企業がリモートワークを導入しない理由はもうない

米国では、有能な人材を雇用したい場合、ニューヨークやサンフランシスコにオフィスを構えて、採用する必要があると言われていますが、Student Loan Hero社の創設者で、Wafflehaus Media社の共同創設者でもあるアンドリュー・ジョスウェイト氏は、これに対し、「世界には膨大な未開発の才能がある。それを発掘すればいいのさ」と反対意見を述べています。
場所に依存しないビジネスモデルに魅了された彼が創り出した会社では、4人のフルタイム従業員と10人のパートタイム労働者が、チリ、バーモント州、マンハッタン、ブルックリン、シカゴ、ポートランドなどに住んでいます。

リモートワークの利点

専門性

リモートワークを採用することで、世界中に散らばった専門家を、ニューヨークやサンフランシスコでの採用コストよりもはるかに安くで雇うことができます。
また、パートタイムの仕事を探している夜間労働者を見つけることもできます。
その結果、企業は専門性の高い人材を採用することができます。

柔軟性

ジョスウェイト氏のチームのほとんどは副業パートタイムであるため、メンバーは収入において、彼の会社に依存していません。
従って彼の会社は、忙しい時には追加労働を頼み、仕事のない時にはワークロードを減少させることができています。

低コストな構造

ジョスウェイト氏の会社は限られたリソースで自給するスタートアップ企業です。
ここまで生き残れたのは、リモートワーカーを雇うことで、オフィスの賃貸料、税金、保険料や一般的な間接費を下げることができたからだと彼は分析しています。

従業員の満足度

チームのメンバーは旅行も可能で、休暇も自由に取れ、いつでもどこからでも、やる気が起きて生産性の上がる所から働くことができます。

一般的な課題への解決策

リモートワークが企業の未来だと信じている彼も、それに伴う独特な課題は否定していません。
しかし、それへの挑戦と失敗を繰り返すことで、これまでにいくつかの課題への解決法を導き出してきました。

優秀な人材を採用し、権限を与える

リモートワークのチームを構築するということは、管理業務を、ある程度まで放棄するということです。
多くの経営者やマネージャーは、オフィスに立ち寄って、従業員のやる気を起こさせるのが自分の仕事だと思っています。
しかし、チームが世界全体に散らばっていたら、明らかにそれは不可能です。

管理業務を放棄するための最善の方法は、適切な人材を雇うことです。
自主的に働く、優秀な人材を雇うこと。
それには時間がかかりますが、それだけの価値があります。
一度そういう人材を雇ったら、彼らに権限を与え、最高の仕事をするように動機づけるのです。

マネージャーとしての管理をしたくなる衝動を抑えなくてはいけません。
彼らの果たすべき責任に必要な情報だけを与えて、混乱が起こらないように明確に定義されたシステムを提供します。

例えば、ジョスウェイト氏の会社のコンテンツ公開プロセスでは、ライター、デザイナー、コンテンツマネジャーそれぞれに、手順と責任が明確に定義されています。
このシステムで、彼らは障害なく、より速くより良いコンテンツを公開することができます。

コミュニケーションを育む

ジョスウェイト氏のリモートワークのチームが直面している大きな課題のひとつは、メンバー全員に会社の目指しているハイレベルな目標、使命や企業ビジョンを理解させることだそうです。
自宅でリモートワークをしている場合、サポートなしでは、目標を見失うことは実に簡単です。
CEOとしての彼の役割は、会社がそれに向かって作業している「共通の目的」と、それが「なぜ重要か」を従業員に思い出させることです。

進捗管理

進捗管理も、リモートワークにとっては問題となることがあります。
上述したとおり、管理者不在の場所でやる気を維持するのは難しいことです。
従業員に常に進行状況を更新させ、報告させるのは骨の折れることです。
「プロジェクト管理システム」を採用することは、リモートワークには不可欠です。

良いツールを使用する

良いツールも、リモートワークには欠かせません。

  • Slack -クイックメッセージの送信と会社全体のコミュニケーションをひとつにまとめる
  • Basecamp -プロジェクトのトラックとタスクの割り当て
  • Gmail-メールの様々な便利な機能
  • Google Stack-ドキュメント、カレンダーとハングアウト機能
  • Skype-ビデオコール
  • Working On-各メンバーの作業をリアルタイムで共有する。
  • 15Five-週ごとのチームメンバーの進捗上の通信だけでなく、士気を高めたり、課題などのブースト
  • 毎週の会議-チームメンバーが一緒に話す機会を持つこと。

リモートワーカーの雇用や、リモートワークのチームの管理には困難もありますが、彼には現在、他の方法を実行することは想像できません。
「地理的な距離を克服する技術の革新やツールの登場で、企業がリモートワークを導入しない理由はもうない。」とジョスウェイト氏は語っています。

参考
http://www.entrepreneur.com/article/252955

Image credit: Abigail Keenan via unsplash

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