングが、伝統的なオフィススペースのビジネスモデルを覆す」理由は以下のとおりです。
2015.10.18
フリーランサーがシェアオフィス・コワーキングオフィスで働くべき6つの理由
Contents
5年後にすべてのオフィスがコワーキングオフィスになる4つの理由
1.テクノロジーとシェアエコノミーが大地をならす
コワーキングスペースは、光回線、会議室、高機能プリンター、大企業のきれいで快適な空間のような「高級品」を、中小企業にも手の届くものにします。
コワーキングスペースは、小規模ビジネスと大企業との間のギャップを無くしているのです。
テクノロジーブームを利用して、コワーキングスペースは、従来のオフィススペースよりも柔軟、効率的で、生産性の上がるスペースを提供することで、スタートアップコミュニティや起業家たちの間にニッチな市場を築きました。
シェアスペース産業の成長は、文化のシフトを現わしています。
それは業務を実行するのに必要なリソースを与えるだけでなく、ダイナミックな個人や企業とのコラボレーションの機会をも与えます。
2015.4.26
世界で広がるシェアエコノミー
2.コラボレーションが鍵
コワーキングスペースは、単に起業家に利益をもたらすだけではありません。
シェアスペースに参加するすべての人のために多くの利点があります。
コワーキングスペースは、個人やプロの開発の機会を提供します。
ホワイトカラー労働者にとっても、インスピレーションの渇きを満たしてくれる場所です。
大企業は、より生産的な作業環境を作る方法をコワーキングスペースから学ぶことができます。
個人がコワーキングの環境から働く時、より成長するという研究結果もあります。
なぜなら彼らは企業に属しながらも、行っている業務に自分がよりコントロール力を持つと感じるからです。
また、コワーキングスペースでは複数の企業人が働いているので、伝統的な社内の政治的対立がないことも、大きな利点です。
2015.9.29
世界のコワーキングスペース検索サイト
3.より柔軟でより効率的、より生産的なスペースへの需要
現在ほど、都市化と、優秀な人材獲得競争への傾向が強かったことはありません。
全ての快適な設備が整ったオフィススペースは、雇用も促進しながら、貴重なスタッフも保持します。
従来のオフィスの貸し出しは、大きなスペースブロックを長期間のリースで貸しだし、テナントが自分の機材を整えなければなりませんでした。
ビジネスの発展とともに、企業はこれまでのようにスペースを構えるまでに半年も待つことができなくなっています。
「コワーキングは、企業の必要に応じて、リアルタイムでスペースサイズを変更できると同時に、才能を魅了することもできます」とMy Local Beaconの最高経営責任者グレン・ロンバルディ氏は語ります。
多くのスタートアップ企業にとっては、ビジネスの成長に合わせてスペースを広げられることは、大きな支出のセーブになります。
ビジネスサイクルは高速化しており、現在は短期リースの時代です。
ほとんどの企業は5〜10年先にどのくらいのオフィススペースが必要かわからないのですから。
UPSやFedEXがサプライチェーンからのリードタイムを剃ったように、今日のコワーキングスペースは事前に構築されて、顧客のリードタイムを短縮しています。
2015.9.01
毎月増え続けるNY発の超人気コワーキングオフィス WEWORK
4.従来のオフィスを破壊する、クラウド技術
伝統的なオフィスでは、従業員がコミュニケーションして問題解決するために、一緒に集まることのできる会議室をもっていました。
クラウド技術の向上とデジタルサービスは、それを本質的に変えています。
世界中で3〜5のコワーキング機能を使用しているGoodFolk社の最高経営責任者マット・ニューロス氏は「クラウドサービスとコワーキングの組み合わせが、最適な人材をロケーションにかかわらず採用しつつ、設計開発することを可能にしている」と考えます。
労働者は、インターネットとクラウドシステムを使用して、オフィス従業員同様に、会議の場に存在することができるのです。
伝統的なオフィススペースの必要性が低下し、改革者たちのためにはクリエイティブハブとしても機能する、リモートワークプレースが上昇しています。
リモートワークで働く労働者のために、コワーキングオフィスは、生産性と楽しみを与える、手頃な価格のソリューションです。
2015.8.15
ユニークなコワーキングスペース10選
Image credit: Benjamin Child via unsplash