ゴールの共有こそがリモートワークのチームマネジメントには必要である

Google元CEOのエリック・シュミットはかつて次のように言いました。

集団は個人より賢い

私たちがチームという集団を作り、事業を進めていくのはそのことをよく理解しているからでしょう。

リモートワークを行う際の悩み

リモートワークを行っていくときの悩みの種は、どのようにチームの連携をとり、マネジメントしていくかという点です。

スキルのあるメンバーが集まり、満足に案件があるにも関わらず、リモートワークのチームマネジメントに失敗してしまうことがあります。

これは、メンバー同士が物理的に離れているからこそ起こりやすい問題だと言えます。

これは、リモートワークを行う場合、まず一番初めに考えるべき問題でしょう。

そこで今回の記事では、このような問題に対し、コーチングはどのような答えを出すのかについて書いてみたいと思います。

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リモートワークは環境を整備することからはじまる

リモートワークのチームの連携をとるためにまず行うのは、環境を整備することです。

例えば、お互いの仕事のリズムを尊重しながら連絡をとれるようにしたり、データを迅速に共有できるシステムを作ったりします。

そのために、SkypeやDropbox、Slackなどのツールを活用します。

こういったツールを使い、工夫を徹底することで、リモートワークの弱点である対面しないことによる連携の取りにくさを、ある程度まで克服することができます。

しかし、環境の整備だけではなく、そのチームが何のために集まっているのかという「ゴール」に目を向けることも重要です。

成功する企業には強い理念がある

企業の「ゴール」である、企業理念の重要性について書かれたのが、ジム・コリンズ著『ビジョナリーカンパニー』です。

ジム・コリンズは、設立後50年を超え、業界で広く尊敬を集めているような企業を「ビジョナリーカンパニー」と呼びました。

彼は、そういった企業にはある共通点があると自著の中で語っています。

”ビジョナリーカンパニーは利益を追求している。そして、もっと広い視野に立ち、もっと意義のある理想を追求している。利益を最大限にすることを目指してはいないが、それぞれの目標を利益をあげながら追求している。両方とも行っているのだ”『ビジョナリーカンパニー』(P91)

企業として利益を追求することは当然のことですが、ビジョナリーカンパニーと呼ばれる企業には、利益以外の理想を追求しているという共通点があるということです。

その理想のことを「理念」と呼びます。

ビジョナリーカンパニーの企業理念

同書に掲載された、ビジョナリーカンパニーの例としてあげられている企業の理念をいくつか紹介しましょう。

ウォルトディズニー

  • 皮肉な考え方は許されない。
  • 一貫性と細部にあくまでもこだわる
  • 創造力、夢、想像力を生かして絶えず進歩する
  • ディズニーの「魔法」のイメージを徹底的に管理し、守る。
  • 「何百万という人々を幸せにし」、「健全なアメリカの価値観」を讃え、はぐくみ、広める。

IBM

  • 従業員に十分配慮する。
  • 顧客を満足させるためには時を惜しまない。
  • 最善を尽くす

アメリカン・エキスプレス

  • 英雄的な顧客サービスを提供する
  • 信頼性の高いサービスを世界規模で提供する
  • 自主性の発揮を推奨する

ボーイング

  • 航空技術の最先端に位置する。パイオニアになる。
  • 大きな課題や冒険に挑む。
  • 安全で質の高い製品を提供する
  • 誠実に倫理にかなった事業を行う
  • 「航空学の世界に寝食を忘れて没頭する」

『ビジョナリーカンパニー』(P112~P114)

こういった理念を社員全員で共有し、徹底的に追求しているからこそ企業は「ビジョナリーカンパニー」へと成長していくとジム・コリンズは主張しています。

リモートワークにこそ「ゴール」の共有が重要である

さて、コーチングでは、企業の理念も個人の目標も一括して「ゴール」と呼びます。

「ゴール」とは、心から達成したい目標のことです。

リモートワークでは、物理的な場所を共有していないため、積極的にメンバー間の内面の結びつきを強めていく必要があります。

その結びつきの接着剤となるものが、チームの「ゴール」です。

そのチームが社会に対して何を提供するのかという「ゴール」の認識に、メンバー間のズレがあったとしたら、いくら連携をとる環境を用意しても効果が得られにくくなります。

その意味で、チームのリーダーは、社会に対して何を提供するのかというチームの「ゴール」を明らかにした上で、メンバー間の「ゴール」の共有度がどのくらいなのかに対して意識を向ける必要があります。

そしてその作業は、繰り返し行われるべきです。

そうすることで、チームのメンバーは、用意された環境が究極的に何のために使われるべきかという意識を持つことができます。

このようなサイクルがきちんと出来上がることで、リモートワークのチームマネジメント成功率はアップすることでしょう。

Image credit: Greg Raines via unsplash

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