ワードプレス社で1年半リモートチームのマネジャーを務めた、スコット・バークン氏は「どうしてリモートワークはもっと普及しないのか」という質問をしばしば受けるそうです。
そんな時、彼は「今リモートワークがどのくらい人気があるか、知っているのか」と答えるそうです。
テクノロジーをアップグレードするのは簡単でも、文明の変化はゆっくり起こります。
ここで、バークン氏のリモートワークについての意見をご紹介しましょう。
Contents
なぜリモートワークは普及しないのか
リモートワークは、あなたが思っている以上に普及している。
週に1日か2日オフィス以外の場所からリモートワークで働くことは何年も前から増加し始め、今も上昇し続けています。
ここに米国国勢調査局の2013年の報告に基づいたチャートがあります。
調査や研究には弱点があるもので、例えば、建設業で126パーセントの増加は信じがたいですが、エトナやアメリカンエクスプレス社など、多くの主要企業はリモートワークに対してリベラルな政策を持っており、中にはリモートワーカー向けの求人ボードさえあるところもあります。
職業別にみる、米国人の自宅からのリモートワークの数
米国の全労働人口約1億4200万人のデータでは、パートタイムで自宅でリモートワークを行っている人は、420万人も増加しています。
2010年に少なくとも週1回家から働いた人は1千340万人。
2015.8.03
リモートワークを実践している米国企業
あなたは毎日気づかずにリモートワークをしている
あなたの毎日の仕事のどのくらいが、コンピュータの画面を介して行われているでしょうか。
30%、それとも 50%でしょうか。
あなたが画面を通して作業している時は、世界のどこにいてもいいわけです。
同僚と同じオフィスにいる利点は何ですか。
画面を通してのみ働いている時、そんな利点は無くなってしまいます。
モバイルデバイスやラップトップは、言うならば、リモートワークのツールです。
あなたが同じオフィスの誰かとリアルタイムで話しているのはどのくらいの時間か、考えてみてください。
現在ではそれはかなり減っているはずです。
リモートワークを許可しない会社でさえ、使っている器機や日々の業務形態で、リモートワークは暗黙のうちに奨励されているのです。
リモートワークの概念への抵抗は、オフィスワークの現実と照らし合わせてみると、おかしな現象です。
2015.12.21
フリーランスはリモートワークに該当するのか
リモートワークを試みるのはベンチャーが多い
100%リモートワーク企業のリスト上のほとんどは、小さな、若い、テクノロジー中心の会社です。その中のいくつかは、起業者が他の従業員とは別の都市に住んでいます。
50年前にリモートワーク企業を築くことはとても難しいことでしたが、この10年間のテクノロジーの発展がそれを容易にしています。
今は新しい時代で、仕事の概念は変わらなければならないのです。
リモートワーカーの管理には、経営者と従業員の関係とは異なるスキルが必要です。
そのスキルは習得が難しいものではありませんが、それは確かに存在します。
私は、伝統的なマネジャーとして、この新しい方法を学ばざるを得なかった自分の経験を「Year Without Pants -(和訳)マイクロソフトを辞めて、オフィスのない会社で働いてみた」に書きました。
多くの企業が機能不全に陥っている
多くの企業が、立ち往生していることに不満を言う一方で、リモートワークの導入をためらっている理由は、それが役に立たないからだと主張します。
実際にはそれは企業の現状を見つめることへの恐れなのですが。
企業の中で一番権力を持っている人が、変化を一番怖がります。
リモートワークは管理者に、何がいい仕事なのか、どうやってそれを評価するかの再考を強います。これは多くの管理者たちがしたがらないことです。
真に進歩的で従業員を信頼し、協力的な企業は、リモートワークについてもフェアに接します。
階層があり、テリトリーを誇示する企業はそうではありません。
私は、ワードプレス社がどうしてリモートワークを全面的に使うことができたのかを本に書きました。同社は、リモートワークが才能のある人に権限を与え、可能な限り前進させる時に、マネジメントを排除するという哲学にフィットしたのです。中間管理職が一番大切な才能だと見なしている企業では、リモートワークはうまく機能しません。
2015.9.14
企業がリモートワークを100%実践する方法
リモートワークは、誰にでも合うものではない
私たちには、どのように働くかの広いオプションがあります。
ある人は毎日一時間かけて通勤しています。
それは週に10時間、車かバスに揺られることです。
一部の人には、これは許容できないことでしょう。一般的に9時〜5時の業務時間や、職場での服装などには意味がなくなってきているものもあります。
しかし、伝統を変えるには時間がかかります。
それよりも大事なのは、一人一人が自分に好ましい働き方の組み合わせを選べることです。
リモートワークは、雇用主と従業員が話し合って、何が有効に働くかを決める、変化のひとつなのです。
ポール・グレアム氏は、米国のプログラマーの人材不足について投稿し、マット・マレンウェッグ氏が、それについてリモートワークを引用して応答しました。両者とも正しいのです。
オフィスワークが一番よく働ける人もいるし、リモートワークに向いている人もいます。より多くの選択肢があることが、米国にとっても、その他の国にとっても、正しい答えなのです。
2015.7.21
リモートワーカーに転身する前の3つの質問
リモートワークの選択肢を与える
労働者がコミュニケーションをとる唯一の方法がデジタルメディアである場合、電子メール、Skypeやその他のコミュニケーションツールは非常に大切になってきます。
どれだけ思慮深く書くか、同僚が必要としているものをどれだけ与えようとするかがより重要になってきます。
リモートワークでは、異なったタイムゾーンの人と仕事をすることもあり、全員のスケジュールを組むには、一段上の「意識」が必要です。
これらのソフトスキルを教え込むことは、ハードスキルを教えるよりも難しいことです。
多くの場合、会社のリモートワークへの取り組みがうまくいかないのは、会社がリモートワークの前提条件である変革を予想していなかったからです。
彼らは「リモートワークを機能させるためのルールの調整を今はしたくない」と言う代わりに、「リモートワークは機能しない」と言います。
マネージャーは、従業員にリモートワークの選択肢を与えることが、彼ら自身の利益になることを理解するべきです。
オフィスワークを好む労働者もいるでしょう。
しかし、彼らが一度もリモートワークをしたことがなければ、リモートワークの良さを知っているでしょうか。
必要な時には家から働ける、また転職することなく、違ったライフスタイルを試してみることは、誰にとってもよいことです。
2015.10.24
従業員のパフォーマンスを上げたければ、リモートワークさせよ
http://scottberkun.com/2015/why-isnt-remote-work-more-popular/
Image credit: taner ardali via unsplash