海外でリモートワークをしながら1ヶ月でスペイン語を習得した青年

グルームさん(20歳)は、これまで5カ国に住み、35カ国以上を訪問した経験を持つデジタルノマド・リモートワーカーです。
彼は、メタ学習(勉強の仕方を学ぶこと)に入れ込んでおり、昨年は様々なスキルを1カ月で習得することに挑戦しました。
以前は「1カ月でマスター」というブログを運営し、月ごとに、ウェブデザイン、DJ、映画撮影技術などを習得しましたが、今回彼が挑戦したのは、スペイン語の習得です。

1ヶ月でスペイン語を習得

彼のこの実験を近くから観察した、20歳以下の天才達のネットワーク 2Billion Under20* 創設者のジャレッド・クレイナートさんによると、この実験は容易なものではありませんでした。
グルームさんは、毎日5時間×30日間の計150時間をスペイン語の習得に費やしました。
その間、毎日の業務も通常通りこなしていたそうです。
彼が1ヶ月でスペイン語を習得できた理由は、自分にあった勉強方法を見つけたことにあったようです。

* 2Billion Under20 http://www.2billionunder20.com/

あらゆる方法を試す

グルームさんは、伝統的な学習方法であるフラッシュカードから、音声をひたすら真似るような新しい方法まで、あらゆる方法を試しました。
何十冊もの本や、言語学習の世界的エキスパートのベニー・ルイス氏などから得られるアドバイスは、すべて取り組んでいます。
1ヶ月間でのスペイン語習得のゴールは、完璧な言語を身につけることではなく、コミュニケーション能力を身につけることに設定しました。
ビジネスで例えるならば、「50ページのビジネスプランを書くこと」ではなく、「セールスを成立させること」を目標設定にしたのです。

この彼の試みは、ドキュメンタリーフィルムに収められ、趣味などを「高速で学ぶこと」を人々に喚起するとともに、ビジネスマンなどにも影響を与えています。


ドキュメンタリーの内容

フィルムは、グルームさんが滞在する、コロンビアのメデジンの景色から始まります。
その後に簡単な自己紹介。

「学校で中国語を3年学んだが、何も覚えていない。他の言語も試したが、途中で挫折した。自分はもう語学を楽に身に着けられる子供ではない。」

ここまでは、たいていの人と同じです。
では、スペイン語を1カ月で習得するために、彼はどうしたでしょうか。

まず、語学講師のベニー・ルイス氏とオンラインレッスンを始めます。
彼のゴールが、コミュニケーション力をつけることと聞いたルイス氏は、文法は上達してから学べばいい。
会話が進まないのは語彙が足りないためだと感じたら、単語を増やす勉強をすること。
毎日の授業の終わりにスプレッドシートで送られてくるその日の単語は、フラッシュカードとして使うことを指示します。

グルームさんは、当面必要な「東・西・南・北」や「もっとゆっくり話してください」などのキーワードを紙に書きつけます。
毎日壁に単語を書いて、覚えたものから消していきます。

次にルイス氏の忠告に従って、直接会って教えてくれる、地元のネイティブ講師を雇います。
この人は文法から教え始めました。

さらにオンラインで、発音学習の大家イダホサ・ネス氏とコンタクト。
ネイティブのしゃべりを区切って、呪文のように何度も繰り返しては録音比較。
これを毎日2時間ずつ行います。
これでヒアリングがかなり楽になるそうです。

最後に、コーチのブライアン・クォング氏が、グルームさんの計画全体をチェックした後、語学学習で挫折しないための、飴か鞭を選ばせます。
グルームさんが選んだのは、「1日でも5時間の勉強をさぼったら、コーチへ罰金500ドルを支払う」という鞭。
クォング氏は、「この計画をちゃんとみんなに話してあるね」と念を押します。
みんなが知っていれば、そう簡単には計画を放り出せないからです。

こうしてグルームさんは通常業務を続けながら、毎日5時間のスペイン語学習を始めます。
カメラは日ごとの彼を追いますが、時には午前4時に学んでいることも。
1カ月の途中で、どんなにやっても進歩が感じられないスランプも経験し、それでも続けて、ついに最終日。
5時間の時間を取れずに罰金が確定します。
最後に1カ月の授業料+罰金の決済と、スペイン語が話せるようになった彼が映し出されます。

このように、計画を達成するまでのかなりの努力がうかがえますが、これくらい自己統制できるからこそ、デジタルノマドとしても成功しているのだとうなずけます。

実験後、グルームさんは、他の人もスペイン語をマスターできるようにBaseLang.comを設立しました。
BaseLangの無制限の個別指導では、スペイン語圏へ引っ越すことなしに、最大限にこの言語に浸ることができます。
なぜなら同社は、ソフトウェアのアプリケーションで機械的に語彙や文法の時制に焦点を当てるのではなく、学習者のゴールを実現するために働くネイティブスピーカーを、学習者にマッチさせるからです。

* BaseLang https://baselang.com/

助けを借りることの大切さ

クレイナートさんによると、彼がこれまで接してきた世界的企業やそのリーダー、プロの講演者、そしてグルームさんの実験を見る限り、エキスパートの助けを借りた方が、自分独りで物事を習得しようとするよりも10倍も速くできると言います。

彼は、グルームさんの実験のドキュメンタリーフィルムを見て、メタ学習の戦略とヒントをあなたのビジネスやスキルの獲得努力に当てはめてみてくださいと勧めています。

参考
http://www.forbes.com/sites/jaredkleinert/2015/11/30/this-20-year-old-teaches-us-how-to-learn-anything-in-a-month/

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