リモートワーク文化はこれまで多くの人々の生活を変えてきましたが、2016年にはどのように変化していくのでしょうか。
Despreneur(http://despreneur.com/)の創設者で、デザイナーとして自らもリモートワークを実践しているトーマス・ロリナヴィシウス氏が、リモートワークのエキスパートたちと2016年のリモートワークの展望について語り合いました。
解答者は以下の通りです:
マリナ・ジェネイコ
ベテランのデジタルノマド、UXデザイナー、What’s It Likeの創設者。
リディア・リー
自由なライフスタイルを提案するScrew The Cubicleのコーチ、 The Cubicle Crashing Podcastのポッドキャストホスト。
ケイシー・ローゼングレン
Hacker Paradiseの進行役の一人。アジアとラテンアメリカを溺愛する旅行者。
ジェイコブ・ローカイティス
オンラインクーポン会社Chameleon Johnの共同創設者。ノマド歴2年、訪れた国35カ国。
イルマ・ノースデイト
MailerLite社の最高執行責任者。コーヒーとアートと旅好きの冒険家。
ロドルフ・デュテル
45人の完全リモートワーカーからなるBuffer社のビジネス開発者。週1万人以上のリモートワーカーの購読するニュースレター Remotive 経営者。
ピート・ロイヲンスリヤ
Travelistly、BucketListlyとThe Pete Designの創設者。UI/UXデザイナー。旅する起業家。
クリストファー・ミムス
テキサス出身のWall Street Journalの技術コラムニスト。本や時代錯誤的な物が好き。
カヴィ・グッパ
「Disruption in the Developing World」の共著者。デジタルノマド、コンテンツプロデューサー。
リモートワークの課題は何か?
クリストファー:
上司の考え方。
ほとんどの上司は、どうやってリモートワークのチームを管理すればいいかわかっていない。
もしベストのオンラインツールを備えていたら、従業員にリモートワークをさせる準備はそれでできているんだが。
リディア:
最初に人々が直面するのは、リモートワークという未知のものへの恐怖でしょう。
自分たちのキャリアをどうするか、キュービクルの外で生き延びるために、どんなビジネスを作り出せばいいのか分からない。
この原因のひとつは、自分の強みやスキル、自分のためによりよい労働方法を再編成する指標を把握していないことです。
マリナ:
柔軟な銀行ソリューション、柔軟で高すぎない国際医療オプション、もっと多くのロールモデルが激励すること。
成功したリモートワーカー、企業がオープンにリモートの才能を歓迎することが必要です。
ピート:
私にとって一番難しかったのは、周囲の様々な勧誘から、自分に最適なものを判断することでした。
自分のビジネスが成り立って、一日の終わりにまだ自分のために散策する時間が残っているようなシステムを見つけ出すことが全てです。
このような完璧なシステムを見つけるには、その世界に飛び込んで、何がうまく作動するか確かめる以外に方法はありません。
旅に出ない限り、自分がどんな旅行者か知ることはできません。
どんなところに泊まるか、その国にどんなインフラがあるか。
完璧なシステムを発見しても、世界中を移動する度に新しい環境に適応させる必要がある。
要は、いい基盤を築いて、行く場所に応じてそれに適合させることです。
イルマ:
私はリモートワークが主流になることは、これからもないと思います。
リモートワークするには、特別な価値観と、それをする能力が必要だと思う。
私は、Grooveのhow to hire a good remote workerというブログのポストが大好きです。
リモートチームの最大の利点は、結果指向であるということ。
リモートワーカーの価値を判断する唯一の基準は、彼らのパフォーマンスです。
2016年にリモートワークはどうなるか?
リディア:
オンラインプラットフォームを通じて、フリーランサー、リモートワーカー、場所に依存しないビジネスは、すでに人々に伝わっていると思います。
お金はいつも求められているものですが、それ以外のファクターが生活のなかで優先されてきています。
コワーキングスペースからインキュベータ、コワケーションからマスターマインドまで、リモートワーカーをサポートするシステムは、世界中にあります。
それらはデジタルノマドに、自分が大きなコミュニティの一員だと感じさせ、他の人から学べるように設計されています。
カヴィ:
より多くの企業がリモートワーカーを雇うことを真剣に考えるようになるでしょう。
全企業が完全リモートワーク化される必要はないのです。
企業のメンバーが、リモートワークのオプションを与えられることが目標です。
個人の性格に合ったワークスタイルをそれぞれが選べるべきです。
ケイシー:
この数年で、リモートワークは、無料ランチやジムのメンバーシップのように、スタートアップには欠かせない特典になると思います。
これは、質の高い労働者を魅了する唯一の方法ですから。
ピート:
より多くの産業が、徐々にリモートワークにシフトしていくと思います。
需要が増えるにつれて、デジタルノマドへのサービスも充実します。
ノマドにフレンドリーなカフェを探せる、ノマドのためのFoursquareもできるでしょう。
2016年には企業が目を開いて、リモートワークの利益に気づくまでは、あまり大きな変化は起こらないかもしれません。
でも数年もしたら、旅をしながら働くことは、珍しいことではなくなるでしょう。
ジェイコブ:
根本的にはそれほど変化しないと思うけれども、ノマドになる人は増えて、ノマドだけに焦点を当てた製品やサービスが企業から出てくると思う。
もちろんノマド同士を結びつける、ミートアップやオンラインのコミュニティが世界中でもっと増えるでしょう。
イルマ:
2016年にはリモートチーム向けのハブやアプリがもっと増えてほしいし、試験的にリモートワーカーを雇う企業が増えると思います。
ロドルフ:
2016年には、従業員150人以上の大きなリモート企業GitHub、Automattic、InvisionやToptalなどが努力を続けると思います。
2015年にはSlack & Trelloなどのコラボレーションと生産性ツールが、全てのサイズのチーム用に非常によく働きました。
リモートワークは、コラボレーションやイノベーションにどう影響を与えるか?
マリナ:
伝統的なオフィスチームに対して、同じ価値を持った人々が自由に動き回るオープン社会が際立ってくると思います。
これがイノベーションの基盤でなくて、いったい何が基盤でしょう。
ジェイコブ:
異なる背景の、異なる大陸に住んでいる人たちが、単一プロジェクトに取り組むとこと自体が多様なアイデアの交換で、革新的なことです。
非常にニッチな市場でニッチな問題を解決するためのオンライン企業が出てくると思います。
このシナリオでは、インドの村で人々が直面している問題に、東欧から解決案が出て、米国のベンチャーがパートナーシップと資金を見つけて製品化することだってありえます。
リモートワークを経験している人たちの興味深い意見ですね。
来るべき2016年、果たしてリモートワークがどのように発展していくのか、興味あるところです。